車いすテニス女子ダブルス、上地結衣&田中愛美が金! オランダ勢以外で初の女子ダブルス金メダリスト誕生

執筆者 Chiaki Nishimura
1 |
Paris 2024 Paralympics_820428_Doubles Yui Kamiji _JPN_ and Manami Tanaka _JPN_
写真: Molter/Kopatsch

競技8日目を迎えたパリ2024パラリンピックは、9月5日に車いすテニス女子ダブルスの決勝が行われ、日本代表の上地結衣&田中愛美ペアがオランダ代表のディーデ・デフロート&アニク・ファンクートを破って優勝! 3時間に及んだ熱戦の末に、金メダルを獲得した。

パラリンピックで車いすテニスが行われるようになったのは、1992年のバルセロナ大会からで、女子ダブルスでは同大会から8大会連続でオランダ勢が頂点に立ってきた。上地&田中は自身初の金メダルとなったばかりか、日本車いすテニス界に初の女子ダブルス金メダルをもたらし、オランダ勢以外で初の金メダリストとなった。

テニスの四大大会、全仏オープンの開催地ローラン・ギャロスで行われているパラリンピック車いすテニス。現地時間5日13:30に始まった女子ダブルス決勝で、日本代表の上地&田中ペアは、1セット目を先取されると、2セット目をタイブレークの末に奪取。10ポイント先取のタイブレークで競われた3セット目では序盤から5-1とリードするものの、前回大会金メダリストのオランダペアを完全に崩すのは難しく、緊張感漂うラリーが続き、スコアは9-6。上地&田中が金メダルまであと1ポイントに迫る中、オランダペアも1ポイントずつ積み重ね9-8。最後は長いラリーの末に相手の放ったボールがコートを外れて上地&田中の勝利が決まった。

上地結衣、田中愛美、ともに初のパラリンピック金メダル

上地は1994年生まれ、兵庫県出身の30歳。先天性の潜在性二分脊椎症により成長とともに歩行が困難になった上地は、11歳で車いすテニスを開始。高校生だったロンドン2012パラリンピックに初出場を果たし、シングルス、ダブルスでベスト8の成績を残した。2014年以降は四大大会(グランドスラム)でダブルス、シングルスともに優勝するようになり、これまでに数々のトロフィーを掲げてきた。パラリンピックではリオ2016女子シングルスで銅、東京2020女子シングルスで銀メダルを手にしており、この日、悲願の金メダルに輝いた。

一方の田中は1996年生まれの28歳。熊本県に生まれ、埼玉県で育った田中は、中学、高校とテニスに励んでいたが、高校1年生のときに転落事故に遭い脊髄を損傷し、その後、車いすテニスを始めた。東京2020パラリンピックに初出場し、この2年はグランドスラムでも活躍。直近の全仏オープン、全豪オープン、全米オープンの女子ダブルスでは2大会連続でベスト4に進出した。

関連記事|活躍が期待される日本代表選手を紹介!

パラリンピック車いす女子ダブルスで日本勢初の金メダリストとなった上地結衣(左)、田中愛美(右)=2024年9月5日、パリ2024

写真: 2024 Getty Images