4年に一度行われるバスケットボール最強国を決定するFIBA(国際バスケットボール連盟)ワールドカップが、8月31日に開幕する。中国で開催される2019年大会からは出場国が24から32に増加。開催国・中国のほか、アフリカから5カ国、アメリカから7カ国、アジア・オセアニアから7カ国、ヨーロッパから12カ国が出場する。
■1次ラウンド全グループの組み合わせ(日程)と世界ランキング
各都市で行われる1次ラウンドは、出場32カ国が4カ国ずつ8グループに分かれ、総当たり1回戦を行い、グループ内で順位を決定する。上位2カ国は2次ラウンドに進出、下位2カ国は17位-32位決定戦を行う。なお1次ラウンドの結果は、以降も持ち越される。※試合開始時間は日本時間(現地時間は-1時間)
■グループE(開催都市:上海)
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トルコ(世界ランキング17位)
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チェコ(世界ランキング24位)
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アメリカ(世界ランキング1位)
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日本(世界ランキング48位)
9月1日17:30 トルコvs日本
9月1日21:30 チェコvsアメリカ
9月3日17:30 日本vsチェコ
9月3日21:30 アメリカvsトルコ
9月5日17:30 トルコvsチェコ
9月5日21:30 アメリカvs日本
■グループA(開催都市:北京)
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コートジボワール(世界ランキング64位)
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ポーランド(世界ランキング25位)
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ベネズエラ(世界ランキング20位)
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中国(世界ランキング30位)
8月31日17:00 ポーランドvsベネズエラ
8月31日21:00 コートジボワールvs中国
9月2日17:00 ベネズエラvsコートジボワール
9月2日21:00 中国vsポーランド
9月4日17:00 コートジポワールvsポーランド
9月4日21:00 ベネズエラvs中国
■グループB(開催都市:武漢)
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ロシア(世界ランキング10位)
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アルゼンチン(世界ランキング5位)
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韓国(世界ランキング32位)
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ナイジェリア(世界ランキング33位)
8月31日17:30 ロシアvsナイジェリア
8月31日21:30 アルゼンチンvs韓国
9月2日17:30 ナイジェリアvsアルゼンチン
9月2日21:30 韓国vsロシア
9月4日17:30 韓国vsナイジェリア
9月4日21:30 ロシアvsアルゼンチン
■グループC(開催都市:広州)
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スペイン(世界ランキング2位)
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イラン(世界ランキング27位)
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プエルトリコ(世界ランキング16位)
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チュニジア(世界ランキング51位)
8月31日17:30 イランvsプエルトリコ
8月31日21:30 スペインvsチュニジア
9月2日17:30 チュニジアvsイラン
9月2日21:30 プエルトリコvsスペイン
9月4日17:30 プエルトリコvsチュニジア
9月4日21:30 スペインvsイラン
■グループD(開催都市:仏山)
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アンゴラ(世界ランキング39位)
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フィリピン(世界ランキング31位)
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イタリア(世界ランキング13位)
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セルビア(世界ランキング4位)
8月31日16:30 アンゴラvsセルビア
8月31日20:30 フィリピンvsイタリア
9月2日16:30 イタリアvsアンゴラ
9月2日20:30 セルビアvsフィリピン
9月4日16:30 アンゴラvsフィリピン
9月4日20:30 イタリアvsセルビア
■グループF(開催都市:南京)
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ギリシャ(世界ランキング8位)
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ニュージーランド(世界ランキング38位)
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ブラジル(世界ランキング12位)
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モンテネグロ(世界ランキング42位)
9月1日17:00 ニュージーランドvsブラジル
9月1日21:00 ギリシャvsモンテネグロ
9月3日17:00 モンテネグロvsニュージーランド
9月3日21:00 ブラジルvsギリシャ
9月5日17:00 ブラジルvsモンテネグロ
9月5日21:00 ギリシャvsニュージーランド
■グループG(開催都市:深セン)
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ドミニカ共和国(世界ランキング18位)
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フランス(世界ランキング3位)
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ドイツ(世界ランキング22位)
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ヨルダン(世界ランキング49位)
9月1日17:30 ドミニカ共和国vsヨルダン
9月1日21:30 フランスvsドイツ
9月3日17:30 ドイツvsドミニカ共和国
9月3日21:30 ヨルダンvsフランス
9月5日17:30 ドイツvsヨルダン
9月5日21:30 ドミニカ共和国vsフランス
■グループH(開催都市:東莞)
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カナダ(世界ランキング23位)
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セネガル(世界ランキング37位)
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リトアニア(世界ランキング6位)
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オーストラリア(世界ランキング11位)
9月1日15:30 カナダvsオーストラリア
9月1日20:30 セネガルvsリトアニア
9月3日16:30 オーストラリアvsセネガル
9月3日20:30 リトアニアvsカナダ
9月5日16:30 カナダvsセネガル
9月5日20:30 リトアニアvsオーストラリア
■1次ラウンドで日本と対戦する国は?注目選手は?
トルコ代表(9月1日17:30~)
FIBAランキングは17位。ヨーロッパ予選を勝ち抜き、5大会連続のW杯出場を果たした。国内の競技レベルも高く、セディ・オスマン(クリーブランド・キャバリアーズ)、22歳のフルカン・コルクマツ(フィラデルフィア76ers)といった若手をNBAに輩出している。31歳のエルサン・イルヤソバ(ミルウォーキー・バックス)、32歳のセミー・エルデン(プナル・カルシュヤカ/トルコ)は、2010年の自国開催W杯(世界選手権)において、銀メダル獲得に貢献している。
チェコ代表(9月3日17:30~)
FIBAランキング24位。W杯は初出場となる。看板選手は、トマシュ・サトランスキー(シカゴ・ブルズ)と、NBA経験もあるヤン・ヴェセリー(フェネルバフチェ・ユルケル/トルコ)。昨季ワシントン・ウィザーズに所属したサトランスキーは、安定感抜群の大型ポイントガードとして注目される。一方、ヴェセリーはNBAでプレーした経験もあり、213センチと強靭なフィジカルを誇るパワーフォワードだ。日本代表は、2016年のリオデジャネイロ五輪出場を懸けた世界最終予選で対戦。71-87で敗れているため、雪辱を期す。
アメリカ代表(9月5日21:30~)
国内に世界最高峰のバスケットボールリーグ「NBA」を有するなど、間違いなく優勝候補の一角で、FIBAランキングは1位。これまで5回の優勝を誇り、今大会では3連覇を目指す。ヘッドコーチ(HC)は、サンアントニオ・スパーズを過去5度の優勝に導いた名将グレッグ・ポポビッチ。ケンバ・ウォーカー(ボストン・セルティックス)、クリス・ミドルトン、ブルック・ロペス(ともにミルウォーキー・バックス)ら、NBAのオールスター出場選手がそろう。
■日本代表、中国W杯2019出場までの道のり
2006年、自国開催のW杯(世界選手権)に出場した日本代表だったが、グループゲームラウンドで1勝4敗の5位と惨敗を喫する。その後、国内リーグが分裂するなど混乱。2014年にはFIBAから日本バスケットボール協会(JBA)の資格停止処分が下されるなど、低迷期が続いた。
資格停止処分は2015年に解除されたものの、2016年のFIBA男子オリンピック世界最終予選はラトビアとチェコに2連敗して終了。2019年に行われる中国W杯のアジア予選も1次ラウンドで4連敗。フィリピンに二度、オーストリア、台湾に一度ずつ敗れて崖っぷちとなったが、ここから奇跡が起こる。ホームのオーストラリア戦では、八村塁と帰化申請の認められたニック・ファジーカスが合流し、79-78で大金星を挙げる。その後、台湾にも勝利を収めて3位で2次予選進出を果たす。
2次ラウンドは1次ラウンドの結果が持ち越されるため、ギリギリの戦いを強いられる中、日本はカザフスタン、イラン、カタールとのホーム&アウェイ戦で全勝。2月25日、8連勝を達成した日本は、W杯出場権を獲得した。
そして8月27日、JBAはW杯出場する「Akatsuki Five(アカツキ・ファイブ)」の、最終エントリー内定者12名を発表した。最終エントリーメンバー12名は、大会開幕前日にFIBAが実施するテクニカルミーティング(代表者会議)にて承認されることで確定する。
八村塁(ワシントン・ウィザーズ)
富山県出身、1998年2月8日生まれの21歳。高校卒業後にゴンザガ大学へ進学。2019年NBAドラフトにて全体9位で指名され、ワシントン・ウィザーズに入団した。7月に開催された若手の登竜門「NBAサマーリーグ」でも活躍を見せ、話題性だけでなく、実力も十分に備えていることを示した。
渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)
香川県出身、1994年10月13日生まれの24歳。高校を卒業後に渡米し、NCAA1部のジョージ・ワシントン大学に進学する。大学卒業後、NBAサマーリーグに参加するなど、存在感をアピールする。2018-2019シーズンにメンフィス・グリズリーズの一員としてNBAに出場。田臥勇太以来14年ぶり2人目となる日本人NBA選手となった。
ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)
アメリカ合衆国出身、1985年6月17日生まれの34歳。2012年に東芝(現川崎)ブレイブサンダースへ入団する。210センチの長身でセンターとして活躍。2018年に日本国籍を取得し、代表入りを果たす。Bリーグを代表する選手の1人だ。
■W杯のシステム、1次ラウンドの次は?17位-32位決定戦とは?
中国W杯から出場国が32カ国となり、サッカーのFIFAワールドカップと同じ、4カ国ずつ8つのグループに分かれ、1回戦総当たりを行うシステムとなった。サッカーW杯はグループリーグ上位2カ国がノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進出、下位2カ国はそのまま敗退となるが、バスケW杯は1次ラウンドの後に2次ラウンドと17位-32位決定戦が行われる。
8月31日から9月5日まで行われる1次ラウンドで、各グループの上位2カ国になると2次ラウンドに進出する。AグループとBグループの上位2カ国でIグループ、CとDでJグループ、EとFでKグループ、GとHでLグループという風に、4カ国ずつ4グループを構成する。2次ラウンドでは、1次ラウンドで対戦のない国と総当たり戦を実施。1次ラウンドの結果を合わせ、各グループ上位2カ国を決定。合計8カ国がノックアウトステージへと進む。各グループ下位2カ国は、FIBA公式ルールにより、9~16位が決定される。
2次ラウンドと同じく、9月6日から9月9日まで行われるのが17位-32位決定戦だ。AグループとBグループの下位2カ国でMグループ、CとDでNグループ、EとFでOグループ、GとHでPグループという風に、4カ国ずつ4グループを構成する。そして2次ラウンドと同じく、1次ラウンドで対戦のない国と総当たり戦を実施。1次ラウンドの結果を合わせ、17~32位を決定する。
ノックアウトステージでは、上位8カ国が勝ち抜け方式で優勝を決める。準決勝で敗れたチーム同士が3位決定戦を行うほか、5~8位の決定戦も行われる。