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バレーボール競技のひとつとして、砂の上で行うビーチバレーボールは、1920年、カリフォルニア州サンタモニカの海岸で誕生した。初めての公式トーナメントが行われたのは1947年。1950年にはカリフォルニア州のビーチを数百人の選手が転戦するサーキットも開始された。1983年にプロ選手団体、バレーボールプロフェッショナル協会(AVP)が創設され、1987年には国際バレーボール連盟(FIVB)公認の初めての国際トーナメントがブラジルで開催されている。
ビーチバレーボールでは、2人制の2チームが、長さ16m、幅8mの砂のコート上で対戦する。コートのサイズは、室内バレーボール用よりやや小さい。コートの中央に張られるネットは、室内バレーボールと同じ高さのものが用いられ、女子では2m24、男子では2m43となる。
試合は、3セットマッチで行われ、2セット先取したチームが勝者となる。最初の2セットは、それぞれ21点まで行われるが、3セット目まで実施される場合は15点までとなる。各チーム選手2人でコート内を全てカバーしなければならないため、電光石火の反射能力が要求される。また、競技は屋外で行われるため、選手のパフォーマンスは日光、風や雨などの天候に影響を受けやすい。したがって、試合に勝つために、選手はさまざまな状況に素早く適応し、臨機応変にプレーする能力も求められる。
ビーチバレーボールがオリンピックの正式種目としてデビューしたのは1996年のアトランタ夏季オリンピック。1992年のバルセロナオリンピックでは公開競技として行われた。ブラジルとアメリカ合衆国は、オリンピックでの強豪国として君臨。これまでのオリンピック7大会における男女合わせた42個のメダルのうち、これら2カ国が10個の金メダルを含む24個のメダルを獲得している。これらの2カ国以外で金メダルを獲得した国は、ドイツ(ロンドン2012男子、リオ2016女子)、オーストラリア(シドニー2020女子)、ノルウェー(東京2020男子)のみである。