大会について(北京2008)

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相次ぐ記録更新

北京オリンピックは数多くの記録と驚きが生まれた大会となりました。開会式は記憶に残るもので、アスリートの記録更新が相次ぎ、大会運営も見事なものでした。競技場は驚くほど素晴らしく、ドーピング検査はより厳格に実施されました。世界中で何億人もの人が大会をテレビで視聴し、40以上の世界記録と130以上のオリンピック記録が誕生しました。

現代と古代

“鳥の巣”の愛称をもつ国家スタジアムと、“ウォーターキューブ”という名で知られる国家水泳センターは、いずれも新しい北京の輝かしい象徴となった。自転車ロードレースは万里の長城周辺で行われ、紫禁城の前を通過。いずれも数千年の歴史をもつ北京の象徴です。

北京2008レガシー

このオリンピック大会がホスト国に築いた北京2008レガシーを発見しよう(英語のみ)。

初のメダル

過去最高となる204の国と地域が参加。うち87カ国でメダリストが生まれました。タジキスタン、アフガニスタン、モーリシャス、トーゴは初の表彰台を経験。タジキスタンは柔道でラスル・ボキエフ、レスリングでユスプ・アブドゥサロモフが同国初のメダルを獲得しました。アフガニスタンもテコンドーのロフラー・ニクパイの成績により、表彰台にのぼりました。

また、モンゴルとパナマでは、自国初のオリンピック金メダリストが誕生した。ボクシングのバダル・ウガン・エンクバットと柔道のナイダン・ツブシンバヤルは、オリンピックで金メダルを獲得した初のモンゴル人選手となった。アフリカ大陸では、ボクシングのブルーノ・ジュリーとカヌー/カヤックのベンジャミン・ブクペティが、それぞれモーリシャスとトーゴに初のオリンピックメダルをもたらし、パナマは陸上競技で初の金メダルを獲得した。

記憶に残るチャンピオン

多くの印象的なチャンピオンが生まれましたが、中でもマイケル・フェルプスとウサイン・ボルトはメディアをにぎわせました。アメリカのフェルプスは競泳で8つの金メダルを獲得し、ミュンヘン1972でマーク・スピッツが打ち立てた記録を更新。ジャマイカのスプリンター、ボルトは100mと200mの世界新記録を樹立。4x100mリレーでもジャマイカを牽引し、世界記録を塗り替えるとともに、3つ目の金メダルを手にしました。

**参加国・地域数:**204

**参加選手数:**1万942(女子4,637、男子6,305)

**競技種目数:**302

**ボランティア:**10万(オリンピックで7万、パラリンピックで3万)

**メディア:**メディア関係者4,562人、159カ国

新しいオリンピック種目

10kmマラソンスイミングと自転車BMXが新たにオリンピック種目に追加されました。男子10kmマラソンスイミングではオランダのマーテン・ファン・デル・バイデンが金メダリストに輝き、女子はロシアのラリサ・イルチェンコがレースを制しました。BMX(バイシクルモトクロスの略)ではフランスのアンヌ=カロリーヌ・ショソンが初代女王に。男子はラトビアのマーリス・シュトロンバルクスが栄冠を手にした。

競泳で世界最古の世界記録が破られる

1989年に生まれてから約20年間破られていなかったジャネット・エバンス(アメリカ)の女子800m自由形の世界記録を、当時生後6カ月だったイギリスのレベッカ・アドリントンが更新。800m自由形決勝で、アドリントンはエバンスのタイムを2秒以上縮める8分14秒10という新記録を樹立しました。400m自由形決勝も制し、イギリスの女子競泳選手として1960年以来となる金メダリストに輝いています。

最年長および最年少出場者

北京では最年長と最年少の出場アスリートの間に約50歳の年齢差がありました。日本の馬術選手、法華津寛は67歳で3度目のオリンピック出場。カメルーンの競泳選手アントワネット・ジョイス・グディア・ムアフォは12歳で初出場を果たした。

年齢は必ずしもハンデにならず

61歳で9度目のオリンピック挑戦となったカナダのイアン・ミラーは、障害馬術団体で初めてのメダルを獲得。33歳で5大会目だったドイツのオクサナ・チュソビチナは体操競技で銀メダリストに。アメリカの競泳選手ダラ・トーレスは41歳ながら3つの銀メダルを手にしました。

超モダンなスポーツ施設と悠久の歴史

通称“鳥の巣”の国家スタジアムと、“ウォーターキューブ”と呼ばれる国家水泳センターはアバンギャルドな様相のスポーツ建築物で、新しい北京のシンボルとなりました。一方、サイクリングでは万里の長城と紫禁城という北京の悠久の歴史を代表する2つの名所周辺を通るコースが設定されました。

競技は37会場で実施されたが、うち6会場は北京市外。香港では馬術競技、青島ではセーリング、天津、上海、秦皇島、瀋陽ではサッカーが行われました。北京の大学キャンパス内に設置された競技会場は、学生たちが大会後も使っています。

セレモニー

2008年8月8日、北京にて、第29回オリンピック開会式が開催されました。聖火リレーの最終走者リ・ニンがオリンピック聖火台へ点火しました。

開会宣言:

中国国家主席 胡錦濤

聖火台点火:

リ・ニン(体操)

オリンピック宣誓:

ジャン・イーニン(卓球)

審判宣誓:

ファン・リーピン(体操)