新体操とは?
オリンピックの新体操は、器具を使って技術や柔軟性、音楽性を表現する女子のみの競技であり、1984年のロサンゼルス大会でオリンピックデビューを飾った。種目には個人総合と団体総合の2つがある。競技ガイドは、こちらから。
新体操はいつ、どこで、誰が考案した?
新体操は19世紀にヨーロッパで生まれ、その後オリンピック種目として発展してきた。
新体操の発案に寄与したのは、エクササイズのシステムを開発したスウェーデンの教育者ペール・ヘンリック・リング。彼が提案したシステムは、身体の動きと音楽の調和を重視したもので、これが新体操の基礎を築いたと言われている。
しかし、20世紀初頭にダンスと音楽を初めて体操の練習に取り入れたのは、スイスの作曲家で音楽教育者のエミール・ジャック=ダルクローズだった。ジャック=ダルクローズのアプローチはリトミックとして知られ、動きを表現し、強化する手段として音楽を用いた。
新体操のルールは?
新体操の演技は、体操競技と同様、審査員によって評価される。難易度(Dスコア)と出来栄え(Eスコア)に分けて得点が与えられ、それらを合計したものが最終スコアとなる。採点基準は、オリンピックが終わるごとに更新される。
- Dスコアは、跳躍、ジャンプ、器具の使用など、演技の各要素に基づくもの。この難易度の点数に上限はない。
- Eスコアは、個人またはグループによる演技の完成度に基づいて審査される。10点満点からの減点方式で、審査員が出した得点の中から中間の3つのスコアの平均が最終的なスコアとなる。
- DとEを合算したものが最終スコアとなり、その後、ペナルティによる減点が差し引かれる。新体操では、即座に減点対象となる事柄のリストは信じられないほど長く、複雑なものとなっている。器具の破損、所要時間、軽やかでない着地といったあらゆることでペナルティを受ける可能性がある。
新体操とオリンピック
新体操の競技大会は1940年代にソビエト連邦で始まり、1961年に国際体操連盟に認定された。1964年に最初の世界選手権が開催されたが、新体操がオリンピックに登場したのは、1984年大会が最初で、カナダのロリ・ファングがこの競技で初のオリンピックタイトルを獲得した。団体種目は1996年のアトランタ大会で初めて実施され、スペインが優勝している。
注目の新体操選手
新体操の国際大会では、東欧諸国が圧倒的な強さを誇っている。しかし、オリンピックで複数の金メダルを持ち帰ったNOCはこれまでになく、唯一の例外はロシアで、北京2008とロンドン2012のチャンピオン、エフゲニア・カナエワやリオ2016のチャンピオン、マルガリータ・マムーンといったスター選手に導かれ、1984年にこの競技がオリンピックプログラムに組み込まれて以来、17個中10個の金メダルを独占している。
東京2020では、イスラエルのリノイ・アシュラムが個人総合で表彰台の頂点に立ち、同国出身の女子選手で初のオリンピック金メダリストとなった。残念ながら、23歳の彼女は2022年4月に競技からの引退を表明したため、パリでその姿を見ることはできない。
ワールドカップでイタリア人選手で初めて個人総合優勝を果たした新星ソフィア・ラファエリは、パリ2024で歴史的な金メダルを獲得するのではないかと多くの人が予想している。18歳の彼女は、現在世界ランキング1位につけている。
団体戦では、東京2020の金メダリストであるブルガリアが世界ランキングをリードしている。彼らを追うフランスは、自国で初の表彰台を目指している。