Tokyo2020(東京五輪)日本代表選考会を兼ねる第97回日本選手権水泳競技大会・競泳競技「ジャパンスイム2021」は競技4日目となる4月6日、女子200m個人メドレー決勝を行った。優勝は寺村美穂(セントラルスポーツ)。2位の大橋悠依(イトマン東進)も代表内定となった。(写真:時事)
■寺村美穂「東京五輪に出て水泳人生を終わりにしようと思っていた」
「今年を集大成にしようと思っていました。リオデジャネイロ五輪が終わってから、東京五輪に出て水泳人生を終わりにしようと思っていたので、これで行けないとなったら終わりだなと思っていました。本当にそうならないように、1年間頑張ってきました」
女子200m個人メドレーを制した寺村は、ジャパンスイムにかけた思いを、このように語った。寺村は一時期、自分はアスリートに向いていないのではと悩んでいたことを明かす。「レースの時、絶対負けないという気持ちが薄れる時があった」と振り返る。そうした中、鈴木陽二コーチの存在が大きかったと語る。
「最初は練習に適応できなかったのですが、鈴木先生は頑張っていくことを認めてくれました。自分よりも自分のことを信頼してくれて、大丈夫だと言ってくれる。それが自信になりました。きょうのレース前は負けたくないという気持ちもありました」
「8秒を目指していたのでタイム(2分09秒55)は物足りない」と語る寺村。「夏に向けて課題ができました。きちんとトレーニングを積んでオリンピックに臨めたらと思います」と、3カ月後を見据えた。
■大橋悠依、ライバルの存在に「緊張もあった」
女子200m個人メドレーの日本記録(2分07秒91)保持者の大橋は、日本水泳連盟が設定した派遣標準記録(2分10秒49)を上回る2分09秒67で2位。東京五輪の日本代表内定条件をクリアした。前日の準決勝は全体1位で通過。女子400m個人メドレーに続いて内定を得たものの、レース後に出た言葉はレースの難しさだった。
「きのう、すごく体が動いた分、きょうは足に筋肉痛がありました。蓄積疲労が取れていなかったので、チームで話し合う必要があります。(決勝も)前半に少し無理をした部分があり、その分の疲労が後半に来てしまいました。きのうの感覚では2分08秒5くらいまでは行くと思っていましたが、そう簡単ではない」
「ギリギリで代表権を取れて良かった」と言うように、3位の大本里佳(ANAイトマン)も2分09秒85と派遣記録を上回っていた。すでに女子400m個人メドレーで内定を得ていたため「気持ちの部分で楽なところはあった」としながらも、ライバルの存在に「緊張したところもあった」と振り返る。
「うまく調整できなかった」ことを反省材料に、大橋は「そこが本番で力を出すための鍵になる」と東京五輪に向けて意気込む。