第97回日本選手権水泳競技大会・競泳競技「ジャパンスイム2021」が4月3日に開幕した。男子400m個人メドレーでは、既にTokyo2020(東京五輪)同種目日本代表に内定している瀬戸大也(TEAM DAIYA)が4分9秒02で優勝。4分11秒88で2位の井狩裕貴(イトマン近大)は、同代表に内定した。
既に東京オリンピック男子400m個人メドレー日本代表に内定している瀬戸だが、今大会出場にあたり特にプレッシャーはなかったという。その上で、「自分が(東京オリンピックが開催される)夏にどういうレースをしたいかを考え、強化の一環と捉え400m個人メドレーに出場した」と述べた。今回のレースについては、「泳ぎ込めていたので、体力には自信あった。前半から積極的にいったが、スピードを出したところでの持久力がまだできていないところ」と振り返った。一方で自身の4分9秒02というタイムについて、「今の状態で出せたことは(東京オリンピックの)金メダルへの手ごたえを感じている。引き続きしっかりトレーニングして夏を迎え、かなりの記録、世界記録を目指し、最低でも4分4秒台でオリンピックで泳ぎたいと思う」とし、東京オリンピックへの思いを語った。
瀬戸は今大会、200m個人メドレーと200mバタフライにもエントリーしている。出場予定の2種目については「ここからスピードを出して、200mの2種目がどのようなレースになるか楽しみ。400m個人メドレーより自信は薄いが、そこそこのタイムは出ると思う。積極的に泳ぎ、どこまで耐えられるか練習のつもりで臨んでいる」と抱負を語った。
派遣標準記録(4分15秒24)を上回る4分11秒88で2位に入り、代表内定を掴んだ井狩。代表選考を兼ねた今大会には、「これが終わったらもうこの後のレースはどうでも良い」というほど、強い思いを持って臨んだ。自己ベストを更新しての代表内定となった今回のレースを振り返り、「ベストは2019年の4月だったので、そろそろいい加減出さないとダメだと思った。(タイムは)もっと出るかと思っていたが、プレッシャーがかかる中でベストが出せたのは良かった」とコメント。東京オリンピックに向けては、「ずっとテレビで見ていた夢の舞台。(出場への)実感は全然沸いてないが、これからちょっとずつ湧いてくると思うので、本番まで楽しんで強化していきたい。4分10秒切りをしてメダル争いに加わっていけたら良いなと思う」と意気込みを見せた。
井狩はレース中、「平泳ぎで先行したら絶対(オリンピックに)行けると思っていた」と、代表内定を争った本多灯(今大会3位)を意識していた。本多へのライバル心について問われると、「彼のおかげで僕も気合が入る場面があった。本多くんをはじめ、皆もどんどん速くなってきて、ぼくも負けてられないと思って強く感じ、頑張ってきた。(東京五輪に)行けなかった人たちの分も頑張りたい」と語った。