新型コロナウイルス、スポーツイベントへの影響拡大|国内では延期や無観客開催が相次ぐ
安倍晋三首相は2月26日、「この1~2週間が感染拡大防止に極めて重要である」との認識を示し、政府の新型コロナウイルス対策本部からの方針として、今後2週間はスポーツや文化に関するイベントは感染リスクが高いとして、中止・延期・規模縮小などを求めた。これを受け、国内では多くのイベントが中止や延期、あるいは無観客試合で行われることが相次いで発表された。
ここでは、26日以降に中止や無観客による試合開催が決定したスポーツイベントをまとめた。なお現時点では決定していないが、Tokyo2020(東京オリンピック)代表選考を兼ねた競泳日本選手権(ジャパンスイム、4/1~4/8・東京都江東区)も無観客で行われる可能性がある。
中止・延期
国内ではラグビー・トップリーグ、Jリーグが2~3週間の試合延期を決定したが、バスケットボールのBリーグ/Wリーグもそれぞれ延期となり、体操・内村航平の主催大会は中止が決まった。国外では2月25日、国際スケート連盟(ISU)がスピードスケート・ショートトラック世界選手権(3/13~3/15・ソウル)を中止すると発表した。
ジャパンラグビートップリーグ、3月8日までの試合を延期…新型肺炎の感染拡大防止のため
Jリーグ、2月26日から3月15日の公式戦を開催延期に…新型肺炎の感染予防・拡散防止
B1・B2リーグ(2/28~3/11・国内各地):延期
2月26日、国内バスケットボール・プロリーグの男子Bリーグは、2月28日から3月11日までに予定されていた1部(第24~27節)と2部(第25~27)の計99試合の延期を決定した。
Wリーグ(2/29~3/15・国内各地):中止
同じく26日、女子のWリーグは2月29日から3月15日までのレギュラーシーズンの残りすべての試合の中止を発表した。第8節(2月22・23日)時点での成績でレギュラーシーズン順位を確定(1位はJX-ENEOSサンフラワーズ)。3月24日から予定されるプレーオフで優勝を争う。
バドミントン・BWFドイツオープン(3/3~3/8・ドイツ):中止
2月26日、世界バドミントン連盟(BWF)は3月3日から8日にドイツ・ミュールハイムで開催予定だったBWFドイツオープンを、新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止することを発表した。
日本女子プロゴルフツアー(LPGA)
開幕戦・ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント(3/5~3/8・沖縄県南城市):中止
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は2月28日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により第33回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントの開催を中止すると発表した。同大会は2020年の日本女子プロゴルフツアー開幕戦として、予定されていた。
第2戦・明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント(3/13~3/15・高知県香南市):中止
3月2日、LPGAは開幕戦・ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントに続き、2戦目の明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメントも中止することを発表した。
柔道グランプリ・ラバト大会(3/6~3/8)
国際柔道連盟(IJF)は3月3日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、グランプリ(GP)ラバト大会を中止すると発表した。日本人選手の出場は予定されていない。
ISUスピードスケート・ショートトラック世界選手権(3/13~3/15・ソウル):中止
ISUは2月25日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スピードスケート・ショートトラック世界選手権を発表した。大会の延期や開催地変更は困難であるとしているが、今後も検討を重ね、代替地での開催や延期の可能性はあるという。
Tリーグプレーオフ・ファイナル(3/14・東京都):延期
2月26日、Tリーグは新型コロナウイルス感染拡大の影響により、「ノジマTリーグ 2019-2020シーズン プレーオフ ファイナル(3月14日・両国国技館)」の開催延期を発表した。延期の時期や、チケットの取り扱いについては未定となっている。
KOHEI UCHIMURA CUP(3/18・群馬県高崎市):中止
2月26日、スポーツコンサルティングジャパンは新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、体操の内村航平が主催する「KOHEI UCHIMURA CUP」の中止を決定したと大会公式サイトで発表した。
「KOHEI UCHIMURA CUP」とは、体操男子の個人総合でオリンピック連覇の内村航平が創設した大会。体操競技の普及と全日本選手権に向けた最終調整の場として創設された。第1回の今大会には、内村航平のほか、白井健三らが出場を予定していた。主催者の内村は大会中止に対し、「自分自身で開催する初めての大会として準備をしてきたので、本当に残念。皆さんと共に新型コロナウイルスの感染拡大防止につとめ、アスリートとしては日々精進して東京オリンピックを目指していく」と、大会公式サイトでコメントした。
ITTF世界卓球団体戦(3/22~3/29・韓国):延期
国際卓球連盟(ITTF)は2月25日、「ITTF世界卓球選手権団体戦(韓国・釜山)」の延期を発表した。代替開催日程は6月21日から28日を予定している。
全日本バレーボール選手権、天皇杯・皇后杯ファイナルラウンド(3/25~3/29・神奈川県川崎市):中止
3月2日、日本バレーボール協会は3月25日から開催予定だった天皇杯・皇后杯ファイナルラウンドを、新型コロナウイルスの感染拡大防止を鑑み、大会を中止することを発表した。同大会で優勝チームが決まらないのは初となる。
スケートボード国際オープン・五輪予選対象大会(4/13~4/19・中国):延期
2月26日、ワールドスケート(FIRS)はスケートボード、ストリートとパークの国際オープンを延期すると発表した。同大会は東京オリンピックの予選対象大会となっている。
ITU世界トライアスロンシリーズアブダビ大会(4/18・UAE):延期
国際トライアスロン連合(ITU)は2月29日、東京オリンピック選考大会のひとつ、ITU世界トライアスロンシリーズ(WTS)アブダビ大会の開催を延期とすることを発表した。日本トライアスロン連合(JTU)では、アブダビ大会の延期日程が選考期間(5月11日)以降となった場合、4月18日開催のITU世界トライアスロンシリーズ(WTS)バミューダ大会を女子の日本代表選考大会として検討する予定だ。
無観客試合
また、国内の各競技のリーグ戦では無観客試合への動きがあり、プロ野球はジャイアンツが先行してオープン戦の無観客試合を発表したなか、26日には12球団の臨時代表者会議が行われ、オープン戦全72戦の無観客試合が決まった。
プロ野球オープン戦72試合を無観客で実施…政府の新型コロナウイルス対策方針を受けて
26日午前の安倍首相のイベント自粛要請を受け、無観客試合の動きが加速。バレーボールVリーグのプレーオフ、テニスのデビスカップなど特定期間の無観客試合の実施が決まった。
Vリーグ男子プレーオフ決勝(2/29・群馬県高崎市):無観客開催
日本バレーボールリーグ機構(Vリーグ機構)は26日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、Vリーグ男子1部プレーオフ決勝を無観客で実施すると発表した。試合はレギュラーシーズン1位のパナソニックと同2位のジェイテクトが対戦する。
同時に、2月29日から3月8日までのV2男子公式戦を中止とすることも発表された。
デビスカップ by Rakuten 2020 ファイナル予選 日本vsエクアドル(3/6~3/7・兵庫県三木市):無観客開催
日本テニス協会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、3月6日と7日のデビスカップ・ファイナル予選、日本対エクアドルを無観客で試合を実施すると発表した。チケットは、2月28日から3月31日の期間に払い戻される。詳細は大会公式サイトを確認。
デビスカップは、国際テニス連盟(ITF)が主催する男子の国別対抗戦。今大会はTokyo2020(東京五輪)出場を目指す錦織圭の復帰戦として注目されていた。
いずれの試合、大会のチケット払い戻しは各公式サイトを確認してほしい。