写真: Buda Mendes/Getty Images
パリ2024オリンピックへの道は終着点を迎えようとしている。大会出場のチャンスは限られており、ボクシングも例外ではない。
5月24日〜6月2日までタイ・バンコクで開催される第2次世界予選では、女子23、男子28を含む51の出場枠がかかっており、ボクサーにとってこれがパリ2024オリンピック出場枠を確保する最後のチャンスとなる。
その舞台となるインドアスタジアム・フアマークは、1998年のアジア競技大会や2012年のFIFAフットサル・ワールドカップなど、主要なスポーツイベントを開催してきた長い歴史を持つ。第2次世界予選は、これまでこの競技場で開催されてきた大会の中で最も熾烈なものになるかもしれない。
これまでのオリンピック予選大会を通じ、オリンピック金メダリストのアーレン・ロペス、ケリー・ハリントン、エステル・モッセリーなどは、すでにオリンピック出場枠を獲得しているが(※)、オリンピックのメダリストであるモハメド・ラビーとカルロ・パアラムは、第2次世界予選での獲得を目指す。また、日本からは8選手がすでに出場枠を獲得した原田周大、岡澤セオンに続くべく戦いに挑む。
ここではタイ・バンコクで行われるボクシング第2次世界予選の注目ポイントを紹介しよう。
※オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。各競技の出場資格に関する公式資料はこちら。
国内オリンピック委員会(NOC)は、パリ2024への出場枠を確保していない階級のボクサーを各階級につき最大1人派遣することができる。
大会ではトーナメント形式で試合が行われ、出場枠を確保する選手が決まる。出場枠の行方が決まるまで試合が行われるため、メダル決定戦や表彰式は行われない。バンコクでは以下の階級が実施される(括弧内は今大会でボクサーたちが確保できるオリンピック出場枠の合計)。
第2次世界予選では、少なくとも9人のオリンピックメダリストがタイへ向かうことが予想される。
モロッコのモハメド・ラビーは2015年に69kg級の世界王者となり、リオ2016オリンピックでは銅メダルを獲得した。
東京2020への出場は逃したが、オリンピック出場の空白期間に彼のボクシングが終わることはなかった。昨年は75kg級のアフリカ王者となり、現在は30歳にして2度目のオリンピック出場を目指している。
ホアン・シャオウェンもまた、第2次世界予選にエントリーしているボクサーの中で際立っている。チャイニーズ・タイペイを代表する彼女は、東京2020の銅メダリストであり、世界選手権を2度制覇。パリ2024出場枠を獲得する新たなチャンスを心待ちにしていることだろう。イタリアで行われた第1次世界予選では、女子54kg級の有力候補として出場したものの出場枠を獲得できずに敗退。バンコクでは多くのボクサーにとって強敵となる。
オリンピック銅メダリストのヴィンチェンツォ・マンギアカプレ(イタリア)を簡単に倒せるボクサーはいない。35歳のマンギアカプレは、2年間ボクシングの競技から離れていたが、3度目のオリンピック出場を目指している。
試合から遠ざかっていたとはいえ、サミュエル・タキイ(ガーナ)のような相手を打ち負かそうとする上で、彼のこれまでの経験は重要な意味を持つだろう。しかし、東京2020でタキイが証明したように、老若男女を問わず優れたボクサーは存在する。
東京2020で銅メダルを獲得したとき、タキイはまだ20歳だった。母国開催のアフリカ競技大会では優勝したが、イタリアで開催された第1次世界予選では初戦敗退。オリンピックのチャンスを掴むべくタイのリングに立つ。
タイのボクサーはオリンピックで15個のメダルを獲得しており、パリでその数をさらに増やすことを目指しているはずだ。東京2020に出場したバイソン・マニコンも、パリ2024の出場枠を求めるボクサーのひとりである。
元々はムエタイのファイターだったが、10代のときにボクシング・ナショナルチームを率いるソムチャイ・プールサワットの招きでボクシングに転向。ボクシングを始めてわずか4年で、初のオリンピックに出場した。あれから3年、彼女はアジア競技大会のメダリストであり、アジア選手権では準優勝を果たした。今大会の会場では、地元ファンが彼女を活躍を後押しする。
これまでにオリンピック・ボクシングに選手を派遣できなかった多くの国々も、初の出場枠獲得を目指す。グレース・ファーンブレとフレデリック・キウィットはリベリア初のオリンピック・ボクサーに、エイドリアン・ダビン・カラスコはボリビア人として史上2人目のボクサーになることを目指す。
フランス代表団もパリ2024に向けて出場枠を増やすつもりだろう。19歳のボクサー、ヨジェリン・セザールも注目のひとりだ。グアドループ出身の彼は、2023年にU22ヨーロッパ王者に輝き、1984年以降、フランス代表の最年少オリンピック・ボクサーとして、歴史に名を刻もうとしている。
日本からは2021年の世界選手権で金メダルを獲得した坪井智也(男子51㎏級)をはじめ8選手が出場する。日本選手は現在、男子57kg級の原田周大、男子71kg級の岡澤セオンがパリ出場枠を獲得しており、さらなる出場枠獲得が期待される。
以下すべて現地時間(日本はバンコクより2時間進んでいる)。※日程は変更になる可能性もある
ボクシング第2次世界予選の戦いの模様は、Olympics.comでライブ配信が予定されている。
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