オリンピックについて オリンピック競技大会におけるジェンダー平等について、IOCが極めて強力なメッセージを発信
- 東京2020はジェンダーバランスの取れたオリンピック競技大会に
- 史上初めて全NOCでジェンダー平等を徹底
- 開会式で男女1人ずつが旗手を務められるよう規則を変更
国際オリンピック委員会(IOC)理事会は本日、東京2020を皮切りに、オリンピック夏季競技大会でのジェンダー平等を進める2つの重要な決定を下した。
IOCのトーマス・バッハ会長は「東京2020オリンピック競技大会は女性参加比率が48.8%に達し、ジェンダーバランスが取れた史上初めてのオリンピックになる」と語った。「さらにIOC理事会は本日、オリンピックに参加する206チームとIOC難民オリンピック選手団のすべてに、女性および男性のアスリートを最低1人含まなければならないという決議を下した。また開会式では、国内オリンピック委員会(NOC)ごとに男女1選手ずつが共同で旗手を務められるよう規則を変更した。すべての国内オリンピック委員会に対し、この選択肢を利用するよう促していく。IOCはこの2つの決議により、オリンピックではジェンダーバランスが推し進められているという非常に強力なメッセージを改めて世界に発信する」とバッハ会長は強調した。
史上初めて全NOCでジェンダー平等を徹底
IOC理事会は、206を数える全NOC代表団における男女共同参画を確実にするため、すべてのオリンピック夏季競技大会を対象に、各NOCに女性および男性アスリートを最低1人含めなければならないことを決議した。これは東京2020オリンピックから適用される。
IOC理事会は、少なくとも男女1選手ずつの参加を東京2020オリンピックで実現するため、オリンピック出場資格または三者委員会招待枠を得られなかったNOCに追加の出場枠を割り当てるという各競技国際連盟とのルールも承認した。
開会式の旗手は男女1人ずつ
IOC理事会はIOCプロトコールガイドの変更を承認し、オリンピック夏季競技大会の開会式で、各NOCが男女1人ずつを旗手に任命できることを許可。すべてのNOCに対し、この選択肢を活用することを奨励している。
オリンピックにおけるジェンダー平等への取り組み
オリンピックに女性アスリート22人が初参加したパリ1900を出発点に、完全なる男女共同参画が初めて実現したブエノスアイレス2018ユースオリンピックまで、IOCはオリンピック競技大会における性別のバランスをとることに多くの力を注いできた。
すべてのNOC代表団に少なくとも1人の女性アスリートが含まれた大会は、ロンドン2012が史上初めて。ブルネイ、サウジアラビア、カタールの代表団に女性アスリートが名を連ねたのは、この時が初めてのことだった。しかしそれ以前のオリンピックを振り返っても、すべてのNOCが最低でも男女1人ずつを含む代表団で出場した大会は一度もない。
さらに先日、イベントプログラムと選手割り当てにおけるジェンダーバランスを進めるため、東京2020に向けて多くの重要な決定が下されている。カヌー、ボート、射撃、ウエイトリフティングの4連盟は、ジェンダーバランスを考慮する方針を初めて決定。種目レベルでは、BMXレース、マウンテンバイク、レスリングフリースタイルで性別均等が図られる。選手割り当てに関しても、カヌー、柔道、ボート、セーリング、射撃、ウエイトリフティングの6連盟が初めてジェンダーバランスを考慮する方針にシフトした。
こうした取り組みにより、東京2020での女性参加率は過去最高の48.8%と予想されており、パリ2024では完全なる男女平等が実現する見込みだ。
IOC自体、2018年の「ジェンダー平等再検討プロジェクト」の立ち上げで改めて主張した通り、スポーツアリーナの内外で男女共同参画を推進するために新たな道を切り開いてきた。
オリンピックムーブメントの全利害関係者は、オリンピックとユースオリンピック(YOG)、およびスポーツ組織の管理運営と指導において、競技場の内外を問わず、より良いジェンダーバランスの実現に向けて努力を続けている。IOC理事会による本日の決定は、その取り組みを強化するものにほかならない。たとえばIOCでも、IOC委員の46%を女性が占めており、これは歴史的に高い数値と言える。そして2013年以降、オリンピック・アジェンダ2020の結果として、IOC委員会への女性参加は2倍以上に増加した。