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WWFフランスと共にオリンピック・パラリンピックを変革する

フランスでは、過去20年間で55回の国際イベントが開催されている。主要な国際スポーツイベントが開催される数は世界でもトップ3か国に入る。つまり、フランスは国際イベントの開催においては十分な経験と専門知識を持っていると言ってよい。パリ2024はこれを利用してオリンピック・パラリンピック開催に革新を起こすことはできるだろうか?パリ2024オリンピック・パラリンピックは、独自の考え方を取り入れ、スポーツの環境移行を加速させる特別な機会を提供する。スポーツの環境移行のためのWWF(世界自然保護基金)フランスのプログラムをサポートすることによって、パリ2024は競技大会開催まで時間をかけて、持続可能なスポーツイベントを促進するための具体的なソリューションを実行する。

スポーツの世界は、過去数年間で責任を果たすことに認識を持ち始めた。そして今、実際にその変革のための意欲と義務を持つようになった。2017年1月、フランス・スポーツ省とWWFフランス(フランス語)が、憲章15環境責任に関する誓約を取り決めたことが最初のステップになった。フランスのスポーツ省、WWF、ラグビーワールドカップ2023組織委員会によって署名された「スポーツイベントの環境責任に関する15のコミットメント」憲章を通じて、環境と社会的責任を重視する取り組みが進められた。スポーツイベントを開催するおよそ80団体(連盟、プロスポーツクラブ、リーグ、個人団体など)がこの憲章に署名した。この中にはパリ2024も含まれる。

パリ2024は、WWFと共にこの新たな取り組みに積極的に貢献することを決定した。このプログラムをサポートすることによってフランスは、スポーツにおける環境移行を推進する。最初の2年間の目標は、スポーツイベント開催中に本格的な取り組みを実行する上で必要なツールを関係者に提供することである。パリ2024大会組織委員会トニー・エスタンゲ会長は、「毎年フランスで開催される250万件のイベントは、変化をもたらすための絶好の機会になります。WWFフランスは、信頼できる専門知識を使って力を貸してくることでしょう。共同で取り組むことによってこそ成し遂げることができるのです。私たちの地球のために、スポーツは動き始めることが必要です」

毎年フランスで開催される250万件のスポーツイベント

パリ2024とWWFフランスのコラボレーションによって、スポーツ連盟、主催者、地域、協賛者、受託業者らが持続可能なイベントを開催する上で必要となる、食事サービス、廃棄物処理、環境に優しい移動手段などのツールが準備される。

プログラムは次の3つの分野に焦点を当てている。

  1. 主催者、地域、協賛者がフランス国内のスポーツイベントで環境移行を実行するのに役立つツールを作り出すこと。
  2. スポーツイベントで観客がより環境に優しい行動を取れるよう認識を高めること。
  3. スポーツイベントにおいて環境に優しい臨時移動手段を開発すること。

スポーツの環境移行を推進する活動家

持続可能性のために行うことが多ければ多いほど、より自由に感じ、よりよいパフォーマンスを発揮することに私は気づきました。アスリートは探求心が旺盛だと思います。彼らを強制するのではなく、意識させることが重要です。個人的には、チームメイトに小さなチャレンジをしてもらいました。例えば、3分以内にシャワーを浴びる、再利用可能なドリンクボトルを使用する、廃棄物ゼロを目指すなどです。そして、それはうまくいきました!もちろん、忍耐強くなければなりませんでしたが、特に意識の高い新しい世代のアスリートの中で大きな意識変化がありました。アスリートとして、私たちは大使のようなものです。模範を示しましょう。一歩一歩が大切です!
セシリア・バーダーフェンシング選手、ジャーナリスト
確かに障壁はあります。しかし、共同で取り組むことの意味を実感しています。私たちの目標は壮大ですが、少しずつ変革が見られます。公共および民間団体がパリ2024に先駆けて組織されており、循環経済および社会的連帯経済内でたくさんの事業が立ち上げられています。多くの解決策が提案され、全てがとても迅速に動いています。今、私たちはこれらの解決策を実行し、さらに強化し、より長期的なものにする必要があるのです。
ビビアン・フレイスフランステニス連盟CSR責任者

「移行は何よりもまず精神的なもの」

パリ2024とWWFをつなぐものは、私たちが共有する視点と理解です。スポーツ活動にも、全ての人間活動と同様に、私たちが必要とする環境移行が求められています。スポーツ界の多くが今、そのことに関心を持ち始めています。雪がなくなったらスキーはできるのか?汚染された場所でウォータースポーツはできるのか? スポーツには、カーボンフットプリントだけでなく、汚染や生物多様性の面でもフットプリントを残します。スポーツは自らのフットプリントを最小限に抑えることを学ばなければなりません。私たちはすでに関係者と協力して取り組みを開始しています。できるだけ早い環境移行を実現するため、WWFフランスは多くの関係者と共に、これを実現する方法を考えたいと思います!
イザベル・オティシエWWFフランス会長

持続可能なスポーツイベントに取り組むWWFフランスとパリ2024

パリ2024と協力して、フランスでどのような行動を取れば、環境に優しいだけでなく先駆的なオリンピック・パラリンピックを実現し、変革と移行を加速できるか検討しました。 パリ2024は、スポーツにおける環境移行のためのプログラムを支援する取り組みを推進します。私たちは、これが今回の競技大会のためだけでなく、持続的な取り組みであることを確信しています。パリ2024年の力によって、スポーツ界に変革を加速させることができます。そして、その変革はやがて当然のものとなり、全ての人が受け入れるようになるでしょう。
イザベル・オティシエWWFフランス会長

スポーツを活用することを世界中に呼びかける

スポーツとパリ2024を通じて、私たちは可能な限り多くの観客に呼びかけることができます。なぜなら、スポーツは世界中の人々を結びつけるからです。フランス人の2人に1人がスポーツに参加し、多くの人が実際の会場やテレビでスポーツを観戦しています。誰もがこの移行に参加することができるのです。そして、移行は第一に気持ちの問題です。そんなに難しいものではなく高価なものでもありません。みなさんが参加することによって実行できるのです。
イザベル・オティシエWWFフランス会長

パリ2024とWWFフランスが共有する取り組み

パリ近くのシテ・フェルティル通りで開かれた持続可能性に関する研究会の中で、トニー・エスタンゲ会長は、WWFフランスよって進められているスポーツの環境移行プログラムに協力する取り組みについて概要を説明した。このプログラムは、スポーツイベントの主催者、受託業者、フランスの各地域のニーズに合った革新的で具体的なツールの開発を促進するものとなる。