【競泳】日本選手権:タッチの差で優勝の渡部香生子「代表を逃したくないという思いが結果につながった」

青木玲緒樹「平井先生を安心させられた。しっかり感謝の気持ちを伝えたい」

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
競泳日本選手権/渡部と青木

第97回日本選手権水泳競技大会・競泳競技「ジャパンスイム2021」が4月5日に競技3日目を迎えた。女子100m平泳ぎは渡部香生子(JSS)が1分06秒51で優勝。Tokyo2020(東京五輪)日本代表に内定し、「自分が納得できる結果を出す大会にしたい」と抱負を語った。(画像:時事)

「自分のレースをしようと一番に考えていた」というレースは、2位でともに東京五輪内定を得た青木玲緒樹(ミズノ)とわずか0秒05差の決着となった。前半を31秒61の4番手で折り返すと、「すごく周りを見ていたわけではなかったが、最後に頑張れば差せる位置にいることは見えた」と後半の勝負に懸ける。「『このレースで代表を逃したくない』という思いが結果につながったと思う」と語る猛追で、タッチの差で青木を差し切った。

2016年のリオデジャネイロ五輪後には結果を出せず、「くじけそうになることが何回もあった」。それでも、「それ以上に結果を出せなかった悔しさのほうが苦しさよりも強かった。それがあったから諦めずに、ここまでやってこれた」と苦しかった過去の経験がこの結果につながったと語った。

優勝という最高の形で東京五輪日本代表内定を手にした渡部。「東京での開催が決まった時から目標にしていた大会。今度こそはメダル獲得をする、自分が納得できる結果を出す大会にできたらと思う」と意気込みを語るとともに、7日から8日にかけて行われる女子200m平泳ぎに向けて「(100mは)優勝して代表を決められたということで、最高の形で200mにつなげられる。気持ちを切り替えて、200mでも代表権を獲得できるように頑張りたい」と決意を新たにした。

青木は「マイナスなことを考えず、自信だけは持っていこう」と思い今大会に臨んだ。レースでは1分06秒56で2位。ラスト数mで渡部に交わされ優勝は逃したが、派遣標準記録(1分06秒97)をクリアし東京五輪代表内定を掴んだ。

東京五輪に向けて、「1分5秒台を出さないと話にならないと思う」と分析。「平井先生(平井伯昌コーチ)も、夏までどう練習していくか考えてくださっている。平井先生と相談しながら練習をして、5秒台までうまく持っていければいいと思う」と語り、引き続き平井コーチとともに強化を目指す。

2019年に代表落ちした際、平井コーチが「自分のせいでごめん」と自らを責めたことが辛かったという青木。「今回はそういうことがないように」と心に決めていた。それだけに、平井コーチへの感謝の思いは大きい。

長い間期待していただいた。やっとここでオリンピック代表権を獲得できて、平井先生を安心させられたと思う。この後しっかり感謝の気持ちを伝えたい。
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