オリンピックeスポーツシリーズ2023:アレクセイ・サラナがChess.comのチェス競技で優勝

グランドマスターのアレクセイ・サラナが決勝でマキシム・チガエフを破り、オリンピックeスポーツシリーズ2023のチェス競技の初代王者に輝いた。

1 執筆者 ZK Goh
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(2023 Yong Teck Lim/Getty Images)

シンガポールで開催中のオリンピックeスポーツシリーズ2023で、6月24日にChess.com(チェス)決勝が行われ、セルビア出身のチェス・グランドマスター、アレクセイ・サラナが戦いを制して優勝。初代王者に輝いた。

戦いは早指し対局による4ゲームが予定されたが、23歳のサラナはマクシム・チガエフを相手に圧倒的な強さを見せ、3ゲームを取って勝負を決めた。チガエフは3ゲームすべてで何度も時間切れになりそうになる中で戦い抜いた一方、サラナは時間をうまく管理しながら冷静かつ積極的に攻撃。終盤でサラナがチガエフの投了を誘い、勝利を手繰り寄せた。

試合後、サラナは「とても素晴らしい気分です。この大会には多くのことを期待していました。とても楽しかったです」とし、「自分が優勝できるかもしれないと思った初めての大会で、しかも優勝できました。とても珍しく、新鮮なことですが、とてもいい気分です。たくさんの観客がいる中でプレーしたことは、これまでなかったと思います」と喜びを語った。

3位決定戦では、ベトナムのグエン・ゴク・チュオン・ソン(14歳のときに同国最年少グランドマスターの称号を獲得)が、アレクサンドル・ラクマノフをアルマゲドン(タイブレーク)の末に破り、3位となった。

タイブレークとなった5ゲーム目は、グエンが白で持ち時間は5分、ラフマノフが黒で持ち時間は4分ながらも引き分けの場合は黒が勝利するというルール。グエンはビショップ(僧侶)を取るチャンスを見逃すというミスを犯したかに見えたが、終盤でポーン(兵隊)をボードの端に移動させてクイーン(女王)に昇格させ、ラフマノフの投了を引き出した。

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