グランドスラム(テニスの四大大会)の1つである全豪オープン。1905年から続く歴史ある大会で、日本人選手たちがどのような成績を残してきたのか。ここでは日本人選手の全豪オープンテニスでの過去の活躍を紹介する。
■シングルス
男女通じて日本人が初めて出場したのは1932年、大会名が「全豪選手権」とオープン化される前まで遡る。佐藤次郎、布井良助、原田武一が出場し、中でも佐藤はベスト4進出と好成績を収めた。なお、佐藤はメリル・オハラ・ウッドと組んで出場した混合ダブルスで準優勝を果たしている。
その後に台頭したのは、戦後に女性として初めてプロに転向した沢松和子(現姓吉田)だ。初出場の1973年大会でベスト4進出。続く1974年、1975年にも出場し、それぞれ3回戦、準々決勝進出の成績を収めた。以降も女子の活躍が続き、1994年に伊達公子(現姓クルム伊達)が沢松に続いてベスト4進出を達成。沢松奈生子(1995)、杉山愛(2000年)がベスト8進出を果たした。
佐藤以降、男子では長らく石黒修が1965年に記録した3回戦進出が最高記録。神和住純と坂井利郎が1968年、九鬼潤が1972年、田辺清が1972年と1974年に、1989年に松岡修造が2回戦進出を果たしたが、3回戦に駒を進めるものは現れず。石黒以来となる3回戦進出を達成したのは錦織圭だった。2008年に全米オープンで4回戦進出を果たすなど実績を残していた錦織は、2011年に自身初となる全豪OP3回戦進出を達成。翌2012年には佐藤以来80年ぶりの準々決勝進出を達成し、2015年、2016年、2019年にもベスト8進出にしている。錦織の全豪ベスト8は1969年の大会のオープン化以降、日本男子シングルスの最高記録となっている。
そして近年、目覚ましい活躍を見せているのが大坂なおみだ。当時18歳だった2016年、予選を勝ち上がり全豪OP初出場を決めると、勢いそのままに3回戦まで進出。2019年には決勝でペトラ・クビトバを破り、日本人の男女を通じて初となる全豪OP優勝を成し遂げた。大坂はこの優勝を受けて、アジア選手として史上初となる、シングルスでWTA世界ランキング1位という快挙も達成している。
■ダブルス
オープン化以降、男子ダブルスで日本人最高の成績を収めたのはマクラクラン勉だ。2018年大会にドイツのヤン=レナード・ストルフとペアを組んで出場。全豪を含むグランドスラムで、日本男子として初となるベスト4進出を果たした。
女子ダブルスでは佐藤直子がオーストラリアのパム・ホワイトクロスとペアを組み、1978年大会に準優勝。2009年には杉山愛がスロバキアのダニエラ・ハンチュコバと共に準優勝している。
混合ダブルスでは佐藤次郎とメリル・オハラウッドのペアが1932年に記録した準優勝が最高位。
■車いす
車いす男子シングルスでは国枝慎吾が2007年に初優勝を飾ると、2011年まで破竹の5連覇。その後2013年から2015年まで3連覇、2018年にも優勝と圧倒的な成績を残している。
女子シングルスの上地結衣も目覚ましい活躍を見せており、2017年の優勝の他、4度の準優勝を達成している。
両者の活躍はシングルスにとどまらず、ダブルスでも国枝は優勝8度(うち2008年は齋田悟司とペア)、上地結衣は優勝4度と圧巻だ。