大会期間中の交通対策

東京2020大会では、以下のような交通対策が実施されます。

大会時の交通マネジメント

交通需要マネジメント(TDM)

料金施策による交通需要調整

交通システムマネジメント(TSM)

会場周辺の交通対策

大会時の交通マネジメント

東京2020大会では、大会関係者及び観客の安全で円滑な輸送と、物流を含めた都市活動の安定との両立を図ることとしています。

大会期間中の道路交通において、7月から9月上旬は例年交通量が多い上に、大会関係車両等の利用が加わることから、何も対策を行わなかった場合、高速道路の渋滞は現況の2倍近くになります。

公共交通においても観客の利用等を要因として、会場周辺や近傍路線を中心に局所的な混雑の発生が想定されています。

そこで、東京2020大会では、関係機関が協力して適切な交通マネジメントを行い、多くの企業や市民の理解と協力を得ることで良好な交通環境を創出し、信頼性の高い大会輸送と都市活動の両立を図っていきます。

大会期間中の実施目標

大会期間中の実施目標を次のとおり設定しています。

【道路交通】

道路交通では、競技の運営に必要な時間帯の混雑緩和に向け、以下により交通状況の実現を目指します。

一般交通
都心部(重点取組地区)(※1)について、大会前の交通量の30%減を目指します。
東京圏の広域(圏央道の内側)について、大会前の交通量の10%減(※2)を目指します。

首都高速道路における交通量の更なる減
東京圏のオリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)、パラリンピック・ルート・ネットワーク(PRN)の基幹をなす首都高速道路については、交通量を最大30%減(※3)とすることで、休日並みの良好な交通状況を目指します(TDM、料金施策による交通需要調整等により実現)。

【公共交通(鉄道)】

公共交通(鉄道)は、局所的な混雑への対応などにより、現状と同程度の安全で円滑な運行状況を目指します。

※1 重点取組地区とは、2020TDM推進プロジェクトにおいて、活発な経済活動の維持を図るため、「競技会場等が集中」「道路・鉄道の混雑箇所を通過する交通が多い」という観点から抽出した地区であり、16地区あります。
詳細については、2020TDM推進プロジェクトの重点取組地区 をご覧ください。

※2 混雑時以外への時間変更や混雑箇所以外へのルート変更を含んでいます。

※3 大会関係車両及びその他需要を考慮し、大会同時期最大交通量を休日平均並みにするには、約30%の交通量の削減が必要となります。

交通需要マネジメント(TDM)

交通需要マネジメント(TDM)は、自動車の効率的な利用や公共交通機関への利用転換など、交通行動の変更を呼びかけ、発生交通量の抑制や集中の平準化などの交通需要の調整を行うことにより、道路交通の混雑を緩和していく取組みです。東京2020大会においては、道路交通だけでなく、鉄道などの公共交通機関も含めた交通需要調整の取組みのことを指します。

2020TDM推進プロジェクト

東京2020組織委員会は、東京都、国とともに、東京2020 大会開催期間中における交通混雑緩和に向けた交通需要マネジメントの取り組みを、東京2020公認プログラムを活用しながら、「2020TDM推進プロジェクト」として推進し、安全・円滑かつ効率的で信頼性の高い輸送と都市活動の安定との両立を目指しています。

また、この取り組みにご協力いただける企業等の登録を、東京都オリンピック・パラリンピック準備局のサイトで受け付けております。

「2020TDM推進プロジェクト ホームページ」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局)

料金施策による交通需要調整

料金施策の考え方

TDMにより交通需要が減少した場合においても首都高速道路の交通量は減り難い傾向にあることや、大会関係車両やその他大会に伴って発生する追加的交通により交通量が増加すること、また、約1か月に及ぶ大会期間中に交通需要の低減・分散の継続が必要であることなどを踏まえると、首都高速道路において休日並みの良好な交通状況を目指すためには、流動性確保に向けた追加対策が必要となります。

追加対策としては、ナンバープレート規制やHOVレーンなども挙げられるますが、首都高速道路の構造的な問題(片側2車線など)等が存在するため、既存ETCシステムが活用可能な料金施策による交通需要調整が適当と考えられます。

料金施策による交通需要調整の内容は、首都高速道路の流動を確保する効果、TSM など交通規制を行う強度と影響、一般道での交通渋滞の発生などの影響、さらには料金の経済的負担の度合いの観点などを考慮することが重要となります。

料金施策の実施方針

東京圏のORN/PRNの基幹をなす首都高速道路について、大会時の交通需要増への対応や、期間中を通じたTDMの効果継続の観点などから、夜間割引を行うとともに、日中の時間帯の料金上乗せを実施し、車両の分散利用を促します。なお、料金上乗せに伴う収入と、夜間割引の実施や料金システム改修等にかかる費用などが均衡するように検討していきます。

(1) 大会輸送の円滑化 ⇒ 大会期間中に限定して適用
・2021(令和3)年7月19日(月)~8月9日(月)、8月24日(火)~9月5日(日)の35日を対象に以下の施策を適用

(2) 夜間割引の導入による交通シフトを促進
ETC搭載車両を対象に夜間半額割引(首都高速道路全線)

(3) 料金上乗せは、昼間時間帯においてマイカー等に対して実施
都市活動の安定との両立の観点から、他の交通への転換が困難な公共交通、物流車両、障がい者(身体・知的・精神障がい者)、福祉車両(社会福祉事業(第一種、第二種)の用にもっぱら供する車両等)等は対象外

TDMによって道路交通全体の需要が削減された状況において一般道から首都高への転換を抑制するため、ETC搭載の有無にかかわらず、マイカー等を対象に都内区間において1,000円を上乗せ

交通システムマネジメント(TSM)

交通システムマネジメント(TSM)とは、交通需要マネジメント(TDM)により、全体の交通量を減少させたうえで、道路の交通混雑が想定される箇所において実効性を伴う通行抑制や通行制限を実施することにより、円滑な交通を維持する取組です。大会関係者を安全かつ円滑に輸送するため、都心エリアの交通量を減らし、本線料金所での通行制限や、交通量に応じた入口閉鎖等の規制を段階的に実施することで、オリンピック・ルート・ネットワーク及びパラリンピック・ルート・ネットワークの円滑な交通環境を生み出します。

TSMの考え方

東京2020大会のORN/PRNにおいては、過去大会で導入されている大会専用レーンを高速道路へ導入すると、一般交通への影響が非常に大きくなり、大会関係車両にも影響が及ぶことが確認されました。

このため、TDMにより交通量が低減された状況下において、交通量のピーク時間帯を中心に、状況に合わせた各種対策を柔軟に実施することにより、交通需要の時間的・空間的な集中を緩和し、ORN/PRNの円滑な交通状況を維持します。

TDMによる交通量低減が少ない状況下では、TSMの流入調整等による影響が大きいため、大会関係者及び観客の安全で円滑な輸送と物流を含めた都市活動の安定を図るためには、TDMによるベース交通量の低減が必須となります。

TSMの実施方針

コロナ禍の交通量が抑えられた状況下でも、ピーク時等に一部で渋滞が発生しており、今後の見通し等を踏まえても、これまでと同様、TDMと料金施策による交通需要調整に加え、状況に応じたTSMによる交通の管理が必要です。

ORN/PRNの円滑な交通状況を維持するため、レギュラー時、イレギュラー時のそれぞれの状況に応じて高速道路及び一般道において適切な交通対策を行います。

1.レギュラー時の対応

レギュラー時は、一般交通への影響を最小限としながらORN/PRNの円滑な交通状況を維持するための対策を行います。

具体的には、高速道路においては、都心方向へ向かう経路上の本線料金所での開放レーン数の制限による通行制限や、ORN/PRN上の混雑を解消するために効果的な入口の閉鎖、本線車線規制、JCT部での方向別規制等により、交通状況に応じた必要量の流入調整を機動的に実施します。

また、一般道においては、大会専用レーン・優先レーンの設定、駐車対策、信号調整、吹き出し: 角を丸めた四角形: 図面位置変更

会場周辺での車両通行禁止等を現地の状況を踏まえ実施します。

TSMのイメージ
TSMのイメージ

ORN/PRNのうち、専用レーン、優先レーンでは、交通規制を示すために都県公安委員会によって規制標識、規制標示が設置されます。また、規制区間を明確にし、交通の安全に資することを目的に組織委員会によって通行帯の中央部分に実線または破線の路面表示が設置されます。

ORN/PRN上に設置する路面表示等について

2.イレギュラー時の対応

事故、自然災害等に伴う交通容量低下などのイレギュラー時においては、事故等の個々の事象に応じた効果的な対策により、ORN/PRNへの影響を最小限に抑えます。

具体的には、レギュラー時の対応の強化に加え、事象の内容や程度に応じ、レギュラー時の実施対象箇所以外にも、本線車線規制やJCT部での方向別規制、区間通行止等の対策を実施します。

イレギュラー対応による周辺交通への影響軽減及び対応余力の確保のため、TDMにより交通量を低減し、レギュラー時における交通規制実施の必要性を少なくします。

会場周辺の交通対策

1.広域対策

放射・環状線など主要幹線道路上の歩道橋等への横断幕設置や、交通情報板から情報発信を行い、広域的に車両の迂回を促します。

競技会場や周辺の輸送関連施設(会場外シャトルバス乗降場、会場外関係者駐車場等)を取り囲む原則2車線以上の道路(歩車道が分離している)

2.会場周辺交通対策

(1) 迂回エリア
競技会場や周辺の輸送関連施設(会場外シャトルバス乗降場、会場外関係者駐車場等)を取り囲む原則2車線以上の道路(歩車道が分離している道路を主とする)で囲まれた一定のエリアを設定し、(その境界をトラフィックペリメーターという)通過交通の進入を抑制する。

設定したトラフィックペリメーター及びその外側の幹線道路に迂回案内看板や必要に応じ交通誘導員等を配置し車両の迂回を促し、設定したトラフィックペリメーター内への通過車両の進入を抑制する。なお、トラフィックペリメーター内側の生活、業務等に係る交通については、トラフィックペリメーターによる進入抑制の対象とはしない。

(2) 通行規制エリア
会場の直近においては、車両通行禁止等の交通規制を行い、警備員等による誘導によって通過交通を制限する。
なお、生活、業務等に係る交通については進入抑制の対象としない(一部を除く)。

(3) 専用レーン、優先レーン等
会場周辺において、大会関係車両を対象とした専用レーン・優先レーンの設定、駐車対策、信号調整等を現地の状況を踏まえ実施する。

交通規制等のお知らせ

具体的な交通規制等の実施場所、期間等については、詳細ページをご覧ください。