中華人民共和国のヘ・ビンジャオ、スペインチームのピンバッジを手にカロリーナ・マリンへ敬意を示す心づかい/パリ2024バドミントン
パリ2024オリンピックの最も辛い瞬間のひとつが、ヘ・ビンジャオの心づかいによって最も美しい瞬間のひとつに変わった。
スペインのカロリーナ・マリンは、中華人民共和国のヘ・ビンジャオとのバドミントン女子シングルス準決勝の途中でけがをし、競技を棄権せざるを得なくなった。この試合では、マリンが1セット目を先取しており、2セット目でマリンがリードする中、その出来事は起こった。
ヘ・ビンジャオは、マリンのけがの痛みに自分自身の心を痛め、試合後に涙ながらにメディアに語りかけた。マリンは以前にも深刻な膝のけがに苦しんでおり、今大会を棄権することはさらに痛ましいものだった。
ヘ・ビンジャオはマリンの棄権により決勝へ進出したが、翌8月5日、世界ランキング1位、大韓民国のアン・セヨンにストレートで敗れ銀メダル獲得となった。
表彰台でオリンピック精神を体現したヘ・ビンジャオ
バドミントン女子シングルスの表彰台にヘ・ビンジャオが立った時、彼女は手に何か小さなものを持っていた。それは、スペインチームのピンバッジだった。
ポルト・ド・ラ・シャペル・アリーナの観客席から見つけることは難しかったが、ヘ・ビンジャオが左手に銀メダル、右手にピンバッジを持っている画像がソーシャルメディアで拡散された。
彼女のこの心づかいは特にスペインのファンやメディアから称賛を受け、スペインオリンピック委員会もSNSを通じて彼女に感謝を示した。「これぞオリンピック精神の極み。素晴らしい心づかいをありがとう!」とつづられた。
マリンも8月6日に、自身のSNSでヘ・ビンジャオに謝意を示し、「私はヘ・ビンジャオが決勝で最高の結果を出すことを願っていました。なぜなら、スポーツマンシップこそが何よりも重要だからです」とコメントした。
「そして、表彰台でのあの瞬間は、私が人から受けた最も素晴らしい心づかいのひとつになりました。彼女にこれからもずっと感謝し続けるでしょう」と続けた。