東京2020 バドミントン:知っておくべき5つのこと

2021年のオリンピックでは、桃田賢斗、チェン・ロン、PV・シンドゥ、奥原希望ら大スターたちが金メダルを追いかける。しかし、何人かのビッグネームは不在となる。ここでスケジュール、会場、フォーマットなどをチェックしよう。

2 執筆者 Sanjeev Palar
Japan's Momota Kento
(GETTY IMAGES)

2021年に開催される東京2020での**バドミントン**は、1992年のバルセロナオリンピックで初登場して以来、メダル種目としては8回目の実施となる。

これまでは、34個の金メダルのうち18個を獲得している中国が圧倒的な強さを誇ってきた。

東京では、自国開催の今大会のために練習を重ねてきた日本の選手たちの活躍も期待されている。

ここでは、東京2020のバドミントンについて、表彰台を争う選手たちの詳細や、オリンピックでの歴史を紹介する。

東京2020 バドミントンの注目選手

男子

前回大会の覇者**チェン・ロンは、次の東京大会ではリン・ダン**が実現したオリンピック2連覇の再現を目指している。しかし32歳の彼にとって、オリンピックデビュー向けて躍進中の若い選手たちの追走を振り切るのは容易ではない。

その中には、リオデジャネイロ五輪代表から外れた世界選手権2連覇中の**桃田賢斗**もいる。彼は現在、最注目の選手だ。桃田は昨年の初めに交通事故に巻き込まれ、目の手術を受けた。26歳の彼にとって大会が延期されたことは十分な回復期間得られる格好の機会となった。日本の男子シングルス初の金メダル獲得の有力候補となることは間違いない。

リオ2016の銅メダリスト、**ビクトル・アクセルセン**も、前回の大会から調子を上げてきている。世界選手権でのタイトル獲得で自信をつけた彼は、コート上で危険な存在となることだろう。

マレーシアは、3度の銀メダルを獲得した**リー・チョンウェイが引退。東京では裏方としてチームを支える彼に代わって若手のリー・ジージアが国民の期待を背負っている。アンソニー・ギンティングジョナタン・クリスティ**も同様にインドネシアの期待を受けて大会に臨む。彼らのいずれかが、オリンピックデビューで番狂わせを起こす可能性もありそうだ。

女子

オリンピック現王者の**キャロリーナ・マリン**は、2021年の東京2020を欠場するビッグネームの一人だ。2019年に右膝を負傷して8か月間の休養を余儀なくされたこのスペイン人選手は、今回は左膝の十字靭帯を損傷し、出場を断念した。

リオ2016の銅メダリストである**奥原希望**は、自国の地での活躍を期待されている。彼女の決してあきらめない姿勢は、タイトル獲得につながるかもしれない。

チャイニーズタイペイの**タイ・ツーイン**は、今年バンコクで開催されたワールドツアーファイナルズでマリンを破った唯一の選手だ。3度目のオリンピック出場となる今大会で、26歳の彼女は初のラウンド16進出を目指す。

現世界チャンピオンの**PV・シンドゥ**も、前回のリオ大会で決勝に進出した時のパフォーマンスを再現できれば脅威となる。

日本の**山口茜、中国の陳雨菲**、韓国のアン・セヨンにとっては今大会がオリンピックデビューとなる。いずれの選手も自分の力を発揮できれば、年長者を打ち負かす実力を秘めている。

ダブルス

女子ダブルスのタイトルは、トップペアが圧倒的な強さをみせる日本と韓国の争いになりそうだ。

世界選手権で2度優勝している松本麻佑・永原和可那ペアは、自国での活躍が期待されている。しかし、インドネシアの**グレイシア・ポリーアプリヤニ・ラハユ**のペアも侮れない。

男子ダブルスでは、マルクス・ギデオンとケビン・スカムルジョを筆頭に、ベテランの**ムハマド・アフサンヘンドラ・セティアワン**も活躍が期待されている。セティアワンは、前パートナーのマルキス・キドと組んだ北京2008で優勝し、すでにオリンピックの金メダルを獲得している。

日本の渡辺 勇大と遠藤 大由、そして嘉村健士と園田啓悟のペアは、開催国のメダル獲得を期待されている。

渡辺は、東野 有紗との混合ダブルスにも出場するが、世界チャンピオンの中国の鄭思維と黄雅瓊が、オリンピック初タイトルの有力候補だ。

東京2020 バドミントン会場

新設された武蔵野の森総合スポーツプラザで、世界最高峰のシャトラーたちが躍動する。

東京スタジアムに隣接するこの会場は、7,200人を収容できる多目的スポーツ施設だ。

バドミントン最終日の3日後には、近代五種のフェンシング競技がここで開催される。

東京2020 でのバドミントン日程

時間はすべて日本標準時 (UTC +9時間)

競技は2021年7月24日から8月2日にかけて行われる

2021年7月24日

9:00 - 14:30 & 18:00 - 22:00

  • 男子シングルス予選ラウンド
  • 女子シングルス予選ラウンド
  • 男子ダブルス予選ラウンド
  • 女子ダブルス予選ラウンド
  • 混合ダブルス予選ラウンド

2021年7月25日

10:00 - 15:30 & 18:00 - 21:30

  • 男子シングルス予選ラウンド
  • 女子シングルス予選ラウンド
  • 男子ダブルス予選ラウンド
  • 女子ダブルス予選ラウンド
  • 混合ダブルス予選ラウンド

2021年7月26日

10:00 - 15:30 & 18:00 - 21:30

  • 男子シングルス予選ラウンド
  • 女子シングルス予選ラウンド
  • 男子ダブルス予選ラウンド
  • 女子ダブルス予選ラウンド
  • 混合ダブルス予選ラウンド

2021年7月27日

10:00 - 15:30 & 18:00 - 21:30

  • 男子シングルス予選ラウンド
  • 女子シングルス予選ラウンド
  • 男子ダブルス予選ラウンド
  • 女子ダブルス予選ラウンド

2021年7月28日

9:00 - 14:30

  • 女子シングルス予選ラウンド
  • 混合ダブルス準々決勝

18:00 - 21:30

  • 男子シングルス予選ラウンド

2021年7月29日

9:00 - 15:30

  • 混合ダブルス準決勝
  • 男子ダブルス準々決勝
  • 女子シングルスラウンド16

17:00 - 22:00

  • 男子シングルスラウンド16
  • 女子ダブルス準々決勝

2021年7月30日

9:00 - 12:30

  • 女子シングルス準々決勝
  • 混合ダブルス3位決定戦

15:30 - 21:30

  • 混合ダブルス決勝戦
  • 女子シングルス準々決勝
  • 男子ダブルス準決勝

2021年7月31日

9:00 - 16:00

  • 男子シングルス準々決勝
  • 女子ダブルス準決勝

18:00 - 23:00

  • 女子シングルス準決勝
  • 男子ダブルス3位決定戦
  • 男子ダブルス決勝戦

2021年8月1日

13:00 - 16:00

  • 男子シングルス準決勝

20:30 - 23:00

  • 女子シングルス3位決定戦
  • 女子シングルス決勝戦

2021年8月2日

13:00 - 15:30

  • 女子ダブルス3位決定戦
  • 女子ダブルス決勝戦

20:00 - 23:00

  • 男子シングルス3位決定戦
  • 男子シングルス決勝戦

東京2020 バドミントン フォーマット

東京2020でのバドミントンは、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスで構成されている。

試合は3ゲーム制で、先に21ポイントを獲得した選手またはペアが勝利となる。20オールの場合は、2点リードした方がそのゲームの勝者となる。差が2点未満の場合は、2点差になるまでゲームを続けるが、スコアが29オールになった場合、先に30に達した方が勝ちとなる。

試合は2ゲーム先取先勝。サーバー、またはレシーバーがラリーに勝つとポイントを獲得できる。

シングルスでは、選手を3~4人ずつの12~16のグループに分かれて、総当たり戦を行い、各グループの上位者がラウンド16に進む。

ダブルスでは、4組ずつのグループに分かれて総当たり戦を行い、各グループの上位2組が準々決勝に進出する。

オリンピック競技としての歴史

バドミントンは1992年のバルセロナ大会でオリンピックに初登場し、男女シングルスと男女ダブルスの4種目が行われた。1996年には混合ダブルスが追加された。

中国は長い間、数多くのタレントを輩出し、これまで世界最多の18個の金メダルを獲得。ロンドン2012では、男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの5つのカテゴリーすべてで金メダルを獲得した唯一の国となった。

しかし4年後のリオ2016では勢力図が変化し、マリンがアジア人以外で初めて女子シングルスのタイトルを手にしたほか、日本とインドネシアが女子ダブルスと混合ダブルスで初の金メダルを獲得した。

以前はアジアの国々がこの競技を支配していたが、ヨーロッパの新世代の選手たちが主要な大会で中心的な役割を果たすようになり、今大会でも、伝統的に強いアジア諸国が支配する状況に変化が訪れるかもしれない。

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