写真で振り返るパリ2024オリンピック閉会式の思い出に残るシーン
第33回パリ2024オリンピックが閉幕した。オリンピック聖火台の置かれたチュイルリー庭園で始まった閉幕のセレモニーでは、スタッド・ド・フランスで行われた閉会式での素晴らしいエンターテインメントの後、フランスの首都パリで繰り広げられた夢の17日間に幕が下ろされた。そして、オリンピック精神は次のロサンゼルス2028へと引き継がれ、4年後、アメリカ合衆国の地がまた感動と興奮に包まれることだろう。
まだオリンピック聖火を灯し続けている聖火台の前で、フランスシンガー、ザホ・デ・サガザンがその夜をスタートさせた。セリーヌ・ディオンが、エディット・ピアフ(フランスの著名シャンソン歌手)の名曲「愛の賛歌」を歌い開会式を締めくくったように、彼女は同じくピアフの1954年の名曲「パリの空の下」を歌い上げた。ハンデル=ヘンドリックス・アカデミー合唱団の歌声とともに、閉会のセレモニーは穏やかに始まった。
この後、登場したのは、パリ2024オリンピックで開催国フランスを最も盛り上げた立役者のひとり、レオン・マルシャン。彼は、今大会で4つの金メダルと1つの銅メダルを獲得した。マルシャンは、オリンピック聖火が灯されたランタンを手に取った。
この聖火は、4月にオリンピック発祥の地、ギリシャ・オリンピアで太陽の光から灯され、5月9日からの航海を経てフランスまで渡り、聖火リレーをつないで7月26日にパリへと運ばれた。今、フランス・トゥールーズ出身のマルシャンは、スタッド・ド・フランスに向かって歩き始めた。そして、彼の背後では聖火台の炎は消え、聖火台はその役割を終えた。
フォンテーヌブロー合唱団による「ラ・マルセイエーズ」と、指揮者ザイア・ジウアニが率いるディヴェルティメント管弦楽団の伴奏、そしてフランス国旗の掲揚の後、各国代表選手団が陽気な笑顔に満ちた表情でボランティアとともにスタジアムに入場し始めた。
64個のメダルを獲得したフランス代表選手団は、会場に到着した中で最も賑やかに、会場の地元ファンの声援に応えた。選手団は2人の金メダリスト、自転車マウンテンバイクのポーリン・フェラン=プレヴォと、7人制ラグビーのアントワーヌ・デュポンに率いられ場内を行進した。
ボランティアたちがいなければ今大会は実現しなかっただろう。彼らもステージ上で称賛された。アスリートたちと共に入場した後ステージに上がり、7万人の観客から大きな歓声を受けた。2週間以上にわたり、彼らはアスリートと市民を助け奉仕し、今大会の大成功の一助となった。
閉会式で唯一行われた表彰式が、パリ2024オリンピックの最後のメダルセレモニーとなった。なんという素晴らしい表彰台だったことだろう!女子マラソン金メダルを首にかけたオランダのシファン・ハッサンを囲んで、美しい3人の女性が笑顔でメダルに輝いた。
各国代表選手団の入場が終わると、芸術監督トーマス・ジョリーと彼のチームが演出した荘厳なショーが始まった。空から降りてきた謎のゴールデン・ボイジャーが、16日前の開会式でも現れた謎のマスクマンからギリシャ国旗を受け取った。
革新的なアイデアの連続となった今大会では、さらに常識を打ち破る演出に会場内は目を見張った。スイスのピアニスト、アラン・ロシュがピアノと共に空中に舞い上がり演奏を始めた。上空へ向けて叙情的な頌歌(しょうか)が厳かに響き渡った。ロシュのまとう衣装は、廃棄されたビデオテープをリサイクルして制作された。
神話的な要素を取り入れた近未来的なショーでは、ダンサーたちが地上でオリンピックリングを組み立て、それをスタッド・ド・フランスの高みへと運び上げた。その後の音楽ライブでは、フランスの人気バンド、フェニックス、エール、カヴィンスキーと、ベルギーのシンガー、アンジェルがステージを盛り上げた。
国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長と、テディ・リネール(フランス)、エリウド・キプチョゲ(ケニア)、スン・インシャ(中華人民共和国)ら各大陸を代表するアスリートたちに囲まれ、パリ2024大会組織委員会トニー・エスタンゲ会長が閉会のスピーチを行った。
自身もオリンピックメダリストであるエスタンゲ会長は、アスリート、主催者、ボランティアに敬意を表し、観客に感謝の意を表した。「フランスはそこにありました。私たちは不平ばかり言う国民だと思われていましたが、大会期間中、一生懸命に応援し歌い続けました」と彼は笑顔で語った。
ロープにぶら下がり、宙を舞い、彼はどこからともなく現れた。世界的俳優、トム・クルーズは、2028年の夏季オリンピック開催都市であるロサンゼルスにオリンピック旗を運ぶという重要な任務「ミッション:インポッシブル」を担っていたのだ。彼はバイクに乗りアスリートの間を走り抜け、薄明かりの闇の中に消えていった。閉会式はまもなく終了するが、彼はいったいどこに行ったのだろうか?
トムは完璧に任務を完了させた。オリンピック旗はジェット機で大西洋を渡り、スカイダイビングで空からカリフォルニア・ハリウッドに降り立ち、ベニスビーチに到着した。そこでは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、スヌープ・ドッグ、ドクター・ドレー、そしてビリー・アイリッシュに迎えられ、ロサンゼルス2028オリンピックを祝福するパーティーが続けられた。