苦しみながらも団結高める卓球日本・男子団体チーム「中国にも勝てる」
11月6日に開幕した「JA全農卓球ワールドカップ団体戦」。この大会で優勝を目指す男子日本代表が、苦しみながらも一歩ずつ勝ち進んでいる。
大会予選、最初の相手はイングランド。世界ランキング2位の日本に対しイングランドは10位で、過去の戦績も日本17勝、イングランド5勝と格下の相手だった。
第1試合のダブルスでは、丹羽孝希/吉村真晴ペアがドリンクホール/ジャービスペアに3-0で快勝を収め、そのまま日本が押し切ると思われたが、第2試合でイングランドのエース、ピッチフォードが張本智和の前に立ちはだかる。張本は積極的なプレーで第1ゲームを先取するも、ピッチフォードのバックハンドに苦しみ、第2・第3ゲームを連続で落とした。第4ゲームをなんとか逆転で取ったあと、最終ゲームでピッチフォードに競り負け、張本は2-3で敗れてしまった。
エース対決を落とした日本は、そのままイングランドに流れを握られ、第3・第4試合と連続で取られ、1-3の敗戦を喫した。
格下イングランドに敗れた背景には、リオ五輪でエースとして日本代表を銀メダル獲得へ導いた水谷隼の不在があった。水谷は大会数日前に腰を痛め、倉嶋洋介代表監督はその代役として丹羽孝希の起用を大会前日に急遽決めていた。
「水谷がいなければ勝てない―」。そんな不安が漂う中、日本代表は予選第2試合のオーストリア戦で立ち直りを見せる。
そして、翌日に行われた準々決勝のドイツ戦で、日本代表は自信を結果につなげて見せた。張本は過去に2敗しているオフチャロフ相手に初白星を挙げ、吉村はドイツのエース、ボルを破る大金星を手にした。最後は再び張本が勝利し、日本は3-1で準決勝進出を決めた。
水谷が欠場し、丹羽が緊急出場を強いられるアクシデントがあった中、一戦一戦を終えていく中で日本チームは団結力を増していき、チームとしてどんどん強く、たくましくなっていくようだった。
準決勝の相手はリオ五輪・団体金の世界王者中国。最大のライバルとの激突を前に、張本はこう語る。「みんなが自分のプレーに集中して団結して戦えば、この流れで中国にも勝てる可能性はある」。
試合を重ねるごとに進化していく卓球男子団体チームが世界王者相手にどんな戦いを見せるか、今から楽しみだ。