【パリ2024パラリンピック2日目】パラ陸上で61歳の伊藤智也が12年ぶりのメダル!パラ水泳の鈴木孝幸が2日連続メダル獲得

執筆者 Chiaki Nishimura
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Gold medalist, Maxime Carabin of Team Belgium (C), Silver medalist, Tomoki Sato of Team Japan (L) and Bronze medalist, Tomoya Ito of Team Japan (R) pose for a photo on the podium after Men's 400m
写真: 2024 Getty Images

パリ2024パラリンピックでは競技2日目を迎えた8月30日、パラ陸上車いすテニスなどが始まり、陸上では唐澤剣也が2大会連続銀メダル、佐藤友祈が3大会連続のメダル、日本選手団最年長の伊藤智也が3大会大会ぶりのメダルに輝くなど陸上初日を華やかに飾った。

またパラ水泳では、鈴木孝幸が2日連続のメダル、富田宇宙が銅メダルを獲得。団体競技では、車いすラグビーの予選ラウンドで日本代表が前回の東京2020で銀メダルを手にした強豪・アメリカ合衆国代表チームを破って予選ラウンド首位に立ったほか、ゴールボール日本女子は開幕2連勝を飾った。

またパラテコンドーでは、ネパールのパレシャ・ゴベルダンが銅メダルを獲得し、同国初のパラリンピックメダリストとなった。

大会2日目の出来事を振り返ろう。

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パラリンピック2日目ハイライト

61歳の伊藤智也がロンドン2012以来、12年ぶりのメダル獲得!

予選、決勝が行われたパラ陸上男子400m(T52)で、日本選手団最年長61歳の伊藤智也が決勝で2位の佐藤友祈に続き3位でゴールしてロンドン2012パラリンピック以来、3大会ぶりのメダル獲得となった。優勝は世界記録保持者のマキシム・カラバン(ベルギー)。銀メダルの佐藤は同種目3大会連続のメダルとなった。

レース後のインタビューで、61歳でもトップレベルで活躍する秘訣を聞かれた伊藤は「よく食べて、よく寝ること」と応え、優勝したカラバンを超えることはできるかという質問には、「もちろん、僕たちはできます」とし、できるとしたら「自分かな(笑)」と語った。

三重県出身の伊藤は1963年生まれの61歳。34歳のときに多発性硬化症を発症し、車いす生活が始まり、翌年に競技を開始した。アテネ2004でパラリンピックデビューを果たし、4年後の北京大会で金メダルを2つ、その4年後のロンドン2012でもメダルを獲得。その後、一旦競技から離れたが、東京2020を目指して競技に復帰。東京でメダル獲得はならなかったが、3年後のこのパリで銅メダルという栄光を再び手にした。伊藤にとって出場した5大会を合わせて6個目のメダルとなった。

唐澤剣也が2大会連続の銀メダル!

現地時間10:00過ぎに始まったパラ陸上男子5000メートル(T11)で、日本代表の唐澤剣也が14分51秒48のアジア記録を樹立して2大会連続の銀メダルを獲得した。

盲目の唐澤は序盤から好位置につけてレースを展開し、最後の1000mでは3番手以降を引き離し、首位を独走していたブラジルのジュリオセザール・アグリピノドスサントス(ブラジル)に迫る走りを見せたものの、アグリピノドスサントの世界記録を樹立した走りに追いつくことはできず、2秒63差の準優勝。東京2020に続く銀メダルとなった。タイムはアジア記録となる14分51秒48。

レース後のインタビューで唐澤は「金メダルを目標にしていたので銀メダルで残念な結果ではあったが、全力は出し切って最低限の自己ベスト更新ができたのでそこはよかったと思います」と語った。

群馬県出身の唐澤は、1994年生まれの30歳。10歳のとき網膜剥離のため失明し、リオ2016オリンピックで視覚障がいがある選手が活躍したことを知り、競技を開始。東京2020では同種目で銀メダル、男子1500mでは4位という成績をおさめた。

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日本代表メダル獲得選手、パラリンピック2日目

パラ陸上

  • 唐澤剣也、男子5000m(T11)…銀メダル🥈
  • 佐藤友祈、男子400m(T52)…銀メダル🥈
  • 伊藤智也、男子400m(T52)…銅メダル🥉

パラ水泳

  • 鈴木孝幸、男子100m自由形(S4)…銀メダル🥈
  • 富田宇宙、男子400m自由形(S11)…銅メダル🥉

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そのほか8月30日の主な結果、パリ2024パラリンピック

パラ水泳では、29日の男子50m平泳ぎ(SB3)で金メダルを獲得した鈴木孝幸が、100m自由形(S4)に出場。東京2020の同種目で金メダルを獲得した鈴木はは50mを4位で折り返し、力強い泳ぎで追い上げ2位でフィニッシュ(1分21秒71)。優勝したアミオマル・ダダオンに1秒46及ばなかったものの、2日連続のメダル獲得となった。

また男子400m自由形(S11)には、東京2020の同種目で銀メダルを手にした35歳の富田宇宙(うちゅう)が出場。富田は序盤から4番手でレースを展開し、最後100mで3番手に浮上。優勝した初出場のダビド・クラトフビル(チェコ)、2位のロヒール・ドルスマン(オランダ)に続いて3位で銅メダルを獲得した。タイムは4分32秒33。金メダルのクラトフビルは4分26秒34でヨーロッパ記録を樹立した。

団体競技では、車いすラグビーの予選ラウンドで日本代表が前回の東京2020で銀メダルを手にしたアメリカ合衆国代表チームと対戦。第1ピリオドで13-12、第2ピリオドで22-22という接戦を繰り広げ、両者一歩も譲らない展開は第4ピリオドまで続き、最後は日本代表が逃げ切って45-42。前日のドイツ代表戦に続き、予選ラウンド2勝目を掴み取った。現在グループ首位に立つ日本代表は、上位2チームが進む準決勝に向けて好調ぶりをのぞかせている。予選ラウンド最終戦では、8月31日現地時間17:30(日本時間24:30)にカナダ代表と対戦する。

一方、車いすバスケットボール女子は、予選ラウンド初戦でオランダ代表と対戦し、34-87で敗北を喫した。

またゴールボール予選ラウンドで、日本男子はウクライナ代表と対戦し8-9で敗北。2戦連続で1点差での黒星となった。日本女子はカナダ代表と対戦し、2-1で勝利。開幕2連勝を飾った。

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【ハイライト動画で見る】車いすラグビー予選ラウンド、米国代表vs日本代表

試合全体のリプレイはこちらから視聴可能。

写真で見るパリ2024パラリンピック競技2日目

パリ2024パラリンピック、競技日程・スケジュール

パリ2024パラリンピックの全競技日程は、こちらで確認可能。

パリ2024パラリンピック、放送予定・ライブ配信情報

日本ではNHK、JCOMなどで、中継、ライブ・ハイライト・アーカイブ配信が予定されている。また、パラリンピックYouTubeチャンネル国際パラリンピック委員会ウェブサイトOlympics.comで配信される(一部見られない地域もある)。

パリ2024パラリンピック、毎日のハイライト

8月29日 大会1日目