ローレル・ハバード:東京2020に挑むトランスジェンダーのウエイトリフターは新たな歴史を刻むのか?

ニュージーランドのローレル・ハバードが、東京2020女子ウエイトリフティングにいよいよ今夜、歴史的な出場を果たす。アスリートキャリアを脅かすような怪我のせいで、オリンピックの夢を諦めそうになった彼女が、ふたたび東京2020の表彰台を目指して戦いに挑む

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(2018 Getty Images)

この東京で何が起こったとしても、ローレル・ハバードは1年延期となったオリンピックでその名を歴史に残すことになるだろう。

カナダのサッカー選手・クインと同様、ハバードはトランスジェンダーを公表した初のアスリートとして、このオリンピックに出場する。

彼女は8月2日(月)に行なわれる女子ウエイトリフティング87kg級に出場する。

(2018 Getty Images)

ローレル・ハバードとは どんな人物?

オークランド出身のローレル・ハバードは現在43歳で、1年延期となった**東京2020大会**のニュージーランド代表選手である。

ウエイトリフティングを始めた頃、ハバードは男子の種目で国内記録を保持しており、300kg近くを持ち上げられるとして、国内のライバルから恐れられていた選手であった。

しかしながら、2001年、23歳だった頃、ハバードは完全にウエイトリフティングから離れてしまう。

「プレッシャーが大きくなりすぎて、耐えられなかった。世界に合わせなくてはいけないというプレッシャーは、私のような人たちにとっては本当に苦しいものなの」と彼女は明らかにしていた

それから、彼女がトランジションを始めてまもなくの2012年、ウエイトリフティングを再開できるかもしれないという希望のドアが開き始めた。

2017年、競技から完全に離れていた16年の歳月を経て、ハバードは復活を果たす。

彼女は2017年ノースアイランド大会で、113kgというオセアニアレコードを打ち立て、さらにオーストラリア選手権では金メダルを獲得した。

ハバードはIWF(国際ウエイトリフティング連盟)の女子87kg部門のランキングで7位となり、オリンピック選考では上位から4番目となって出場枠を射止めた。

ベテラン選手となった彼女は、若手選手の勢いを阻みながら、日本で表彰台に昇ることを目指している。

(2018 Getty Images)

選手生命を絶たれるような怪我からの復活

ハバードは2018年のゴールドコーストで行われたコモンウェルスゲームズに出場し、メダル候補として期待されていた。

しかしながら、腕の靭帯損傷に苦しみ、思うような結果は残せなかった。深刻な怪我のあまり、彼女は引退も考えていた。

「私の腕は破壊寸前」とハバードは当時答えている。「まさにアスリートキャリアを脅かすような怪我で、本当に残念です。でも、こうしてウエイトリフティングの舞台にまた立てて、ベストを尽くせたことが嬉しいです」

その後、治療のおかげで彼女の怪我は快方へ向かい、ハバードの気持ちにも変化が現れてきた。

2019年、彼女はサモアで行なわれたパシフィックゲームズに出場し、2個の金メダルを獲得して、再度復活を果たした。

そして今度は、東京2020で、ニュージーランド代表として、オリンピックの舞台に挑むのである。

(2017 Getty Images)

東京2020でローレル・ハバードを観戦しよう

ローレル・ハバードは、ウエイトリフティング女子87kg級グループAに出場予定で、8月2日月曜日19:50(日本時間)に競技が開始される。

東京オリンピックのオンライン観戦については、こちらをクリック

また、東京2020では、ウエイトリフティングのみならず他競技についても、**東京2020公式ライブブログ**で随時最新情報を確認することができる。

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