オリンピック聖火引継式、聖火がパリ2024の代表団へ

執筆者 William Imbo
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Tony Estanguet
写真: 2024 Getty Images

ギリシャ・アテネのパナシナイコ・スタジアムで4月26日(金)、オリンピック聖火の引継式が行われ、パリ2024オリンピックの聖火が大会組織委員会の代表団に渡された。

4月16日の採火式で採火されたオリンピック聖火は、11日間にわたるギリシャ国内でのリレーを終え、フランスに向かう。現地時間夕方に行われた引継式は、フランスでのリレー開始を告げるものとなった。オリンピック聖火は27日に「べレム」号でフランスに向けて出発し、5月8日にマルセイユに到着してフランスでの聖火リレーをスタートさせる。

同日現地時間18時30分頃、聖火はヨーロッパ競歩選手権で2度優勝したオリンピック選手のアンティゴニ・ドリスビオティ(ギリシャ)によってスタジアムに運ばれ、ドリスビオティがトラックを走った後、北京2022アイスダンスの金メダリストであるガブリエラ・パパダキス(フランス)に渡された。

パパダキスもトラックを走り、パラ水泳で輝かしい成績を収めたベアトリス・ヘス(フランス)に聖火を渡した。式典での最後の聖火ランナーとなった東京2020水球銀メダリストのヤニス・フントゥリス(ギリシャ)は、オリンピック旗、ギリシャ国旗、フランス国旗の前でヘスから聖火を受け取り、ギリシャ水球代表チームのチームメイトとともに聖火台に聖火を灯した。

パリ2024オリンピック聖火引継式で、ヤニス・フントゥリスが聖火台に聖火を灯した=2024年4月26日

写真: 2024 Getty Images

続いて、ヘレニック(ギリシャ)オリンピック委員会のスピロス・カプラロス会長が熱のこもった演説を行い、国内でのリレーを温かく迎えた同国の人々を称え、聖火の「次の旅」となるフランスの幸運を祈った。

「今日、多くの人が詰めかけたこのパナシナイコ・スタジアムで、ギリシャを端から端まで照らした希望と誇りの旅が終わりを告げます。私たちの国を魅了し、全世界の注目を集めたこの11日間は、次のオリンピック、パリ2024に向けた偉大な旅の始まりにすぎません」

「ここパナシナイコ・スタジアムで私たち全員がオリンピック聖火を歓迎し、敬意や連帯の気持ち、そしてこの特別なイベントの実現に向けた願いを込めて、パリ2024組織委員会に聖火を手渡すことは、大きな喜びと感動を伴うものです」とカプラロス会長は語った。

ヘレニック(ギリシャ)オリンピック委員会のスピロス・カプラロス会長(左)と聖火を掲げるパリ2024組織委員会のトニー・エスタンゲ会長(右)=2024年4月26日

続いて、オリンピック金メダリストであり、パリ2024組織委員会の会長を務めるトニー・エスタンゲ(フランス)会長がスピーチを行い、両セレモニー(採火式、引継式)を執り行ったギリシャの人々、そして引継式の2人のフランス人聖火ランナーであるパパダキスとヘスに感謝の気持ちを伝えた。

「ギリシャでのオリンピック聖火リレーを素晴らしい形でスタートさせてくれたヘレニック・オリンピック委員会とスピロス・カプラロス会長に感謝します」

「この11日間ギリシャを巡り、私たちは非常に力強い瞬間や、ギリシャの方々の聖火に対する思いを目にしました。そして今、この引継式で正式にオリンピック聖火を受け取ることを誇らしく思います。とても感動的な瞬間です」

エスタンゲ会長は続けて、フランス出身の水泳選手でオリンピック金メダリストのフローラン・マナドゥ(フランス)が、フランスでのオリンピック聖火リレーの最初の聖火ランナーとなることを明かした。

「100年間待ち続けた聖火が、12日後にマルセイユ港を玄関口としてフランスに戻ってきます。彼の世代を代表するオリンピアンのひとりであり、リレーのキャプテンを務めるフローラン・マナドゥが、この新たな冒険に同行してくれることに心から感謝します。待ちきれません」

エスタンゲ会長のスピーチに続いて、聖火はカプラロス会長からエスタンゲ会長に渡され、ランタンに入れられた。聖火はアテネのフランス大使館で一晩過ごした後、4月27日にフランス行きのベレム号に乗船する。

次のステップは?

オリンピック聖火は地中海を横断し、5月8日にフランス・マルセイユに到着する。

その後、聖火はフランス全土を巡り、海外の地域(ニューカレドニア、フランス領ポリネシアなど)を巡った後、7月26日のオリンピック開会式に合わせてパリに到着する。