この夏、フランスの首都・パリから広がったグローバルな熱狂を経験した2024年も、残りわずか--。
そんな余韻に浸ることなく、次の夏のオリンピックエディションとなるロサンゼルス2028に向けて、世界一の舞台を目指すアスリートたちはすでに動き始めている。バスケットボールも、そのうちのひとつだ。
バスケット男子日本代表にとって、パリ2024が閉幕して以来初の国際試合となるFIBAアジアカップ2025予選(Window2)<英名:FIBA Asia Cup 2025 Qualifiers(Window2)>の第1戦が11月21日に日環アリーナ栃木(栃木県宇都宮市)において行われ、日本はモンゴル代表を迎え撃つ。そして、24日の第2戦では敵地に赴き、グアム代表とのアウェイ戦に挑む。
このバスケットボール男子のアジアカップは、2017年エディションより名称変更や開催サイクルの変更など大幅なリノベーションが施され、現在は4年に一度開催されることとなっている。そして、2025年のアジアカップは、8月5日にサウジアラビア第2の都市・ジッダで開幕し、現在行われている予選を勝ち抜いた16チームが出場することとなっている。
日本を含む24チームが参加しているアジアカップ予選で、バスケ男子AKATSUKI JAPANはグループCに属しており、グアムとモンゴル、そして中華人民共和国の3チームと同居している。2024年2月に行われた予選Window1の試合で、日本はすでに2勝を飾っており、グループCの首位に立っている。そして、まもなく始まるWindow2の2試合で、日本がふたたび2連勝することができれば、Window3(2025年2月開催)の試合結果を待たずして、日本のアジアカップ2025のクオリファイが決まる。
2023年8月に沖縄で開催されたFIBAワールドカップ2023において、アジア地域の中で最上位チームとなり自力でオリンピック出場権を獲得したバスケット男子のAKATSUKI JAPAN。ロサンゼルス2028に向けてオリンピック連続出場を目指し、トム・ホーバスHCの続投も決まったAKATSUKIメンバーが最初に狙うのは、このアジアカップでの優勝、すなわち正真正銘のアジアの頂きに立つことだ。
パリ2024で証明した世界で戦えるという評価と自信を得て、次のLA28までのロードマップを描く中、AKATSUKI JAPANが鋭いドリブルでこじ開ける最初の扉となる、アジアカップ予選Window2の2ゲームについて覗いてみよう。
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FIBAアジアカップ2025予選(Window2)
1. モンゴル戦(11月21日)
アジアカップ2025予選で日本と同じグループCに属するチームの中で、まだ戦っていない唯一の相手がモンゴル代表だ。
前段で紹介した通り、このモンゴル戦がパリ2024オリンピック閉幕から日本が初めて迎える国際試合となることから、新生AKATSUKI JAPANのビルドアップが気になるところであるし、将来を占うといった観点からしても重要な試合と位置付けていいだろう。
最新のFIBA世界ランキング(2024年8月10日付)で、21位の日本に対し、モンゴルは108位と格下。Windon1の2試合でも連敗を喫しており、グループでは最下位となっている。しかし、侮ってはいけない。モンゴル代表は、国内ファンがあっと驚くようなエキサイティングなプレースタイルが特徴的で、日本が経験したことのないような戦術で下馬評を覆してくるかもしれない。
すでにチケット完売とアナウンスされた日環アリーナ栃木を舞台に、フルハウスの赤に染まったAKATSUKIサポーターが目撃したいのは日本の勝利、それだけだ。
2. グアム戦(11月24日)
ホームでのモンゴル戦を終え、移動を含む中2日を経て迎える24日には、AKATSUKIメンバーはグアムでのアウェイ戦に挑む。日本とグアムの時差は +1時間なので、中東地域などに比べると時差によるコンディション調整の難しさは少ないかもしれないが、全国的に急に冬の訪れを感じさせる気温となった日本から、11月でも常夏のような気候のグアムへ移動するので、フィジカル面の管理には留意したいところだ。
そして、対戦相手のグアムは、最新の世界ランキングで全体80位。アジア・オセアニア地域だけで見ると、16番目にランクインしている。ちなみに、日本は地域別ランキングで、トップのオーストラリア(世界ランキング7位)に次いで、2番目にランクインしている。また、Window1の試合でグアムは、中国に敗れたもののモンゴルを下したことで、勝利数「1」を記録し、現在グループ3位となっている。
前回のホームで戦ったWindow1での日本対グアムの試合(2024年2月22日実施)では、75−56と2桁リードで勝利を飾ったAKATSUKI JAPAN。しかし、この時はパリ2024オリンピック代表メンバーを中心に構成されており、今シーズンよりNBAに挑戦している河村勇輝が先発出場するなど重要な役割を担っていた。
主要メンバー不在の中で、新たに代表合宿に招集された若手メンバーを含むポジション争いや個々のスキルアップが求められている今、どんなチームワークで難しいアウェイ戦に挑むのか。そして、Window2でのモンゴル戦とグアム戦でふたたび連勝を飾り、日本はいち早くアジアカップの出場権を獲得することができるのか。アジアの頂きを目指す日本のパフォーマンスから、目が離せそうにない。
日本代表チーム 直前合宿招集メンバー(11月15日 更新)
- 比江島 慎(SG/191cm/34歳/宇都宮ブレックス)
- アレックス・カーク(C/211cm/32歳/琉球ゴールデンキングス
- 山崎 稜(SG/183cm/32歳/広島ドラゴンフライズ)
- 富樫 勇樹(PG/167cm/31歳/千葉ジェッツ)
- ジョシュ・ホーキンソン(C・PF/208cm/29歳/サンロッカーズ渋谷)
- 馬場 雄大(SF/196cm/28歳/長崎ヴェルカ)
- 佐々木 隆成(PG/180cm/28歳/三遠ネオフェニックス)
- 牧 隼利(SG/188cm/26歳/大阪エヴェッサ)
- 大浦 颯太(PG/182cm/26歳/三遠ネオフェニックス)
- 吉井 裕鷹(SF/196cm/26歳/三遠ネオフェニックス)
- 川真田 紘也(C/204cm/26歳/長崎ヴェルカ)
- 山口 颯斗(SF/195cm/26歳/長崎ヴェルカ)
- 渡邉 飛勇(C/207cm/25歳/信州ブレイブウォリアーズ)
- 西田 優大(SG/190cm/25歳/シーホース三河)
- 井上 宗一郎(PF/201cm/25歳/越谷アルファーズ)
- 角田 太輝(SG/182cm/25歳/佐賀バルーナーズ)
- 中村 拓人(PG/184cm/23歳/広島ドラゴンフライズ)
- 市川 真人(C/206cm/23歳/広島ドラゴンフライズ)
- 脇 真大(SG/193cm/22歳/琉球ゴールデンキングス)
- 渡邉 伶音(C/204cm/18歳/福岡大学附属大濠高等学校)
※ポジション
- PG-ポイントガード
- SG-シューティングガード
- SF-スモールフォワード
- PF-パワーフォワード
- C-センター