聖火、巫女、タイムトラベル。オリンピック聖火が北京へと旅出す様子を見よう! 

Olympics.comでは、北京2022冬季オリンピック競技大会のオリンピック聖火の採火式と引継式の模様を10月18、19日に配信予定。式典後、聖火は10月20日に北京に到着する。 

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The Lighting Ceremony ahead of the Tokyo 2020 (in 2021) Summer Games
(AFP)

オリンピック競技大会への道は、小さなささやきから始まる。

代表選手選考会や北京2022冬季オリンピックの最終準備の喧騒から遠く離れ、古代オリンピックの地・オリンピアの風光明媚な田園地帯で、静寂に包まれながら天上から炎が集められる。

トーマス・バッハIOC会長ら関係者が出席して行われる式典で、主役となるのはオリンピック聖火。周囲のオリーブの木でさえずる小鳥よりも控えめで静かなオリンピック聖火は、これから始まるオリンピック競技大会が成長するための要となる。

古代オリンピックの精神を伝達する役割を担うこの聖火が、オリンピック開催を前に再び旅立つ。

採火式、引継式とは?

紀元前7世紀後半に建てられたヘラ神殿で、女性司祭が太陽神アポロに呼びかけ、炎を集める。

古代神話ではプロメテウスが人類のために神々から炎を盗んだとされているが、現代において炎は自由に与えられている。10月18日(月)の朝、ギリシャの女優クサンティ・ジョルジウが伝統的な衣装を身にまとい、35人の巫女に付き添われて、凹面鏡の側にひざまづき、太陽光を集める。

ヘラ神殿の柱を模したジョルジウのトーチから聖火が渡される。4本しか存在しないというこのトーチから聖火はボウルへと移され、後に、北京2022冬季オリンピックのために特別に作られたより近代的なトーチへと移される。

(Keystone/Hulton Archive/Getty Images)

聖火がボウルに集まると、古代の選手たちが競技場に入るために使った地下遺跡を通ってセレモニーは古代オリンピア競技場へと場所を移す。芝生に覆われた旧競技場の中腹で伝統的な踊りや音楽が披露された後、司祭の次に地位の高いエスティアーダがボウルを持って現れ、石の祭壇に置く。司祭はアポロに祈りを捧げ、平和と勝利の象徴である伝統的なオリーブの枝を添えて聖火の旅立ちの準備を整える。

(Milos Bicanski/Getty Images)

オリンピアを離れる前に、聖火は近代オリンピックの父ピエール・ド・クーベルタンの記念碑を訪れる。大理石の柱の中には、ド・クーベルタンの心臓が眠っている。IOC創設者であるド・クーベルタンの遺体はスイスに安置されているものの、本人の希望により心臓がギリシャに埋葬された。

希望のメッセージ

オリンピック聖火が2022年2月4日に北京国家体育場に到着することは、聖火の帰還とも言える。今から13年前、北京2008夏季オリンピック開会式が執り行われた夜、アリーナの上部から登場したランナーが空中を走り、手にしていたトーチで聖火台にそっと触れた。 ランナーを務めたのは、1984年のロサンゼルス大会で金メダル3個を獲得した中国の李寧・元体操選手である。

(Keystone/Getty Images)

しかし今回は、夏季オリンピックの競技場や芝ではなく、冬季オリンピックの氷と雪。最初の聖火ランナーは、平昌2018に出場したギリシャのアルペンスキー選手、イオアニス・アントニウが務める。アントニウは2大会連続でジョルジウから聖火を受け取り、一方では平和の象徴である鳩が飛び立つ。

聖火は、10月20日未明に北京に到着する予定。

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