オリンピック聖火が仏マルセイユに到着! パリ2024聖火リレー
何千人もの観客が見守る中、フランス・マルセイユの港にパリ2024のオリンピック聖火が到着した。
4月27日にギリシャの都市ピレウスを出発したオリンピック聖火は、5月8日(水)に3本マストの有名な帆船ベレム号でフランスに到着し、祝祭の訪れと聖火リレーの始まりを告げた。
フランスでの最初の聖火ランナーにはオリンピック金メダリスト(競泳)のフローラン・マナドゥが選ばれ、その後、第3走者を務めた地元のラッパーJulが盛大な拍手と明るい雰囲気の中、聖火リレーの聖火台に火を灯した。
ベレム号、そしてオリンピック聖火がマルセイユに到着
ベレム号は現地時間午前11時頃、フランス最古の都市マルセイユの北港に到着し、1,024隻におよぶ地元の船に伴われながら、北港と南港をパレードした。
陸上では足を運んだ観衆がイフ城でのマルセイユ・バレエ団の公演を楽しみ、上空ではパトルイユ・ド・フランス(フランス航空宇宙軍のアクロバットチーム)の航空機8機がオリンピックリングを描くなどの華麗なパフォーマンスを披露した。
べレム号を見るためにマルセイユを訪れたという仏ボジョレー出身のエティエンヌさん、アルベーヌさん、ジュリーさん、アンヌドミニクさんは、「私たちはこの機会を絶対逃したくなかった!」を口をそろえ、歴史的瞬間に立ち会うことができた喜びをOlympics.comに語った。
「ベレム号を見ることができてとても嬉しいです。このイベントのためにここに来たんです。私たちはオリンピックの雰囲気が大好きで、オリンピックを楽しみにしています」と続けた。
一方、マルセイユに引っ越してきたばかりというアドリアンさんは、この「一生に一度」のイベントをどのように体験したかったのかを語った。
「美しく荘厳で、感動的です」
「オリンピズムの価値観を共有することは素晴らしいことです。みんなが集まって、他者に心を開くこと。それは、自分の中に閉じこもりがちなこの時代に、この瞬間に、共有されるべきメッセージです」
「このようなイベントに参加し、多くの人とこの瞬間を共有することは重要です」と続けた。
べレム号の係留の前には、卓越したテノールボイスから「ストリートのパヴァロッティ」の愛称で親しまれるフランスのアーティスト、Naestroがフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌い、その後、マルセイユ・オーケストラがパリ2024の公式ソングを演奏した。
「パレード」と題された公式ソングはヴィクトル・ル・マスネが作詞・作曲し、オリンピック・パラリンピックのダイナミックで普遍的な精神を表現した。
フローラン・マナドゥがフランス国内で最初の聖火ランナーに
べレム号がマルセイユの港に係留された後、ロンドン2012オリンピックの金メダリスト、フローラン・マナドゥが聖火を運んだ。
マナドゥはOlympics.comの取材に応え、「最初の聖火ランナーであることを非常に誇りに思います。ですがその前に、私が思うことは『共有する』ということです」と語った。
「1万人の聖火ランナーとこの気持ちを分かち合いたい。アスリートもいれば、ボランティアもいますし、異なる環境で生まれ育った人々で構成されています。それが私の誇りです。まさに大会のような多様性があり、包容力があります。とても嬉しいことです」
マナドゥの後、聖火トーチはパラ陸上のナンテナン・ケイタ(フランス)に渡され、その後、地元のラッパーJulが受け取りオリンピック聖火リレーの聖火台に火を灯した。
「すべての色のメダルがたくさん獲れますように。そして大会に向けて大きな力となりますように」とJulは声援に応えて語った。
オリンピック陸上競技で金メダル3つを獲得したマリージョゼ・ペレクも出席し、Olympics.comにマルセイユでのイベントがいかにオリンピックの精神を表しているかを語った。
「今朝、フランスのセーリングチームと一緒に小さな船に乗って、ベレム号に会いに行きました。これから何が起こるのかを考えたとき、大会に出場する準備をしているときと同じような感覚になり、鳥肌が立ちました」
「今朝その感覚が蘇ってきたのです。これこそが私たちが皆さんと共有したいものです。これが大会であり、感動なのです。見てください、みんな歌って、祝福しています。これが大会なのです」
マルセイユでオリンピック聖火リレー始まる
オリンピック聖火リレーの第1ステージは5月9日(木)にマルセイユで始まる予定で、NBAで4度優勝したトニー・パーカー、UEFAチャンピオンズリーグで優勝したディディエ・ドログバ、リオ2016オリンピック・カヌースラローム金メダリストのデニ・ギャルゴー・シャニュらスポーツ界の著名な人物たちが聖火を運ぶ。
マルセイユでのリレーを皮切りに、オリンピック聖火はフランス全土と海外領土の450以上の都市を69日間かけて巡った後、パリに到着し、7月26日の開会式でオリンピック聖火台に聖火が灯される。