意図をもって調達方法を革新する
私たちパリ2024大会組織委員会は、競技大会開催のために必要となる物品・サービスの調達を信頼のおけるサプライヤーとパートナーに委託している。このため、責任のある購入戦略を設定し、高い目標を掲げている。私たちは、公的調達の全てに適用される法令を順守する一方で、契約の発注における入札基準を高めることによって新しい道を切り開く。これは、パリ2024競技大会が終わった後も末永く活用される有意義なものとなるだろう。
パリ2024では、競技大会の準備におよそ25億ユーロ分の物品やサービスが必要とされている。あるいは、オリンピック施設建設公社(SOLIDEO)、公共機関、および民間企業に発注する契約を含めると合計で50億ユーロの支出が見込まれている。調達プロセスは、法的観点から厳重に管理され、迅速かつ効率よく、事業として無駄のないように進められる。このプロセスには、環境面と社会面からの高い基準が設けられる。
日々、私たちは正しい情報を広め、研修教材を作成するなどして、包括的で公正な入札プロセスに磨きをかけている。これによって、誰もが入札に参加することができ、入札プロセスにおいてサプライヤーに持続可能な取り組みを促すことができる。
入札市場開拓のための調達
私たちは、オリンピック・パラリンピック競技大会による経済的利益と、大会後に引き継ぐレガシーのために、できるだけ大きな入札市場を形成したいと考えている。そのためには、横断的なアプローチによって、小規模な零細企業や社会的起業家などを含め、見込みのあるサプライヤーを詳しく調査する。私たちは、これまでの2年間に10,000社を超える企業から調達を行っており、今後の調達先を探す際の貴重な情報源となっている。
パリ2024は、スポーツ界が持つ同じ価値、ヒューマニズムと助け合いを支援する社会的連帯経済を促進する特別な機会です。
パリ2024の本部には、厳格な基準に見合った家具や備品が置かれています。今回の入札募集は、供給した家具を競技大会の後に買い戻すことも落札価格に含まれる初めての機会でした。パリ2024は、所有するためにかかる費用より、使用することにかかる費用を重視するといった新しい視点から物事を見ることを教えてくれています。これは、循環経済に取り組む組織とともに、製品を再使用して活用するという選択を販売者であり製造者である私たちに促しているのです。
全てに開かれた入札募集
私たちは、組織の種類にかかわらず、参加資格のある全ての事業者が入札に参加できるよう募集する。レ・カノー(ソーシャルビジネス支援団体)とエンタープライズ2024(公募入札情報プラットフォーム)と共に設立し、フランス企業運動(フランス最大の経営責任者組合)と開設したESS2024は、小規模な零細企業や社会的起業家と情報を共有するプラットフォームとなり、入札の機会を得る手助けになる。私たちは、誰もが委託契約に入札できるように、次の手段を用意している。
- サプライヤーが前もって入札応募の計画を立てることができるよう、調達情報マップを公開する。
- 小規模企業がより実際的な契約に臨めるよう、共同事業への参入や再委託契約の割り当てとその可能性を提示する。
- 障がいがある人や長期の失業者の就業を支援する保護セクターや団体・組織のための委任契約を確保する。
契約発注における責任のある基準
私たちとの契約に含まれる環境的・社会的イノベーションへの取り組みに重点を置くことによって、私たちが最も関心の高い分野(二酸化炭素排出による影響の軽減、循環経済の促進、社会的企業との協働、長期失業者と障がいがある人々との職業統合)で最大の成果を得られるよう入札者を促し、中小企業にコンソーシアムへの参入を奨励することによって、地域に新しい価値を創造する。
このような新たな取り組みを実践するサプライヤーに発注することにより、たとえば、デザインや製造方法、使い方や再利用などに重点を置き、物品やサービスそのもの以上の価値を作り出すことができるだろう。
循環経済
私たち大会組織委員会の仕事は、ある意味、ストーリーを書くことである。そして、そのストーリーの終わりがいつであるかを理解している。つまり、大会組織委員会は、時期が来れば解散させられることを承知している。このことから、私たちは調達したものが競技大会で利用された後、返却、再販、寄付、譲渡など、どのように扱われるかを常に考慮している。パリ2024は、エコデザインや物品の再利用に努めることで循環経済の原理に従い、これが競技会場となる地域や将来の組織委員会のレガシーとして引き継がれる。このアプローチは、パリ2024の中枢である建物、パルスにおいて具体化されることから始まった。大会組織委員会がパルスに移った後、サービス提供業者は、エコデザインの中古リース家具や備品を供給している。