第97回日本選手権水泳競技大会・競泳競技「ジャパンスイム2021」が4月6日、競技4日目を迎えた。男子200mバタフライは、本多灯(ATSC.YW/日本大学)がラスト15m付近で瀬戸大也(TEAM DAIYA)を交わし、1分54秒88で優勝。2位の瀬戸とともにTokyo2020(東京五輪)同種目日本代表に内定した。(画像:時事)
決勝を終えた本多は、「1分53秒を出したかったが、ほど遠いタイムになってしまった」と自身の泳ぎには納得していない。それでも準決勝からタイムを0秒05伸ばしての優勝には、「うれしいというか、安心している」と語った。
レースは終盤、瀬戸との一騎打ちとなった。その瀬戸を意識していたという本多は、「150mまでは(瀬戸と)同じ(ペース)で、最後の50mで抜かすことがレースプランだった。自分の強みは最後の50mなので勝つしかないと思い泳いだ」とプラン通りの逆転劇を振り返った。
自身の性格を「うるさい性格」と分析する本多。「常に冷静でいること」、「レースの結果に一喜一憂しないこと」を心掛けていると話すように、今大会は自身もライバルもベストパフォーマンスではなかったことを理解している。瀬戸と再び戦うこととなる東京五輪では、さらにパフォーマンスを上げることを誓った。
今回は(瀬戸)大也さんも僕も、ベストタイムよりも遅かった。(瀬戸の)ベストタイムは日本記録の(1分)52秒台なので、そこまでいかないと世界では戦えない。練習を重ね、オリンピックでは自分のベストパフォーマンスを出して1分53秒台、52秒台を狙っていきたい。
1分55秒20で2位だった瀬戸はレース後、「素直に負けたことがすごく悔しい。最後に粘りたかったのですが、やっぱり練習不足だなと感じた」と悔しさをあらわにした。決勝での自身の泳ぎを「オリンピックでメダルを獲りたいという思いでやっているが、55秒だと全然戦えない」と評価。「しっかりと練習をすれば、夏までには必ず勝負できる体に戻せると思う」と話し、東京五輪に向け身体面の強化に取り組む。
今大会で先着を許した本多については、「一緒に世界と戦っていく中で、自分がトップで戦う姿を見せたい」とし、切磋琢磨していきたいと語る。
今回は(本多)灯くんがすごくいい泳ぎをしていた。頼もしい後輩がこの種目に入ってきてくれた。自分も彼と一緒に練習していい刺激をもらい、2人で頑張っていきたいと思う。