Tokyo 2020(東京五輪)ボクシング競技出場選手を決める、アジア・オセアニア大陸予選が3月3日から12日にかけて、ヨルダンのアンマンにて開催される。日本からは男子6名、女子5名が参加。5月の世界最終予選や開催国枠はあるものの、この大会で自力による出場枠獲得を目指す。
■新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でアンマン開催に
東京五輪のアジア・オセアニア大陸予選は当初、2月3日から中国・武漢で開催される予定だった。しかし、当地における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が報告され、AIBA(国際ボクシング協会)に代わり東京五輪のボクシング競技を管轄するIOC(国際オリンピック委員会)ボクシング特別作業部会(タスクフォース)は1月22日、武漢での開催中止を発表。その後、アンマンで開催されることが発表された。
■アジア・オセアニア大陸予選の日本代表
日本からの出場選手と、アジア・オセアニア大陸予選の通過枠数は以下の通り。日本は男子91キロ(ヘビー)級と91キロ超(スーパーヘビー)級以外の6階級に選手を派遣。女子は、オリンピック実施全5階級に選手を派遣している。ボクシングは、国・地域ごとに各階級1人までしか出場できない。
- 男子52キロ(フライ)級:田中亮明(中京高校教員)=6枠
- 男子57キロ(フェザー)級:堤駿斗(東洋大学)=6枠
- 男子63キロ(ライト)級:成松大介(自衛隊体育学校)=6枠
- 男子69キロ(ウェルター)級:岡澤セオン(鹿児島県体育協会)=5枠
- 男子75キロ(ミドル)級:森脇唯人(自衛隊体育学校)=5枠
- 男子81キロ(ライトヘビー)級:梅村錬(拓殖大学)=5枠
- 女子51キロ(フライ)級:並木月海(自衛隊体育学校)=6枠
- 女子57キロ(フェザー)級:入江聖奈(日本体育大学)=4枠
- 女子60キロ(ライト)級:濱本紗也(日本大学)=4枠
- 女子69キロ(ウェルター)級:鬼頭茉衣(中京大大学院)=4枠
- 女子75キロ(ミドル)級:津端ありさ(西埼玉中央病院)=4枠
■注目選手
男子ライト級:成松大介(なりまつ だいすけ)
1989年12月14日生まれ、熊本県出身。172センチ、65キロ。県立熊本農業高校時代にボクシング競技を始めた。東京農業大学を経て自衛官となる。アジア・オセアニア予選で3位となり、リオデジャネイロ五輪に出場するも、2回戦敗退。アジア競技大会2018ジャカルタ(インドネシア)では銅メダルを獲得した。
女子フライ級:並木月海(なみき つきみ)
1998年9月17生まれ、千葉県出身。153センチ、50キロ。プロボクサー・内山高志にあこがれて中学時代からボクシング競技を始める。埼玉県・花咲徳栄高校時代、高校選抜2連覇などの成績を残す。2017年より自衛隊体育学校へ進学。格闘家・那須川天心とは幼なじみ。世界選手権2018ニューデリー(インド)銅メダリスト。
■アジア・オセアニア大陸予選の日程・放送予定は?
現地時間3月2日15時30分(日本時間22時30分)からのオフィシャル・ドローにて対戦カードなどが決定。また日本国内におけるTV放送は予定されていないものの、試合はオリンピックチャンネルにてデジタル独占配信される。
詳しくは:OLYMPIC CHANNELが東京2020オリンピックボクシング予選を独占デジタル配信
以下は、日本人選手の試合日程(初戦)。時間は日本時間となっている。
3月3日
18:00- 男子81キロ級1回戦
梅村 錬(拓殖大学)対 AMPELLONE Jerome(ニュージーランド)
24:00- 男子57キロ級1回戦
堤 駿斗(東洋大学)対 BAUTISTA Ian Clark(フィリピン)
24:00- 男子75キロ級1回戦
森脇唯人(自衛隊体育学校)対 AL-FARTTOOSI Muntadher Tahseen Saha(イラク)
3月4日
18:00- 男子52キロ級1回戦
田中亮明(中京高校教員)対 USENALIEV Azat(キルギス)
18:00- 女子57キロ級2回戦
入江聖奈(日本体育大学)対 ANDREW Amy(ニュージーランド)
24:00- 女子60キロ級1回戦
濱本紗也(日本大学)対 PASUIT Riza(フィリピン)
3月5日
18:00- 男子63キロ級2回戦
成松大介(自衛隊体育学校)対 ALKASBEH Obada Mohammad Mustafa(ヨルダン)
3月6日
24:00- 女子75キロ級1回戦
津端ありさ(西埼玉中央病院)対 SEONG Suyeon(韓国)
24:00- 男子69キロ級2回戦
岡澤セオン(鹿児島県体育協会)対 未定
24:00- 女子69キロ級1回戦
鬼頭茉衣(中京大大学院)対 MELIEVA Maftunakhon(ウズベキスタン)
3月7日
18:00- 女子51キロ級1回戦
並木月海(自衛隊体育学校)対 LUTSAIKHAN Altantsetseg(モンゴル)
■アジア・オセアニア大陸予選で出場枠を確保できなかった場合は?
アジア・オセアニア大陸予選で出場枠を獲得できなかった階級に関しては、5月12日から23日にかけてフランス・パリで開催される世界最終予選にて、出場枠確保を目指すこととなる。
なお日本には開催国枠として、男子「4」女子「2」が与えられているが、これは自力で出場枠を獲得できなかった場合に、最低限出場できる枠数となっている。つまり予選を通じて、男子は4階級以上、女子は2階級以上の出場枠を確保した場合、開催国枠は適用されなくなる。