ケビン・デュラントからケイティ・レデッキーまで、パリ2024で歴史が刻まれるのか? 最多出場記録・最多金メダル獲得数に迫る
オリンピックの長い歴史において、世界中から集まった数多くのアスリートたちが、それぞれの大会で感動の物語を紡いできた。
何度もオリンピックに出場している選手もいれば、初めて国を代表して記録を塗り替える選手もいる。
ここでは、パリ2024で誕生する可能性のある個人記録と団体記録をいくつか紹介する。
記録に迫るオリンピアン
バスケットボール男子決勝が行われる8月10日にチームUSAが5大会連続で金メダルを獲得すれば、NBAスター選手であるケビン・デュラントは、チームスポーツで金メダル4個を獲得した初の男子選手となる可能性がある。しかしその翌日のハンドボール男子決勝でフランス代表が優勝すれば、その記録に並ぶ選手が現れることになる。
IHF世界最優秀選手賞を3度受賞したフランスのニコラ・カラバティッチは、オリンピック5大会に出場。北京2008、ロンドン2012、東京2020で金メダル獲得に貢献した。ハンドボール界史上最も偉大な選手のひとりである40歳のカラバティッチは、パリ2024を最後に引退することを公表しており、大会最終日にスタッド・ピエール・モーロワに集まる観衆の前で、感動的な別れを告げることになるかもしれない。
一方、女子選手では、ケルシー・プラム(米国)とジャッキー・ヤング(米国)の両選手が、3x3と5x5の両方でオリンピック金メダルを獲得する最初の選手になる可能性がある。ふたりは東京2020の女子3x3で米国を金メダルに導き、プラムはワン・リリ(中華人民共和国)と並んで大会最多得点タイとなる55得点を記録した。
他にも、金メダルを7個獲得しているイザベル・ワース(ドイツ)とケイティ・レデッキー(米国)には、オリンピック最多金メダル獲得という歴史に名を刻むチャンスがある。女子の金メダル最多数は現在、体操のラリサ・ラティニナが保持しており、その輝かしいキャリアの中で9個の金メダルを獲得している。馬術スター選手であるワースは、ヴェルサイユ宮殿で金メダル2個を獲得すればその記録に並ぶ。また、競泳のレデッキーは、4種目中3種目を制すれば、両者を追い抜く可能性がある。
シャトールー射撃センターでは、ニノ・サルクワゼ(ジョージア)がオリンピック最多出場記録を更新する可能性がある。彼女はパリ2024で自身10度目のオリンピックを迎える。サルクワゼは、フローレンス・グリフィス・ジョイナー(米国)が女子100mと200mの世界記録を樹立したソウル1988からすべてのオリンピックに出場。体操界のスター、シモーネ・バイルズ(米国)が誕生する9年前のことである。
チーム記録
パリ2024は、ウズベキスタンがオリンピックの団体競技に初めて参加する記念すべき大会となる。同国の男子サッカーチームは、7月24日にパルク・デ・プランスで行われるグループC初戦でスペイン代表と対戦し、オリンピックデビューを飾る。
アゼルバイジャンも同様で、3×3バスケットボールの女子チームは、今年初めにホンコン・チャイナで開催されたオリンピック予選トーナメントで優勝し、オリンピック出場枠を獲得した。アゼルバイジャン代表は7月30日の初戦で、スペイン代表と対戦する。
3人制から5人制まで、バスケットボール米国女子代表は大会最終日にさらなる歴史を生み出すかもしれない。
8月11日にベルシー・アリーナで5人制での金メダルを獲得すれば、アトランタ1996から8大会連続の金メダルとなり、団体競技における連続金メダル最多記録を更新する。現在の記録は、1936年から1968年まで7大会連続で金メダルを獲得したバスケットボール米国男子代表と並んでいる。チームUSAのダイアナ・トーラジは、アテネ2004から東京2020にかけて5個の金メダルを獲得しており、団体競技におけるオリンピック最多金メダル記録を元チームメイトのスー・バードと共有している。しかし、この夏、トーラジは自身6度目のオリンピックに出場する。チームUSAがパリで金メダルを獲得すれば、この記録をさらに伸ばすことになる。