第94回 マラソンで支援呼びかけた英雄(マセソン美季さんコラム『自分を信じて』より)

2020年9月16日

提供:朝日小学生新聞

カナダの英雄、テリー・フォックスさんを紹介します。テリーさんは、1958年、カナダに4人きょうだいの次男として生まれました。スポーツが大好きで、バスケットボールの選手として活躍し、将来は体育の教師をめざしていたそうです。ところが、18歳の時、骨肉腫という骨のがんで、右足太ももから下を失いました。

入院中、自分と同じ病気で苦しむ幼い子どもたちが、命を失う姿も見て、自分にできることはないかと考えました。そして、がんの研究資金を集めるため、義足でカナダを横断するマラソンに挑戦することにしました。走行予定は、およそ8千キロメートル。毎日フルマラソンほどの距離を走り、100万カナダドルの寄付を集めることを目標に出発しました。

「希望のマラソン」と名づけられたこの活動は、当初は注目されませんでした。時には危ないからと国道を走ることを禁止され、回り道をさせられました。それでも走り続け、少しずつ支援者を増やしていったそうです。しかし、143日目、5372キロメートルを走ったところで、がんが肺に転移していることがわかりました。治療に専念しましたが、残念なことに1981年、22歳の若さで亡くなりました。

「ぼくの魂は生き、夢に挑戦し続ける」という彼の言葉が受けつがれ、今も、毎年マラソン大会が開かれています。これまでに8億カナダドル(およそ640億円)の募金が寄せられ、がんの研究資金として寄付されているそうです。