World Baseball Classic2023(ワールドベースボールクラシック/WBC)に出場している日本代表・侍ジャパンは3月20日(日本時間21日)、準決勝でメキシコ代表と対戦。ここでは同試合を展望する。
■日程・放送予定
日本時間3月21日8:00開始
日本 vs メキシコ
- 地上波:TBS系列(7:00〜)
- ネット:Prime Video
■日本の戦績
- 1次ラウンド 日本 8-1 中国
- 1次ラウンド 日本 13-4 韓国
- 1次ラウンド 日本 10-2 チェコ
- 1次ラウンド 日本 7-1 オーストラリア
- 準々決勝 日本 9-3 イタリア
■メキシコの戦績
- 1次ラウンド メキシコ 4-5 コロンビア
- 1次ラウンド メキシコ 11-5 アメリカ
- 1次ラウンド メキシコ 2-1 イギリス
- 1次ラウンド メキシコ 10-3 カナダ
- 準々決勝 メキシコ 5-4 プエルトリコ
■日本×メキシコ展望
ここまで5試合、優勝候補にふさわしい盤石の戦いを見せてきたのが日本だ。投手陣は最大でも韓国代表戦の4失点に抑えており、打っても毎試合7点以上を稼ぎ出している。投打が高い次元で噛み合てっている状況だ。また、無敗で準決勝に進んでいるのは日本のみ。万全の状態で準決勝を迎えている。
メキシコ代表戦では佐々木朗希の先発が予想されている。1次ラウンドでは3月11日のチェコ代表戦に先発登板。3回途中1失点、被安打は2、奪三振は8と安定したピッチングを見せた。160キロをゆうに超える速球と、鋭く落ちるフォークが武器。MLBでプレーする選手がほとんどのメキシコ打線との対戦は、今後のキャリアを考えても楽しみなものになるだろう。
第2先発は佐々木同様、チェコ戦で登板した宮城大弥だろうか。前回登板では5回1失点の快投。テンポ良くチェコ打線を手玉に取り、球数制限もある中で5回から9回までを投げきった。中国戦で第2先発を務めた戸郷翔征、オーストラリア代表戦の高橋奎二も候補。展開によっては山本由伸や今永昇太をつぎ込む可能性も考えられる。決勝を見据えた投手陣の起用も試合の見どころとなる。
打撃陣は特に上位打線が好調。1番のラーズ・ヌートバーは.368、2番の近藤健介が.389と高い打率を誇る上に、出塁率も5割を超える。そこから3番の大谷翔平、イタリア戦から4番に座る吉田正尚がランナーを返すというのが日本の形だ。大谷はここまで8打点、吉田は大会トップの10打点。ともに4割超えの打率も残しており、メキシコ戦でもここが肝になりそうだ。
中軸を担う彼らのあとも、調子を上げてきている。不振にあえぎ、4番から5番に打順を下げていた村上宗隆は、準々決勝で待望の初タイムリーヒット。2本のツーベースヒットを放ち、復調をアピールした格好だ。圧巻だったのは岡本和真。イタリア戦では、3ランホームランを含む5打点の大暴れで勝利に導いた。この2人の活躍は、準決勝に向けた大きな好材料だろう。
対するメキシコは1次ラウンドでアメリカ合衆国代表を下したチーム。準々決勝ではプエルトリコ代表に5-4の逆転勝ちを収めた。どちらかというと打力に強みを持つチームで、アメリカから11点、カナダから10点と2度の二桁得点を記録している。
最も怖い打者はランディ・アロサレナだろう。タンパベイ・レイズに所属し、新人王にも輝いた選手だ。今大会は打率.471にチームトップの9打点、ホームランも1つ記録している。1番打者としてチームを勢いづける存在だけに、日本の投手陣としては注意が必要だろう。
プエルトリコ戦こそ快音が聞かれなかったが、3番に座るホエイ・メネセスも打率.391、6打点とメキシコ打線の核となる選手。打率.357をキープし、プエルトリコ戦で逆転の起点となった9番のオースティン・バーンズ、プエルトリコ戦3打点の5番アイザック・パレデスも要警戒だ。
投手陣では大谷の同僚でもあるパトリック・サンドバルの先発が濃厚だ。すでに監督から起用を明言されている。サンドバルは今大会、アメリカ戦で3回1失点の好投を見せ、勝利の立役者となった。昨シーズンのMLBでは6勝9敗ながら、防御率2.91と安定感は抜群だ。
ここまで大量得点を挙げてきた日本だが、ここからは簡単に点を取らせてくれない試合が続きそう。ロースコアの試合展開となる可能性が高く、日本の投手力が試されることになる。メキシコは接戦を制してきていることからも勝負強さが光り、日本としては泥臭く1点をもぎとるプレーも必要になるだろう。