フランス国立オリンピック・スポーツ委員会(CNOSF)
1894年6月23日、パリのソルボンヌ大学で開催された国際会議において、ピエール・ド・クーベルタンが提唱したオリンピック復興計画が採択され、同時に国際オリンピック委員会(IOC)の設立が決定された。これが国際的なスポーツ・ムーブメントの契機となり、フランスでは、オリンピック・ムーブメントと国内のスポーツ活動の整備のために2つの組織が創設された。これらの2つの組織は、後に統合され、今日のフランス国立オリンピック・スポーツ委員会(CNOSF)として知られる。
フランス・オリンピック委員会(COF)は、1894年秋に設立された。当初の目標は、1986年のアテネ、1900年のパリで開催された近代オリンピック競技大会に向けてフランス代表選手団を準備することであった。当時のフランス大統領、フェリックス・フォールが、名誉会長になることを承諾している。国立スポーツ委員会(CNS)は、1908年に創設され、各スポーツ連盟を取りまとめていた。そして1972年、フランスのスポーツ・ムーブメントを一体化するためにCOFとCNSは統合され、同年2月22日、CNOSFが発足した。
2つの異なるミッションのそれぞれの原点
CNOSFは、COFとCNSのそれぞれの異なるミッションを基本に、2つの大きな役割を担っている
- 1つ目のミッションは、IOCとフランス国内のオリンピック・ムーブメントを代表することである。世界に206ある国内オリンピック委員会のひとつとして、国内におけるオリンピック・ムーブメントを発展させ、推進し、保護している。 CNOSFは、オリンピックやIOCが主催する競技大会におけるフランス代表選手団の選考と指導を行う責務を負う。また、競技大会の開催地に立候補する意向をもつ都市や地域を選定し支持する役割を担う。
- 2つ目のミッションは、フランス国内の各スポーツ連盟、スポーツクラブとそのメンバーを取りまとめ、国内のスポーツ・ムーブメントを一体化させることである。また、フランス国内のスポーツ・ムーブメントを政府機関やシビル・ソサエティに知らしめることで、各スポーツ連盟の共通の利益を追求する活動を行う。特に、フランスにおけるハイレベルなスポーツを発展させ、スポーツへのユニバーサル・アクセスを確立し、健康のためのスポーツを推進することに注力している。
パリ2024:コンセプトから現実に向かって
スポーツ・ムーブメントの推進を掲げ、国内オリンピック委員会としての権限を持つCNOSFは、2024夏季オリンピック・パラリンピック競技大会を招致すべく組織的な活動を開始し、フランスの立候補を支持してきた。その中で、フランス国際スポーツ委員会(CFSI)が、2012年12月5日にスポーツ省によって設立された。CFSIは、国内にオリンピック開催を実現するという熱意の象徴として、オリンピック招致のための戦略立案を担ってきた。CFSIは、パリにあるメゾン・デュ・スポーツ・フランセ、CNOSF本部に設置されている。CFSIは、2015年2月12日、オリンピック立候補の可能性に関する報告書を提出し、同年6月23日、オリンピック開催地としてパリが立候補することをメゾン・デュ・スポーツ・フランセで公式に発表した。
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