オリンピックeスポーツウィーク2023: 初開催のOEW、シンガポールの観客を魅了

第1回を迎えたオリンピックeスポーツウィーク（OEW）の開催地はシンガポール。

13年前の2010年にユースオリンピック（シンガポール2010）が初めて行われたこの地では、今年6月22日～25日に初めての対面式オリンピックeスポーツウィークが開催された。オリンピックeスポーツシリーズ2023の10競技の決勝戦などが実施され、シンガポールはオリンピックの新たなイベントの革新を先導する存在となった。

最初のプログラムとなったオリンピックeスポーツウィークフォーラムでは、テクノロジー、ゲーム、スポーツ界のリーダーのほか、Ewok、ジェイミー・ビックフォード（Karma）といったトッププレイヤーらが登壇した。ファイナルズでは、最初のイベントである自転車競技「Zwift」の決勝から、最後のイベントである「eFIBA on NBA2k23」のエキシビションマッチまでが行われ、スポーツとゲームが一体となった印象的かつ感動的なショーが繰り広げられた。

このほか、オリンピックマークのもと、Tic Tac Bow（アーチェリー）、バーチャルレガッタ（セーリング）、ジャストダンス（ダンス）、WBSC eBASEBALL™パワフルプロ野球（野球）、Chess.com（チェス）、テニスクラッシュ（テニス）、ISSFチャレンジ・フィーチャリング・フォートナイト（射撃）、グランツーリスモ7（モータースポーツ）などの競技で、その素晴らしさがステージ上で披露された。

世界中に多くのファンを有するゲームが使用された射撃競技やモータースポーツ競技が人気を博したのはもちろんのこと、オリンピックeスポーツシリーズ2023の最終イベントとなったバーチャルテコンドーでは、オリンピックeスポーツウィーク全体の中で特に多くの観客を集め、会場を興奮の渦に包んだ。

オリンピックeスポーツシリーズ・テコンドー、地元の強力サポート

地元のテコンドー選手6人が決勝ラウンドに出場したこともあり、会場には多くの地元ファンが応援に駆けつけた。そのうちの2人が決勝に進出したことで、地元シンガポールからオリンピックeスポーツシリーズ・テコンドーの初代王者が誕生することが確定。地元ファンを大いに喜ばせ、会場のボルテージは一気に上がった。

テコンドーの試合では心温まるシーンも見られた。オリンピックで金メダルを2つ獲得している呉静鈺（中華人民共和国）の幼い娘が、銅トロフィーを獲得した母親と抱き合って喜びを分かち合い、最後には、試合中の母の姿を真似するかのようにテコンドーの技を披露した。

ロケットリーグ、Virtual Table Tennis（バーチャルテーブル テニス）は、デュアスロン（アリーナゲームトライアスロン）、ストリートファイター6、eFIBA on NBA2Kでも、エキシビションという枠にとらわれず、世界トップクラスの選手たちが熱い戦いを繰り広げ、技術力の高さを見せつけた。

そして一般来場者は、サンテック・シンガポール国際会議展示場に設けられた体験ゾーンを堪能。これから本格的に試してみたいスポーツやゲームを発見して帰路に着いた人もいただろう。

初開催となったオリンピックeスポーツウィークは大盛況のうちに終了したが、その思い出はシンガポールに、そしてそれぞれの国に帰っていった選手たちの中に生き続けるだろう。

オリンピックeスポーツシリーズ2023の優勝者

• アーチェリー（Tic Tac Bow）：ジャレッド・モンゴメリー（MontyDey／アメリカ合衆国）
• 野球（WBSC eBASEBALL™パワフルプロ野球）：森翔真（SHORA／日本）
• チェス（Chess.com）：アレクセイ・サラナ（セルビア）
• 自転車（Zwift）：チームFuego - ルー・ベイツ（英国）、マレーネ・ビャーレド（スウェーデン）、ジェームズ・バーンズ（南アフリカ）、マーティン・マールテンス（ドイツ）
• ダンス（ジャストダンス）：アマンディナ・モリセット（TheFairyDina／フランス）
• モータースポーツ（グランツーリスモ7）：キリアン・ドゥルモン（フランス）
• セーリング（バーチャルレガッタ）：ティム・カルパンティエ（UOL pepitõ／フランス）
• 射撃（ISSFチャレンジ・フィーチャリング・フォートナイト）：ルーカス・マリッサ（anon／オーストラリア）
• テコンドー（バーチャルテコンドー）：ナイジェル・タン（シンガポール）
• テニス（テニスクラッシュ）：アナス・ベンガジ（Anteo／フランス）