野球日本代表 稲葉篤紀監督 「日本らしい緻密な野球で、悲願の金メダルを」

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3大会ぶりに復活する野球は、2021年7月28日(水)から福島あづま球場で開幕します。日本代表を率いる稲葉篤紀監督は、6月16日に代表選手24人を発表(その後3選手辞退、3選手追加)し、7月19日からは悲願の金メダルを目指して合宿に臨んでいます。選手として出場した北京2008大会でメダルを獲得できなかった悔しさを胸に、「東京2020大会での金メダル獲得」を目標に掲げる指揮官。「北京の借りは東京で」。代表発表翌日に、大舞台への意気込みを聞きました。

野球日本代表 稲葉篤紀監督インタビュー
04:55

代表発表会見を終えて

いよいよ始まるなと、緊張感が高まりました。監督に就任してから4年間の思いや、私の中でも集大成ということで、選手の名前を読み上げているときにグッとこみ上げるものがあり、捕手を読みあげるのを忘れてしまったのですが、これもいい思い出になりますね。選んだ24人は、最高のメンバーです。それぞれ特徴があり、それを十二分に生かしてくれると思いますし、また日本代表経験者も入っていますので、ベテランと若手の融合という意味では、非常にバランスの取れた、チームが出来上がったなと感じています。

6月16日、日本代表選手発表会見に臨んだ稲葉監督
6月16日、日本代表選手発表会見に臨んだ稲葉監督

チーム構成、戦い方について

投手を中心に、守りからリズムを作り「スピード&パワー」を存分に出していきます。また今まで通り、選手が様々な意見を言える環境を作りたいので、キャプテンは置きません。ただ、それぞれのポジションで引っ張ってもらいたい選手がいるので、監督・コーチに頼らず全員でチームを作っていきたいです。

投手は、夏の暑さを考え、北京2008大会に比べて一人多い、11人を選出しました。投手をどんどん変えながら一戦を乗り切る。連戦になった場合に備えて、一人でも多くいた方がいいと思っています。また、先発投手に中継ぎをしてもらうこともあるかもしれません。相手のバッターに合わせ、試合を行う中で起用を決めていきたいです。

野手は、坂本勇人と菊池涼介に引っ張ってもらいたいです。この2人は日本代表の経験もありますし、とても仲がいいです。さらに、最年少の村上宗隆にも、年下ということを気にせず意見を出してほしいです。

選手同士、意見を出し合いながらチームを作ってほしいと話す
選手同士、意見を出し合いながらチームを作ってほしいと話す
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北京2008大会でともに戦った田中将大投手

今回選出した選手の中で、唯一オリンピックを経験しているのが田中将大。北京2008大会の時は、19歳でした。当時は、いろんな選手からいじられていて、ピッチャー陣の中でもすごく可愛がられていました。でもマウンドに立つとガラッと変わり、「絶対抑えてやる」というのを、外野を守っていて彼の背中から感じたのは、今でも覚えています。

ぜひ、「オリンピックというのはこういうところ、北京の時はこうだったよ」と、他の選手に伝えてもらえればと思います。例えば普段と違い、ベンチに入れる人数も限られ、道具も自分で持っていかなければいけないなど、オリンピックならではのことを、どんどんメンバーに共有してほしいですね。

北京2008大会当時、19歳でマウンドに立つ田中将大投手
北京2008大会当時、19歳でマウンドに立つ田中将大投手

稲葉監督にとってオリンピックとは

やはりオリンピックは小さい頃からあこがれて見ていました。日の丸をつける中でも、他の大会とは違いオリンピックは、たくさんの競技がある中のひとつに「野球」がある。その中で、金メダルを取るというのは、また重みが違うと思います。日本の野球を世界に見せ、「日本の野球は強いぞ」と知っていただき、少しでも野球に興味を持つ人が増えてくれればと願います。今回、競技が復活したのも、そのような役割を担っていますので、勝敗に限らず、野球の魅力も伝えていきたいです。

北京2008大会でプレーする稲葉監督(右)
北京2008大会でプレーする稲葉監督(右)

日本が勝つための戦い方は

「緻密な野球」です。いろんなことを考えた上で、投げて、打って、走る。対戦国の選手たちは力のある選手たちですが、戦術や戦略、考え方は、やはり日本の方が緻密だと思います。見ている側には伝わらないかもしれませんが、「この打席はこうだから、こんな狙いをしました」とか、「このバッターは前の打席でこうスイングをしたので、この球を投げました」とか、そのような細かいところ見てほしいですね。僕は、野球は「考えるスポーツ」だと思っているので、日本は考えているのだというところも伝えていきたいです。

最後に目標を教えてください

目標は、金メダルです。北京2008大会で、星野監督は「全勝優勝だ!」と言っていたのですが、全勝優勝というと、全て勝たなければいけない。もちろん勝たなければいけないのですが、「最後に金メダルを取る」という思いで戦っていきます。オリンピックは私の中で挑戦です。これは個人的な感情になってしまいますが、「北京の借りは、東京で返す」思っています。選手として悔しい思いをしたので、監督としての挑戦でもあります。オリンピックは、今まで金メダルが取れなかった、それだけ難しい大会です。だからこそ挑戦という思いで臨みたいと思います。

野球が自国開催のオリンピックで復活し、「期待」というのもがすごく伝わってきます。ぜひみなさまと、金メダルを取って喜びを分かち合えるように、全力で戦っていきます。応援よろしくお願いします。

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