水球はオリンピックで最も歴史のあるチームスポーツだ。東京2020でも、その期待を裏切らなかった。
アメリカの女子チームは、久しぶりに敗北を味ったが、その力を再認識させられた。
男子では、オーストラリアとギリシャが強豪国を相手に見事な逆転劇を演じた。
大会の最も印象的な瞬間を振り返り、メダリストをまとめ、3年後のパリ2024注目選手を紹介する。
東京2020 水球トップ5の瞬間
1 - ギリシャは実力を証明
ギリシャの男子チームは、東京2020の水球でサプライズを起こした。
ギリシャは、アメリカを14-5で粉砕してグループのトップに立ち、早くも実力を誇示。
ディミトリオス・スクパキスが序盤にゴールを決め、試合の流れを作った。
ギリシャはグループリーグを無敗で終えたが、最終的には決勝でセルビアに敗れた。この銀メダルは、ギリシャの男子水球チームにとって初のメダル。チームは上昇気流に乗っている。
2 - オーストラリア、世界ランキング3位のクロアチアに逆転勝利
オーストラリア代表は、グループリーグを突破こそならなかったものの、世界ランキング3位のクロアチアを相手に大きな爪痕を残した。
1点リードで最終クォーターを迎えたオーストラリアは、勝負どころを見逃さず、11-8で試合を終えた。
クロアチア出身のエルヴィス・ファトヴィッチ監督にとっては、息子のローレンが相手チームでオリンピックデビューを果たしたこともあり、特別な瞬間だった。
3 - アメリカ女子、ついに敗れる
アメリカの水球女子代表は、オリンピックにおけるあらゆるスポーツの中で、世界で最も支配的なチームと言われている。
過去3回の世界選手権に加えて、ロンドン2012とリオ2016でも金メダルを獲得。
そんな中、東京で行われたグループリーグの試合でハンガリーに10-9で逆転されたことで、水球界に衝撃が走った。アメリカがオリンピックで敗れたのは、2008年以来だった。
「試合がどうなるかなんて誰にもわからない」とアメリカのゴールテンダー、アシュリー・ジョンソンは試合後に語った。「だから、いつも準備が必要。アメリカも、ハンガリーも、それぞれのチームがベストを尽くすための準備をしないといけない。今日はハンガリーがベストを尽くした」
他国との差は確実に縮まっている。事実、アメリカは中国にも苦戦し、12-7でなんとか勝利を収めた。
4 - アメリカがオリンピック3連覇を達成
世界が追いついてきているとはいえ、女子水球のNo.1が誰であるかは明らかだった。
アメリカはグループリーグ敗退から立ち直り、決勝戦では欧州王者のスペインを14-5で破り、女子水球のオリンピック3連覇を達成。
アダム・クリコリアン監督とアシスタントたちは、辰巳国際水球場でアメリカが勝利を収めた後、選手たちと一緒にプールに飛び込んだ。
決勝戦では、マデリン・マッセルマンが3得点を挙げてトップに立ち、キャプテンのマギー・ステフェンズも1得点を記録し、オリンピックでの歴代最多得点記録を56得点に伸ばした。また、スター選手であるGKアシュリー・ジョンソンの11セーブにより、チームとして完璧なパフォーマンスを披露した。
3連覇はイギリス(1908-1920)とハンガリー(2000-2008)の男子代表が達成したことがあるだけで、女子では初の快挙だ。
5 - セルビアが金メダルを獲得
リオ2016の男子チャンピオンであるセルビアは、スリリングな決勝戦でギリシャを13-10で下し、男子水球で連覇を果たした。
グループリーグで2敗(スペイン、クロアチア)したセルビアは、グループリーグを突破できただけでも幸運だった。
しかし、イタリアとスペインとのノックアウトマッチでは実力差を示した。
決勝、7対7のスコアで迎えた場面、アンドリア・プルラノビッチがハーフタイムの4秒後にセルビアにリードをもたらし、オリンピックの覇者に勢いを与え、3点のリードを広げて勝負を決めた。
最後の大会
クロアチア男子キャプテンのシャビ・ガルシアは、東京2020が最後の出場になると決断。
37歳のレジェンドは、代表2チームでプレーし、メダルを獲得。母国スペインでプレーしたガルシアは、世界選手権で銀メダル(2007年)と銅メダル(2009年)を獲得した後、クロアチアに忠誠を誓い、2017年には世界チャンピオンとなり、リオ2016でも銀メダルを獲得した。
2016年にはクラブ水球の最高賞であるチャンピオンズリーグをジュグ・ドゥブロヴニクで制覇。
ハロー・パリ2024
パリでのギリシャ男子代表がどこまでやれるかは見ものだ。オリンピックで銀メダルを獲得してからわずか3年、彼らはてっぺんを狙っているに違いない。
一方、アメリカ女子代表は、4連覇を目指す。スター選手であるアシュリー・ジョンソンはまだ26歳で、フランスでの成功の鍵を握る存在となるだろう。
Olympics.comで水球のリプレイは見られる?
olympics.com/tokyo2020-replays で東京2020での水球を振り返ろう。
トップ水球選手が出場する次の大会は?
多くのオリンピアンは、9月24〜26日に開幕するチャンピオンズリーグで所属クラブのためにプレーし、ユーロカップ予選ラウンド1は10月1〜4日に予定されている。女子ユーロリーグは11月19、21日に開幕。
水球の次の主要な国際大会は、5月13日から29日まで日本の福岡で開催される2022年の水球世界選手権。
東京2020での水球メダリスト
男子
金 - セルビア
銀 - ギリシャ
銅:ハンガリー
女子
金 - アメリカ
銀 - スペイン
銅- ハンガリー