スカイ・ブラウン、新しい本を通じて何ごとも恐れない気持ちを伝えたい
あなたはスカイ・ブラウンがスケートボードで滑走するのを見たことがあるだろう。彼女がサーフィンで波と戦っているところも見たことがあるかもしれない。では、本のキャラクターになった彼女を見たことはあるだろうか!?
東京2020オリンピック銅メダリストのブラウンは、最近、本の中で新しい姿に生まれ変わり登場した。
イギリス人の父、日本人の母を持つ15歳のブラウンは、スケートボードとヘルメットを装備し、彼女の特徴であるカラフルなルックスで身を包み、「身長10cm」の姿となって、子ども向けの本「The Life-Changing Magic of Skateboarding(スケートボードは人生を変える魔法)」(3月26日発売)のキャラクターとして描かれている。
本の中で、イギリス代表として東京2020に出場した彼女はスケートボードの体験を説明し、初心者がトリックを行うためのひとつひとつの手順を解説している。
ブラウンは、この本を読む人に、スケートボードを怖がらずにチャレンジするきっかけをつかんでほしいと考えている。
「私は、自分の体験談を話すのがとても好きです」と、ブラウンはOlympics.comに語った。「(スケートボードを)教えることは私を笑顔にし、みんなも笑顔にすることができるので大好きです。だから本は、私の体験を伝える面白い方法だと思いました」
驚異のティーンエージャー、スカイ・ブラウンが本のキャラクターとして登場
スケートボードで滑る笑顔のスカイ・ブラウンが本の表紙に描かれている。彼女が子どもの頃は、スケートボードの本が本棚に並んだことはなかった。
「本棚にはスケートボードの本はありませんでした」と、ブラウンは両親が寝る前に読んでくれた本のことを思い出した。
スケートボードに関する子ども向けの本がほとんどない中、ブラウンはインターネットから自ら情報を探しトリックを学んだという。オンライン動画は大いに役立ったが、彼女はトリックを学ぶための本がないことを感じていた。
「もし1冊でも本があったらよかった」と彼女は言う。「私はいつもYouTubeを見て、トリックをどうやってやるのか学びましたが、本で学ぶことも楽しい方法だと思います」
そして、彼女はその本を書いた。40ページのイラスト付きのこの本は、「The Life-Changing Series(人生を変えるシリーズ)」のひとつとして、イギリスのMagic Catから出版された。このシリーズには、チェスのグランドマスターであるモーリス・アシュリー、ベーキングのマスタークラスを教えるジョイ・ウィルソン、13歳のドラマー、ナンディ・ブッシェルの本も出版されている。
ブラウンの本「The Life-Changing Magic of Skateboarding(スケートボードは人生を変える魔法)」には、幼少期に腹ばいでスケートボードに乗っていたところから、2021年の東京2020オリンピックで銅メダルを獲得するまでのストーリーが描かれている。
彼女のサーフィンとダンスの才能も取り上げられ、優勝したアメリカのテレビ番組「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ:ジュニアーズ」についてもカラフルに描かれている。
「とにかく楽しかったです」と、ブラウンは本の製作過程について話した。「私の人生について書くことで、これまで経験したことの多くを思い出させてくれました。忘れていたことを思い出すことはとても刺激的でしたし、またこの本を読むことで振り返ることができます」
本を書くことを通じて、ブラウンは本のキャラクターとして再現されている自分自身を振り返ることができた。本の中の全てのイラストは、伝統的な手法とデジタル手法を組み合わせたショー・デイビッドソンの創作である。
「小さなキャラクターとなった私を見るのはとても面白かったです」とブラウンは話した。「いろいろな服を着て、いろいろな髪型やヘルメットも描かれていて、他のキャラクターたちもとてもキュートです」
文章をはじめ、ブラウンは服装やキャラクターなどのイラスト選びにも積極的に関わった。
「たくさん助けてもらいましたが、イラスト選びは難しかったです。でも、最後はとてもよい出来栄えになりましたし、私はそれをとても誇りに思っています」とブラウンは感想を述べた。
スカイ・ブラウンから学ぶトリック
この本は、ブラウンのこれまでのスポーツ体験をカラフルに振り返る物語が描かれているとともに、スケートボードにチャレンジしたい人のためのハウツー本でもある。
スケートパークの代わりに、本を通じてブラウンは、読者にオーリー、キックフリップ、フロントサイド180などの初心者向けトリックを行うための手順を解説している。
「スケートボードの基本についても書きたかったのです」と彼女は言う。「初歩的な内容がほとんどです。すぐにキックフリップを学ぶことはできませんし、その前にオーリーを学ばなければなりません。たくさんのことをあらかじめ学ばなければならないので、私は基本だけを説明することにしました」
スケートボードの基本に加えて、ブラウンは彼女の持ち味である独特なムーブ、例えばキックフリップ・インディなどを紹介することで本の内容を充実させている。東京2020で彼女は、このトリックを3度目のランで成功させ、見事、銅メダルに輝いた。
「私の自分の経験を話す中で、スケートボードは決して簡単なことではなかったと書きました」とブラウンは話した。「スケートボードは簡単ではありません。時間がかかるものです。時間をかける必要があるのです」
スカイ・ブラウンにとって恐れに立ち向かうことは最高の気分
もっと多くの人がスケートボードにチャレンジできるよう励ますことは、ブラウンが競技とは別に達成したい目標のひとつだ。
しかし、彼女の考えるもっと大きなミッションは、人々が恐れに立ち向かい、それを克服できるよう励ますことである。
「私たちは何かをしたいと思っていても、いざやろうとすると怖気づいてしまいます」と彼女は言う。「私がひとりでスケートパークに行っていた頃、そこには男の子たちしかいませんでした。少し怖いと思っていました。大きな男の子たちがいて、彼らはいつも私を『なんであんな小さな女の子がここにいるんだ?』のような目で見るのでした。でも、それが理由で止めるべきではありませんでした。自分がしたいことをするだけでした」
この本が私の言葉を広め、人々を励ますのに役立つことを願っています
-スカイ・ブラウン
ブラウンはこれまで、テレビ番組のダンスコンテストや、アメリカ合衆国のスケートボードレジェンド、トニー・ホークに励まされてメガランプに挑むなど、さまざまな恐怖に直面し克服してきた。
恐怖を克服すること。これはブラウンの成功の裏にある大きな推進力となっており、彼女はもっと多くの人がその魔法を体験することを期待する。それは、スケートボードであれ、ダンスであれ、あるいは本を読む人が選ぶどんなチャレンジであってもよい。
「恐れに立ち向かうこと。これは怖いですが、それに立ち向かえた時は最高の気分です」と彼女は強調する。「それこそが私を成長させています。何かが怖いと思う時、それに立ち向かい自分自身に打ち勝つ感覚は最高です。もっと多くの女の子や人々に、自らが恐れることへ立ち向かう時の気分を感じてほしいと思います。私たちの人生は1度きりです。やりたいことに最善を尽くし、決してあきらめないでください」