シモーネ・バイルズが個人総合でも金!初出場の岸里奈は11位、中村遥香15位/パリ2024体操女子
パリ2024オリンピックの体操女子競技3日目となった8月1日、現地時間18時15分からベルシー・アリーナで個人総合の決勝が行われ、日本の岸里奈(予選10位)と中村遥香(予選17位)を含む、24選手が出場した。
団体戦で金メダルを獲得したアメリカ合衆国チームのエース、シモーネ・バイルズの個人総合での2冠達成なるか、それともサプライズがあるのか?に大きな注目が集まったが、東京2020でのメンタルヘルスの戦いを乗り越え、さらに成長を遂げた彼女を超える選手は現れなかった。決勝進出者の内、ただひとり2種目で15点を超える高得点を叩き出し、堂々の優勝を果たしたバイルズは、アメリカ合衆国の体操選手が2004年以来、毎大会女子個人総合のタイトルを獲得しているオリンピックの歴史をパリ大会でも継続させた。
銀メダルには、3種目目の平均台まで首位に立っていた跳馬のスペシャリスト、レベッカ・アンドラーデ(ブラジル)が輝いた。東京2020に続き個人総合でふたつ目の銀メダルを獲得。アンドラーデは、得意の跳馬で15点を超える得点を出しただけでなく、出場選手で唯一全4種目で14点以上の成績を出す安定した演技を見せ、バイルズとの差は1.199点だった。銅メダルには、東京2020個人総合金メダルの21歳、スニサ・リーが入り、共に表彰台に立った。
バイルズは最初の種目・跳馬で驚異的な15.766点をマークし一気に首位に躍り出ると、そのまま大記録を出すことが期待されたが、2種目目の段違い平行棒で、低い方のバーに移行した際に膝を曲げ、余分なスイングをするミスがあったことで13.733点に沈む。この種目でバイルズのチームメイト、リーは14.866点を出し、17歳のアルジェリア代表、カイリア・ネムールは、15.533点のハイスコアをマークし、メダル争いは混戦になることが予想された。しかし、世界女王のバイルズは、次の平均台で高難度の技を安定して成功させて14.566点で同日最高記録を出し、最終種目のゆかで、またも15点越えの演技でまとめ、完勝。金メダル獲得がわかった後に、バイルズはダイアモンドの山羊(GOAT=Greatest of All Timeの頭文字をとったスラングで史上最高の意味)シルエットのシルバーネックレスをテレビカメラに見せ、"史上最高" の選手であることをアピールした。
リオ2016に続き2度目の金メダル獲得の偉業を成し遂げたバイルズだが、これまでにオリンピックの女子個人総合で同じ偉業を達成したのは、ラリサ・ラティニナ(1959年、1960年)とヴェラ・カスラフスカ(1964年、1968年)しかいない。
日本の岸は、段違い平行棒チャンピオンのチョウ・チュウエン(邱其媛/中華人民共和国)などと同組、中村は2021年世界選手権の個人総合で5位のナオミ・フィッサー(オランダ)など他5名と同組となり、別でローテーションを行い決勝に挑んだ。16歳で初出場のふたりは、岸が11位、中村が15位で個人総合を終えた。
翌2日から3日間にわたり開催される種目別の決勝には、日本からは唯一岸里奈がゆかで決勝進出を決めており、8月5日(日本時間6日早朝4時23分)から出場する。
パリ2024体操女子個人総合結果
※上位3選手と日本代表選手結果
関連記事