各国オリンピック委員会連合(ANOC)が選手やチームのその年の活躍を讃えるANOC(アノック)アワードの受賞式が10月30日、ポルトガル・カシュカイシュで行われ、体操男子日本代表が2024年個人競技最優秀男子チーム賞(Best Male Team in Individual Sports)を受賞した。
授賞式に出席した体操日本男子キャプテンの萱和磨(かや・かずま)は、名前を呼ばれて登壇。パリ2024オリンピックの体操団体決勝でトップと3点以上の点差で迎えた最終種目のときの気持ちを尋ねられ、英語で「プレッシャーは感じませんでした。たくさんの時間を練習に費やしてきたので、自信もありました」と語り、「チームメイトに『ネバーギブアップ!ネバーギブアップ!ネバーギブアップ!』と言い続け、みんなでお互いに助け合いました。夢が叶いました!」と力強くコメント。会場は拍手に包まれた。
受賞後には取材陣の質問に日本語でこたえ、「本当に大変光栄な賞で、オリンピック頑張ってよかったなと、チームみんな諦めないで戦って本当によかったなと思います」と喜びを表現。「パリオリンピックが終わって、(今後について)すごく考えました。引退するか体操を続けるか。僕は体も元気で、心も元気なので、オリンピックで金メダルを目指す以外考えられないと思ったので、ロスのオリンピックを次の新しい目標として頑張っています」とロサンゼルス2028を目指すことを宣言した。
体操男子日本代表は夏に行われたパリオリンピックの団体総合で金メダルを獲得。橋本大輝、岡慎之助、萱和磨(かや・かずま)、杉野正尭(たかあき)、谷川航(わたる)のメンバーで挑んだ日本代表チームは、決勝最後の種目で3点以上の差をひっくり返して逆転勝利を掴んだ。
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また、スポーツに献身してきた選手のキャリアを讃えるスポーツキャリア優秀賞には、卓球で数々の実績を残してきたマ・ロン(馬龍/中華人民共和国)、カヌースプリントのリサ・キャリントン(ニュージーランド)が選出された。
このほか、パリ2024オリンピックでの活躍をもとに選ばれたパリ2024オリンピック最優秀アスリート賞は、陸上競技女子100mでセントルシア初の金メダリストとなったジュリアン・アルフレッドが受賞。アルフレッドは女子200mでも銀メダルを獲得。一方、男子200mで金メダルに輝いたレツィレ・テボゴ(ボツワナ)が男子の最優秀選手に選出された。
ANOCアワードは各地の国内オリンピック委員会や所属するアスリート、またオリンピックファミリーの活躍、讃えるもので、2014年に初めてタイ・バンコクで開かれた。過去の受賞式では、東京2020オリンピックの野球男子日本代表チームが最優秀男子チーム賞を受賞したほか、柔道の山下泰裕さんが優秀選手賞に選出された。
2024年の受賞者は以下の通り。
- 個人競技最優秀女子チーム賞:自転車競技トラックレース・チームスプリント英国代表
- 個人競技最優秀男子チーム賞:体操競技日本代表
- 団体競技最優秀女子チーム賞:バレーボール・イタリア代表チーム
- 団体競技最優秀男子チーム賞:ハンドボール・デンマーク代表チーム
- パリ2024オリンピック最優秀女子選手賞:ジュリアン・アルフレッド(セントルシア、陸上競技)
- パリ2024オリンピック最優秀男子選手賞:レツィレ・テボゴ(ボツワナ、陸上競技)
- 個人競技最優秀混合チーム賞:オーストリア代表 混合ディンギー470級 ララ・バドラウ、ルーカス・メール
- スポーツキャリア優秀賞(女子):リサ・キャリントン、カヌースプリント(ニュージーランド)
- スポーツキャリア優秀賞(女子):マ・ロン、卓球(馬龍/中華人民共和国)
- オリンピック・ファミリー貢献賞賞:アニタ・デフランツ
- NOC優秀賞:フランス・オリンピック委員会