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パリ2024の聖火を運ぶトーチ

パリ2024がオリンピック・パラリンピックのトーチをお披露目

2024年、聖火はフランス中の祝福の輪をひとつにする

聖火は、古代オリンピックの伝統に従ってギリシャ・オリンピアで太陽の光によって灯され、地中海を渡ってフランスに到着する。

2024年5月8日にマルセイユに到着する聖火は、オリンピック聖火リレーのスタートからパラリンピック閉会式までの4ヶ月間、フランス全土で途切れることなく続く祭典の始まりを告げるだろう。

オリンピック聖火リレーの盛り上がりは、2024年7月26日のパリ2024オリンピック開会式で最高潮に達する。選手たちのセーヌ河での素晴らしいパレードの後、観客やテレビを見る視聴者は、最後の聖火ランナーが聖火台に点火し、パリ2024オリンピックが正式に開幕する瞬間を目撃する。

2週間のスポーツの祭典が終了した後、オリンピック聖火はいったん消えるが、トーチはパラリンピック競技大会へと引き継がれる。

オリンピズムとパラリンピズムを結びつける聖火は、パラリンピック発祥の地とされるイギリス・ストーク・マンデビル村で再び灯される。1000人の聖火ランナーが新しい聖火を運び、2024年8月28日のパラリンピック開会式で聖火台に点火する。スポーツの祭典はさらに2週間続き、2024年9月8日の閉会式でパリ2024パラリンピックが閉幕となる。

パラリンピック聖火が消えると、トーチはパリ2024の象徴として永遠に記憶の中に刻まれるだろう。

写真: GettyImages

パリ2024聖火リレートーチのデザイン

オリンピック・パラリンピック競技大会の象徴である聖火を運ぶトーチは、その形や色、創造性によって、各大会のアイデンティティを表現する。パリ2024のトーチは、それ自体が芸術作品であり、パリ2024のイメージを反映するようにデザインされた。パリ2024は、フランス人デザイナーであるマチュー・ルアヌール氏にデザインにおける協力を依頼した。

パリ2024オリンピック・パラリンピックのトーチは、ユニークで光り輝く色が特徴的である。来る競技大会を反映するため、ルアヌール氏はパリ2024の3つのテーマ、平等、水、平和を題材に用いた。

平等

パリ2024では、開催地立候補の段階から大会組織・運営まで、「平等」を推進することを原動力としている。平等とは、オリンピックとパラリンピックを同じ情熱をもって開催することを意味する。したがって、オリンピックとパラリンピックは同じエンブレム、マスコット、そしてトーチデザインを共有している。

パリ2024の掲げる平等は、オリンピック競技大会における男女平等の推進にも強く反映されている。パリ2024では史上初めて、競技に出場する選手の数が男女で同じとなる。

トーチは、完全な対称性のデザインで平等を表現している。

「水」はパリ2024で特別な場所となる。聖火は、ベレム号という伝説的な船に乗って地中海を渡りギリシャからフランスに到着する。また、「Relais des Océans(オーシャンリレー)」というイベントを通じて、大西洋、インド洋、太平洋を渡る航海を経て、6つの海外領土(グアドループ島、フランス領ギアナ、マルティニーク島、フランス領ポリネシア、ニューカレドニア、レユニオン)を訪れる。

水はパリ市内でも重要な役割を果たしている。光の都パリをセーヌ川なしで想像することはできない。パリ2024も、パリの象徴とも言えるセーヌ川をなくして競技大会を開催することはできないだろう。パリ2024オリンピック開会式の舞台であり、オリンピックとパラリンピックの競技会場でもあるセーヌ川は、パリとセーヌ・サン・ドニ県を結んでおり、来る競技大会の背骨と言える。

水を表現するために、トーチには波のような立体感や揺れ、水面のさざ波や光の反射をイメージしたデザインが施されている。

平和

オリンピックとパラリンピックは、古代から平和の象徴として行われてきた。オリンピック聖火は、人々や国々に団結のメッセージを伝え、今日もそれが受け継がれている。数千年の伝統的遺産である聖火は、「オリンピック休戦(Olympic Truce)」を象徴している。

この平和への願いを表現するため、トーチには曲線や丸みのあるラインが施され、穏やかさに満ちたデザインに仕上がっている。トーチの素材はシンプルで、ほぼ単一の資源から生産され、デザインは寛大さや団結を表現する。

パリ2024の象徴的なオブジェであるトーチは、鉄鋼業界の世界リーダーであるアルセロール・ミッタル社によって合計2,000本が製造される。

オリンピック・パラリンピック聖火リレートーチの詳細

トーチの製造

パリ2024のトーチは、世界最大の鉄鋼会社であり、パリ2024のオフィシャルパートナーであるアルセロール・ミッタル社によって製造される。合計2000本のトーチが同社によって生産されるが、この数はこれまでのオリンピック・パラリンピック競技大会で生産された数の5分の1である。

同社の専門知識と革新的な技術によって、パリ2024のトーチ製造におけるカーボンフットプリントの削減にも貢献している。トーチを製造するために、アルセロール・ミッタル社は同社の研究開発部とフランスの3工場を動員する。これらは、パリ2024のトーチの必要条件であるカーボンフットプリントの削減されたスチールを使用して生産できる工場から慎重に選ばれている。