あまり勝者を称えていないという点で、この作品は画期的な記録映画となっている。たとえば体操競技では、オルガ・コルブトもネリー・キムも、そして若きタレント、ナディア・コマネチもほとんど称賛されていない。フィンランドのラッセ・ビレンについても、ミュンヘン大会に続いて金メダルを獲得した5000mと10000mではなく、5位に終わったマラソンのほうを深く掘り下げている。自転車団体パシュートの準備や十種競技で感動的な勝利を収めたブルース・ジェナー(現在はケイトリン・ジェナー)など、舞台裏の見せ方も秀逸だ。 ジャン・ボーダン、マルセル・カリエール、ジョルジュ・デュフォー | 118分 | 1977 | 2014 IOC 修復版