パリ2024:知っておくべき5つのこと

執筆者 Will Imbo
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新しいオリンピック競技のデビューから、画期的な新エンブレムまで、パリ2024について知っておくべき5つのことを紹介。

2021年8月8日、**東京2020オリンピック**閉会式が行われ、小池百合子東京都知事からトーマス・バッハIOC会長にオリンピック旗が引き渡され、続いてアンヌ・イダルゴ パリ市長に旗が引き継がれた。

**パリ2024**はまだ数年先だが、第33回オリンピック競技大会に向けて気持ちを高めるのに、早過ぎることはない!

新競技、太平洋側の会場、エンブレムのデザインなど、パリ2024について知っておくべき5つのことを紹介する。

パリ1924から100年

2024年、パリは、ロンドン1908年1984年2012年)に次いで、夏季オリンピックを3度開催した2番目の都市となる。

パリが初めてオリンピックを開催したのは1900年。1500年前にローマ皇帝テオドシウス1世によって禁止されたマルチスポーツイベントが、アテネで復活した年から4年後のことだった。

1900年のパリオリンピックでは、開会式や閉会式は行われず、オリンピック史上初めて女子選手が出場したほか、気球や水中遊泳、クリケットなどのユニークな競技が行われた。

パリでは1924年に再び夏季オリンピックが開かれ、オリンピックを2度開催した初めての都市となった。パリ1924の開会式は7月5日に行われたが、一部の競技は5月4日に開始され、閉会式は7月27日に行われた。

100年後の2024年7月26日、パリは正式に3度目のオリンピックで世界各国を迎える。今回のオリンピックはフランスで開催される6回目のオリンピックとなる(パリでの夏季オリンピック3大会に加え、フランスの他都市で冬季オリンピックを3度開催:シャモニー1924、グルノーブル1968、アルベールビル1992)。

写真: 2005 Getty Images

ブレイクダンスがオリンピックデビュー

2024年の夏季オリンピックでは、32競技329種目が予定されているが、その中でオリンピックデビューとなるのが、ブレイキンだ。

ブレイキンとは、ブレイクダンスの競技形態で、フットワークに加えてバックスピンやヘッドスピンなどの動きを含む。選手(Bボーイ、Bガール)は、技術力、創造性、スタイル、スピード、力強さ、リズム、敏捷性など、さまざまな基準で審査される。

ブレイキンは、ブエノスアイレスで2018年に開催された夏季ユースオリンピックで大好評を博し、2020年12月には、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミング(東京2020でオリンピックデビュー)とともに、パリ2024のプログラムに正式に追加された。

国際オリンピック委員会(IOC)の理事会でパリ2024のプログラムが決定されると、その後の記者会見でトーマス・バッハ会長は次のように述べた。

「これらの競技が加わることで、オリンピックはより男女のバランスがとれ、より若々しく、より都会的なものになる」

「私たちには明確な優先事項があります。それは、若い世代に特に人気のあるスポーツを導入することです。また、スポーツの都市化も考慮しています」

タヒチでサーフィン

フランスの海外領土であるフランス領ポリネシア最大の島・タヒチが、パリ2024のサーフィン競技を開催する場所に決まった。

フランス本土の4つの候補地(ビアリッツ、ラカナウ、レ・ランド、ラ・トルシュ)を抑えてタヒチが選ばれた。パリからの距離は15,700キロで、メダルイベントの会場としては、歴史上、開催都市からもっとも遠く離れた場所となる。

1956年に開催されたメルボルンオリンピックでは、馬術競技が検疫法の関係でオーストラリアの都市から移動し、代わりに5ヵ月前にスウェーデンのストックホルムで開催された。

国際サーフィン協会(ISA)はこの決定を支持しており、ISAのフェルナンド・アゲレ会長はBBCに対し、オリンピック開催地としてタヒチを選んだことは「創造性と革新性というパリ2024の精神を証明するものだ」と語っている。

パリ2024オリンピックおよびパラリンピックのエンブレム

2019年にパリ2024のエンブレムが発表されたとき、それはオリンピックとパラリンピックの歴史において象徴的な瞬間となった。史上初めて、同じエンブレムが両競技に使用されることになったからだ。

大会の「顔」と形容されるエンブレムは、金メダル、炎、そして革命とフランス国民の大切な象徴であるマリアンヌという3つのシンボルが一体となっている。

パリ2024招致活動のリーダーであり、カヌー競技で3度のオリンピックチャンピオンに輝いたトニー・エスタンゲは、「まず第一に、このロゴを歴史上初めて、オリンピックとパラリンピックで同じものにしたいと思いました」と語った。

「これは歴史的なことであり、私たちがこの2つのイベントに対して同じ志を持っていること、オリンピックとパラリンピックの選手たちを同じレベルにすること、そして祭典や遺産の面でも同じ方法で大会を祝うことを意味しています」

2024年パリ大会のエンブレム詳細は、こちらから

すべての人のためのマラソン大会

オリンピックでは初の試みとして、エリート大会と同じ日に、アマチュア選手も参加できる一般向けのマラソン大会が開催される。エスタンゲによると、この「パブリック」マラソンは、エリート大会とは別の時間にスタートするものの、選手はオリンピック大会と同じコース、同じ条件で走ることになるという。

パリ2024のウェブサイトには、次の声明が掲載されている。

「このイベント(一般参加型マラソン)で、パリ2024はフランス中の人々に対して、アスリートとしての心構えやオリンピックの価値観に触発され、それらを日々の生活に取り入れることを呼びかけています」

「一人でも多くの方にこの素晴らしい体験をしていただくために、経験者や初心者、健常者や障がい者、若い人やそうでない人など、誰もがこの特別な瞬間を楽しめるように、いくつかの異なるレース形式を用意しています」。