競泳界のレジェンド、マイケル・フェルプス(36/アメリカ)は、オリンピックで金メダル23個を含む合計28個のメダルを獲得しているが、ある日突然、金メダリストになったわけではない。
フェルプスは7月31日(土)、パナソニックによるヴァーチャル・イベントで、彼の偉業は、長年の努力や短期および長期的な目標、立ちはだかる障害を克服するための忍耐力、そして大きな夢を抱く力によるものだと話すとともに、「私が苦しんだことや、シモーネ・バイルズが苦しんでいることと同じようなことに、多くの人が苦しんでいることを私たちは目の当たりにしています」と話し、スポーツにおけるメンタルヘルスの強調した。
フェルプスは目標を持つことの大切さも強調する。
「夢を持つことは重要なことだと思います。なぜなら、それがあなたを奮い立たせて、助けてくれるものだからです。毎日毎日、ベッドから起き上がるモチベーションになります」。こう話した上で、「私はオリンピックの水泳選手になり、世界記録を作るという夢を持っていました」と続けた。
しかしその目標は必ずしも支持されるものではない。
「成長するにしたがって、そのスポーツにおいて何か違うことや、これまでに誰もやったことがないことをしようとする私をクレイジーだと人々は思っていました。でも私はワクワクしていました」
「ですから、私が言えることは、可能な限り大きな夢を持つことを恐れないでください。できる限り大きな夢です」
フェルプスにとってこの大きな夢の現実は簡単ではなく、彼は何年にもわたって休まずトレーニングを続けた。
「5、6年間、1日も休まずにトレーニングに励みました。365日、休みはなく、誕生日もクリスマスもなし。毎日毎日、水の中にいました」とし、「そのチャンスを得るためには、どんなことでもしたいと思っていました」とフェルプスは話す。
東京2020においてNBCで競泳解説を務めているフェルプスは、目標達成への道のりは決して平坦なものではなかったという。
フェスプスは「私の歩んだ道のりは決して楽なものではありませんでした」と認めた上で「そこにはいくつかの障害があり、どうやって解決するか、あるいは回避するか、そして乗り越えるかを学ばなければなりませんでした」と話す。
彼の話す障害の中には、リオ2016オリンピックで引退して以降、彼が取り組んできたテーマでもあるメンタルヘルスの問題も含まれている。
「初めて実感したのは2004年のことです」
「2004年のオリンピックから帰ってきて初めて、大会後のうつ病にかなり苦しみました」
フェスプスは北京2008で成功を収めた後にもうつ病に悩まされ、それ以降、断続的に悩まされたという。
しかし2014年、彼は自分が直面していることについて理解を深め始める。
「その時にようやく、これが私であり、私の一部であり、消えることはないのだと実感することができました。そのため、もっと知る必要がありました。なぜ自分がそうするのか、なぜ自分がそうあるのか」
「これまで心の中に詰め込んでいたもの、区分けしていたもの、対処したり認めたりしたくなかったものを掘り下げることができました。その時、私は本当に成長し、学ぶ準備ができたのだと思います」
フェルプスは自身の苦労を伝えることで、他の人が学ぶきっかけになればと考える。
「人の命を救うことができればと思います。誰かを助けることができます。なぜなら、その感情を私は知っているからです。過去そして今も、毎日、毎週、毎月、私が感じているからです。自分は1人ではないし、大丈夫じゃなくても構わないということをわかっています」と語った。