【パリ2024パラリンピック9月5日の見どころ】 車いすテニス、悲願の金メダル獲得を目指し「ゆいまな」ペアが赤土のセンターコートを舞う!ゴールボール、男子日本勢初の決勝の舞台へ

執筆者 Hirotaka Hikoi
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写真: 2024 Getty Images

競技が始まって8日目を迎える9月5日、パリ2024パラリンピックでは、新たに視覚障がい者柔道が始まる。ゴールボールボッチャパラアーチェリーパラ射撃が最終日となり、全15競技が行われる。また、12競技でアスリートたちはメダルをかけて戦う。

車いすテニスでは、東京2020女子ダブルス銅メダリストの上地結衣(かみじ・ゆい)が田中愛美とともに悲願の金メダル獲得をかけて女子ダブルス決勝(日本時間20:30~)に臨む。小田凱人(ときと)は、男子シングルス準決勝(同20:30~コート・フィリップ・シャトリエの2試合目)に進む。

パラ卓球では、すでに銅メダル以上を確定させた和田なつき古川佳奈美(かなみ)の日本勢2人がそろって女子シングルス(WS11)準決勝(同17:00~)に出場する。

また、ゴールボールでは男子日本代表が決勝(同翌朝2:30~)でウクライナ代表と金メダルをかけて競い合う。ボッチャ混合団体(BC1/BC2)では、決勝進出を逃した日本代表「火ノ玉ジャパン」が、大韓民国代表チームと銅メダルをかけて戦う(日本時間17:30~)。

その他、初日となる視覚障がい者柔道では、東京2020女子48kg級5位、4大会連続出場の半谷静香(はんがい・しずか)が女子48kg級(J1)に出場し日本勢初登場となる。パラ水泳パラ陸上競技なども引き続き日本勢の健闘は続く。

競技8日目の見どころを紹介しよう。

9月5日、注目の3競技

悲願の金メダル獲得を目指して「ゆいまな」ペアがセンターコートへ/車いすテニス女子ダブルス決勝

車いすテニスでは、東京2020女子ダブルス銅メダリストの上地結衣が、同5位の田中愛美とペアを組み悲願の金メダル獲得をかけて、ローラン・ギャロスのセンターコート、フィリップ・シャトリエで行われる決勝(日本時間20:30~)に挑む。

今年30歳になった上地は、全仏オープン女子ダブルス4回の優勝を含むグランドスラム20回の優勝を誇る世界の誰もが知るプレーヤー。その上地と今回、パラリンピックで初めてダブルスを組んだ28歳の田中にとって、決勝進出は悲願だった。

中学・高校と硬式テニスに励んだ田中は、高1の冬の転落事故で脊髄を損傷し、それ以来車いすが必要となった。2023年のアジアパラ競技大会(中華人民共和国・杭州)では、上地とペアを組み、見事、優勝しており、今大会でも金メダルに輝くことが期待される。

対戦相手は、オランダのディーデ・デ・グロートアニク・ファンクート組。このオランダペアは、東京大会で金メダルを獲得しているだけでなく、グランドスラムでも金メダルの山を築き続けている最強ペアだ。その強豪に上地・田中ペアをどんな戦いぶりを見せるのか。上地は、前日の女子シングルス準決勝でファンクートと対戦し、セットカウント2-1で勝利している。

日本勢初の決勝進出を目指して古川と和田が躍動!/パラ卓球女子シングルス準決勝

競技初日から行われているパラ卓球は8日目を迎える。女子シングルス(WS11)の和田なつきと古川佳奈美(かなみ)の日本勢2選手がそろって準決勝に進出する。同種目では3位決定戦が行われないため2人のメダル獲得は確定しており、パラ卓球の知的障がいクラス(WS11)では日本人2人目、3人目のメダリストとなった。

準決勝では、和田はトルコの21歳、エブル・エイサーと対戦、古川は53歳のエレーナ・プロコフェワ(中立選手)と対戦する。エイサーは2023年の欧州チャンピオン、プロコフェワは東京2020の女子シングルスで金メダルを獲得しているため、両選手とも油断ができない対戦対手となることは間違いない。

和田は2023年アジアパラ競技大会のチャンピオンとしての誇りを、古川は予選敗退に終わった東京2020から世界ランキング2位まで上り詰めた自信を力に決勝進出を目指す。2人とも勝利し、日本勢同士の決勝戦を見ることを日本のファンは期待している。準決勝は、それぞれ日本時間17:00~行われる。

男子日本勢初の金メダル獲得を目指してゴールを決めろ!/ゴールボール男子

ゴールボール男子日本代表は、準決勝で中華人民共和国代表と対戦して13-5と圧勝して決勝進出を決めた。すでに男子日本勢初、悲願のメダル獲得を確定させているが、この日、ウクライナ代表との決勝で金メダルをかけて戦う。

男子日本代表は、準決勝でも炸裂したチームの得点源、キャプテンの金子和也宮食行次(みやじき・こうじ)ら2人の活躍に大きな期待がかかる。これまでのトレーニングによって高めた世界に誇る瞬発力と球威で敵陣のゴールを狙う。

ウクライナ代表とは、2023年8月、英国バーミンガムで開催された「IBSAワールドゲームズ」の準決勝で対戦し、この時、延長戦の末、ゴールデンゴールを決め勝利している。男子日本代表はこの大会で優勝をおさめ、パリへの切符を得た。

しかし、今大会の予選ラウンド第2戦(8月30日)では、宮食が6得点を挙げ活躍したが、8-9で惜敗している。決勝では、ウクライナ代表とのワールドゲームズ準決勝で効果を示した「トリプルフェイク」(投球の前に各選手が動いて相手をかく乱させる音のフェイク)を駆使し、金メダルを引き寄せたいところだ。

決勝は、日本時間翌朝2:30~行われる。

パリ2024パラリンピック、競技日程・スケジュール

パリ2024パラリンピックの全競技日程は、こちらで確認可能。

パリ2024パラリンピック、放送予定・ライブ配信情報

日本ではNHK、JCOMなどで、中継、ライブ・ハイライト・アーカイブ配信が予定されている。また、パラリンピックYouTubeチャンネル国際パラリンピック委員会ウェブサイトOlympics.comで配信される(一部見られない地域もある)。