有明体操競技場が完成...「湾岸エリアに浮かぶ木の器」をコンセプトにした印象的なデザイン
東京2020大会の体操競技とボッチャの競技会場となる「有明体操競技場」が完成し、29日にメディア向けに公開された。
有明体操競技場は、東京都江東区の有明北地区に建設された約12,000人収容の屋内アリーナ。東京2020大会に向けて新設された会場の一つであり、オリンピックでは体操競技、パラリンピックではボッチャの会場として使用される。
11月28日に開幕する世界トランポリン競技選手権がこけら落としとなり、来年4月には体操ワールドカップの会場となる。東京2020大会終了後には、仮設の観客席を取り外し、展示場として活用される予定となっている。
同会場の特徴は、新設会場で最も多い約2,300㎥の木材を最大限に利用したデザイン。かつての貯木場という立地にふさわしく、屋根、外装、観客席に木材を利用し、「湾岸エリアに浮かぶ木の器」というコンセプトに沿った施設となっている。
屋根には鉄骨などを用いない木構造梁が採用され、世界最大級となる全長約90メートルの木造のアーチが屋根を支える構造となっている。競技エリアの天井には国産のカラマツ材の木架構が施され、格子状の木目と屋根にはり付けられた黒の吸音材が特徴的な天井になっている。
観客席には国産の杉材が使用されており、屋根から観客席まで木のぬくもりを感じることのできる空間になっている。仮説部分の観客席は大会後に取り外されることになるが、観客席に使用されている木材は学校の下駄箱などに再利用することを検討しているという。