P&G、北京2022の"Athletes for Good” プログラム受賞アスリートを発表
P&G、IOCならびにIPCは、昨夏の東京2020をきっかけに設立した “Athletes for Good” プログラム受賞者について、スポーツを通じたチャリティー活動に尽力する北京2022出場アスリートを発表した
国際オリンピック委員会(IOC)ならびに国際パラリンピック委員会(IPC)は、ワールドワイドオリンピックパートナーのP&G社と共に設立した “Athletes for Good” プログラム受賞者について、**北京2022**オリンピック・パラリンピックに出場するアスリートの中から選出したと発表した。
11名のオリンピック選手と、5名のパラリンピック選手の合計16名が、異なる9ヶ国・地域より選ばれ、彼らが尽力しているスポーツを通じたチャリティー活動の資金援助として、それぞれに400,000 USドルが贈られる。その活動の範囲は、気候変動に対するアクションから、LGBTQ+に対する認知拡大など、多岐にわたる。
“Athletes for Good” プログラム受賞者は以下の通り:
- シンシア・アピア(ボブスレー)/Fast and Female
- ジャスティン・デュフォーラポイント (フリースタイルスキー)/FitSpirit
- シニ・ピー(パラ・クロスカントリースキー)/Protect Our Winters Finland
- ガス・ケンワージー(フリースタイルスキー)/Worthy Foundation
- ブレンダン・ドイル(スケルトン)/MyMind
- エラ・コックス(リュージュ)/Cystic Fibrosis Association of New Zealand
- シミデレ・アデアグボ(ボブスレー)/LeadMinds Africa
- サラ・ウルタド(フィギュアスケート)/Fundación Ecomar
- ブリトニー・アーント(リュージュ)/Protect Our Winters
- ダン・クノッセン(パラ・バイアスロン)/Classroom Champions
- アーリーン・コーヘン(パラ・スノーボード)/Adaptive Action Sports
- ケンダル・コイン・スコフィールド(アイスホッケー)/Schofield Family Foundation
- クリストファー・マズジャー(リュージュ)/Classroom Champions
- ダニエル・アムステッド(パラ・アルペンスキー)/Sisters in Sports Foundation
- オクサナ・マスターズ(パラ・クロスカントリースキー)/Kindness Wins
- ケイティ・タンネンバウム(スケルトン)/My Brother’s Workshop, Inc.
受賞者の活動について、以下詳しく紹介する。
“Athletes for Good” 受賞者の活動
オリンピック4大会でリュージュに出場している**クリストファー・マズジャー**は、今回の受賞の喜びを次のように語った。
「本当に信じられないです。(自分が取り組んでいる)活動が選ばれるなんて! 」
"Classroom Champions" という彼の活動グループには、パラリピアンのダン・クノッセンも参加しており、社会性やエモーショナルな気持ちをコントロールする学びのプログラムを立ち上げ、教室におけるクラスメイトとのつながりや、ポジティブな雰囲気を率先して作っていけるように子どもたちをインスパイアしている。
コミュニティの中で十分なサービスやサポートが受けることのできない子どもたちを救うため、マズジャーは過去6年間、何百もの子どもたちを訪ねたり、時にはリモートで、自身のオリンピックでの経験を共有することで、彼らのロールモデルになることに情熱を注いできた。
今回の受賞で、新たに32,000人の子どもたちが、マズジャーのプログラムに参加できるようになり、2025年までの目標達成人数である100万人に近づくことになった。
夏冬両季のパラリンピックに出場しているオクサナ・マスターズは、自身が設立した ”Kindness Wins" という活動により、今回の受賞者に選ばれた。コミュニティの中で、あまり光の当たっていない「縁の下の力持ち」のような存在で働くヒーローにスポットライトを当てて、その人々へ「親切のメダル」を贈るとい活動を行なっている。こうした活動により、コミュニティにおけるインクルーシブや互いに支え合う親切な心を届けたいという大切なメッセージを、社会全体へ発信しているのだ。
パラリンピックで金メダルに輝くマスターズの活動のアイデアは、彼女自身がパラアスリートとしてトレーニングしていたボートクラブが端緒になる。今回の受賞により、より多くの人々へより多くの「親切のメダル」を贈ることができると、彼女は喜んでいる。
フリースタイルスキーヤーの**ガス・ケンワージー**は、今回の受賞について、ゲイと公表した初のアスリートになった自身の経験をもとに、2021年7月に立ち上げた “Worthy Foundation” のさらなる成長につなげたいと考えている。
敬遠されがちなLGBTQ+のコミュニティが、より多くの場面で受け入れてもらえるようLGBTQ+の人々を元気づけるため、ケンワージーは特に悩んでいる若者たちへ、安心できる空間を用意したり、社会からの疎外感を取り除くための様々なリソースを提供できるように、今回受賞した資金を使っていきたいと考えている。
ナイジェリア初の冬季オリンピックアスリートである**シミデレ・アデアグボ**は、アフリカ地域のパイオニア的存在として、人々から尊敬されるために必要なことを熟知している。だからこそ、彼女は自分のオリンピックでの経験を活かして、スポーツを通じたリーダーシップスキルを提供したいと、若い世代をインスパイアする活動を続けている。
ボブスレーとスケルトンのアフリカ出身アスリートとして、最も輝かしいキャリアをもつ彼女は、“LeadsMinds Africa” というプログラムを立ち上げ、次世代のリーダー人材養成に情熱を注いでいる。このプログラムでは、大学生などのヤングアダルト世代をターゲットにし、人生の目的を明確にすることで、それぞれのコミュティでどうしたら最善の貢献ができるかなど、自発性を育てている。
アデアクボは、今回の受賞で、自身の活動をより充実させ、新たなプログラムとなる ”Minds2lead” という、より長期のリーダーシップ養成プログラムを提供していきたいと考えている。