バレーボール男子日本代表のメンバーとして、Tokyo2020に出場した藤井直伸さんが、3月10日に他界したことを、日本バレーボール協会および所属先の東レアローズが、公式ホームページにてそれぞれ発表(3月12日付)した。31歳だった。
藤井さんは、2022年2月に自身のSNSを通じて「胃癌 ステージⅣ」であることを公表し、抗がん剤治療の闘病生活を送っていた。
1992年1月5日生まれの藤井さんは、宮城県石巻市の出身。
順天堂大学を卒業した後、東レアローズに所属する。ポジションはセッターで、2017年に日本代表に初選出されると、2021年度まで5年連続で "龍神NIPPON" のメンバーとして活躍。とくに、1年延期の開催となったTokyo2020では、男子バレーボール代表の29年ぶりの決勝トーナメント進出と、7位入賞という功績に貢献した。
あまりにも突然の悲しい報せに、日本バレーボール協会の川合俊一会長は、以下の通りコメント発表している。
「突然の訃報に言葉が見つかりません。
藤井選手は2017年に日本代表に初選出され、以降2021年まで5年連続で日本代表となり、チームの中心選手として活躍しました。2017年のアジア選手権大会ではチームを優勝に導くとともに、個人としてもベストセッター賞を受賞、その後ワールドカップ2019では4位、東京2020オリンピックにおいては29年ぶりとなる決勝トーナメント進出に貢献するなど、日本を代表するセッターとして輝かしい功績を残されました。
闘病生活を始められてからご本人が発信されていた情報には、いつもバレーボールに対する愛が溢れていました。そんなチャレンジ、努力を積み重ねてきた藤井選手の日の丸を背負った雄姿を二度とコートで見ることができないと思うと悲しみでいっぱいです。
どうか安らかにお休みください。ご冥福を心よりお祈り申し上げます」
また、藤井さんの所属先である東レアローズは、「人柄も含めチームの中心であり今後の活躍を嘱望されていた選手を失ったことは悲しみに耐えません」とコメントしている。
その人望厚い藤井さんのパーソナリティを証明するように、VNL(バレーボールネーションズリーグ)を運営するVolleyball Worldの公式Twitterは、男子日本代表チームが2022年のVNLファイナルラウンド進出を決めた際の藤井さんとのやり取りを懐古し、「天使がまたひとり、天国へと旅立って行きました。龍神NIPPONがVNLファイナル2022進出を決めた際、特別動画の制作に協力してくださって、あなたがものすごくワクワクしながら手伝ってくださったことを私たちは決して忘れることはありません。私たちのリクエストに対して、あなたは翌日すぐにビデオとともに返事を返してくれましたよね。藤井直伸さんのご冥福をお祈りいたします(日本語訳)」と投稿している。