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スポーツによる健康増進を奨励する

スポーツは、個人のみならず社会全体にとっても、非常に有益で価値ある影響力を持っている。しかし、フランスでは人口の約40%がスポーツの恩恵に目を向けず、成人の2人に1人は身体活動を行う意思がないと言われている。座業中心のライフスタイルは、フランス国内で特に10代の若者を中心に顕著になっており、世界保健機関(WHO)が実施したスポーツ・身体活動実施に関する調査(2019年)によると、フランスは146か国中119位だった。また、子どもの40%は、1日に3時間以上、テレビやゲーム機などの前で過ごすことも明らかになっている。

スポーツ:生きるための原動力

座りがちなライフスタイルは、国民や国自体に大きな負の影響を与える。若い女性や障がいなどの特別な事情を抱える人々では、不活動になる傾向が強い。パリ2024は、スポーツへの欲求を高め満たすための活動を、フランス全体を巻き込んで最優先に取り組み、生活の中にスポーツを取り入れることが可能であり有益であることを示す。また、毎日、運動やスポーツに取り組む人々をサポートする。

今日、私たちはスポーツをもっと、町中に日々の生活の中に浸透させるための活動を拡大する必要がある。健康や生活の質を改善するために必要な運動習慣への認識を向上させるために、総力を上げて取り組むことが重要である。

パリ2024は、フランス中の誰もが動きたくなるような特別な機会を提供します。そのためには私たちが共通の認識を持たなければなりません。アスリート、学校教師、コーチ、医師、人事課の職員、都市計画者らが一緒になって連携して初めて変化をもたらすことができるのです。
トニー・エスタンゲパリ2024大会組織委員会会長

国立身体活動および座位行動監視局

パリ2024は、専門家グループ「健康的なフランスのために(Pour une France en forme)」と協力して取り組んでいる。

みんなで体を動かすためのプログラム

あらゆる年齢の全ての人々にとってのひとつの目標:毎日30分間、運動を行おう!

学校でもっと体を動かそう!

スポーツは、健康増進に役立つだけでなく、教育的にも社会的にも価値のある機会となる。

子どもたちにとってのスポーツは、人を敬う心、協調性、公平感、忍耐力など、将来の人生において役立つ価値をもたらし、自尊心を育む上で日常生活の中の大切な時間となる。

パリ2024は、国民教育省と協力し、国立スポーツ局によるサポートを受けて「毎日30分間の運動習慣」の啓発運動に率先して取り組んでいる。この活動は、2022年の新学期以降、各学校に普及し新たなを体験もたらしている。「毎日30分間の運動習慣」のプログラムは、子どもたちが推奨される1日の身体活動量の半分を確保する上で役立つだけでなく、集中力や気分を改善することにも有効だ。

町中でもっと体を動かそう!

パリ2024によりフランス国内で展開されているアクティブデザイによって、都市でも人々が自由に体を動かすことのできる環境整備が進んでいる。アクティブデザインでは、私たちの日常の生活環境(たとえば、公共のスペースや施設など)に運動や遊びの要素を取り入れ、誰もが身近に手軽にスポーツや自発的な身体活動に取り組めるようデザインが工夫されている。

また、国立地域団結局によって始められたプログラム「アクション・クール・ドゥ・ヴィル(Action Cœur de Ville)」との協力の下、フランスの6つの代表都市において実施例としてアクティブデザインが採用された。さらに、アクティブデザイン構想は、国立スポーツ局と協賛企業からのサポートを得て、アクティブデザインの方針に従い、「テールドジュー2024(Terre de Jeux 2024)」(地域にテールドジューのラベルを配布することで、オリンピック・パラリンピック活動の普及を目的にしたプログラム)が展開されるコミュニティにも拡大されている。

職場でもっと体を動かそう!

公共施設向けの身体活動指針は、パリ2024のパートナー企業向けにも活用され各職場で適用されている。これによって、各企業は職場での座りがちな行動を改め職場環境を整備することができる。2022年の夏以来、少なくとも10万人のパリ2024のパートナー企業従業員が毎日30分間の運動習慣にチャレンジしている!

スポーツと運動が職場環境の質と個人の健康にとってよい影響をもたらすと考えると、職場でアクティブに動くことが従業員と企業にとっての優先事項となる。仲間意識や帰属心の向上、事故の防止、ストレスの軽減などの効果も期待して、パリ2024はオリンピック施設建設公社(SOLIDEO)と連動して、選手村やメディアセンターの建設を担う従業員向けに、準備運動、スポーツ大会、アスリートとの交流会などを企画している。

パリ2024はまた、中小企業における健康でアクティブな職場改善を目指し、推進する上で障壁となった事例や実践例などを認識するために「職場での年間運動指標(Annual Sport at Work Barometer)」をフランス企業運動(MEDEF)の経営者連盟と協力し展開している。