第97回日本選手権水泳競技大会・競泳競技「ジャパンスイム2021」が4月3日に開幕した。女子400m個人メドレーは、大橋悠依(イトマン東進)が4分35秒14で優勝。2位谷川亜華葉(イトマン/四條畷学園高)とともに、Tokyo2020(東京五輪)日本代表選手に内定した。
大橋は今回のレースを「緊張があり、その部分が硬さやちょっとした疲労感になった」と振り返る。決勝のタイムには満足していない。それでも、「落ち着いて4種目しっかり泳ぐことができた。代表内定をしっかり取れたことは、この5年間の成長だと思う」と収穫を語った。自身の泳ぎについては、「フリー(自由形)が特に順調だなと思う反面、バタフライは完璧ではなく6割7割」と分析。「改善点はあるが、取り組むことがはっきりしているので、自分自身もしっかりコーチと話して、集中してやっていきたい」と課題を口にした。
東京五輪代表の選考会だと意識しないように今大会に臨んだと語る大橋。代表内定には率直な気持ちを明かした。
実感が湧かなくて不思議な感じ。ずっとオリンピック選手になりたいと思っていたので、そこは素直に凄く嬉しい。
リオデジャネイロ五輪8位で、ともに平井伯昌コーチに指導を受けている清水咲子(ミキハウス)は、今大会3位で東京五輪代表内定を逃した。大橋は「いろんな選手が皆頑張ってるので何とも言えないが、ともに頑張ってきたので(清水)咲子さんと一緒に(東京五輪に)行きたかった。咲子さんの分まで自分が頑張ろうと思う」と清水への思いを語った。
4分37秒90で大橋に次ぐ2位に入り、代表に内定した谷川。レースではラスト5m付近で清水を抜き、代表内定をたぐり寄せた。「ブレスト(平泳ぎ)の時に自分のレースにしようと考えた。ラストの自由形で意外と(タイムが)上がったので、これは最後に差すしかない」との思いが実った代表内定。「やったことに後悔はないと思って出し尽くした」先に待っていた逆転劇だった。
谷川にとって新型コロナウイルス禍の影響は「大きかった」。「伸び悩み、凄く辛いイメージしかない」と振り返り、東京五輪出場は諦めていた。そのような状況の中、東京五輪代表に内定した現在の心境を谷川はこう語る。
パリ五輪に気持ちを切り替えつつ、(東京五輪は)行けたら良いなくらいに思っていた。なので今回(内定を)取りきれたことに、本当にびっくりしている。