ノルディックスキー、スキージャンプのワールドカップ(W杯)個人第15戦が26日、同第16戦が27日に、札幌の大倉山ジャンプ競技場で行われる。
今季のジャンプワールドカップではここまで14戦が行われ、そのうち小林陵侑(土屋ホーム)が9勝をマーク。ポイントリーダーとなった小林陵侑が日本に凱旋し、札幌で日本でのW杯優勝を記録できるかどうかが最大の見どころと言えるだろう。
小林陵侑は昨シーズンまでW杯の表彰台を一度も経験したことがなく、最高位は17-18シーズン第16戦フィンランド大会の6位だった。
だが今季の開幕戦で小林陵侑はいきなり3位表彰台を経験すると、第2戦でW杯初優勝を記録。その後はライバルを圧倒し、年末年始にかけてドイツとオーストリアで4戦行われるジャンプ週間では、史上3人目となるグランドスラム(4戦全勝)でジャンプ週間王者となった。今シーズン通して8位以下は一度もなく、14戦9勝。表彰台(3位以上)は11戦で経験するという驚異的なハイアベレージを叩き出している。
小林陵侑だけでなく、日本勢では第14戦ザコパネ大会では佐藤幸椰(雪印メグミルク)が、自身初のW杯3位表彰台を経験。北海道石狩市生まれの佐藤幸椰にとっても、地元開催のW杯は優勝争いに絡むチャンスとなるはずだ。
今季ここまでW杯で上位に食い込んでいるマルクス・アイゼンビヒラー(ドイツ)やシュテファン・クラフト(オーストリア)といった強豪が最大のライバルになると目されるが、今季ここまでの戦いぶりからして、やはり小林陵侑が優勝候補筆頭と言えるだろう。日本でのW杯初優勝、今季のW杯10勝目を母国で記録するというシナリオも十分に現実味を帯びている。
また、大倉山は小林陵侑だけでなく日本勢にとって馴染み深いジャンプ台でもある。勝手知ったる札幌で、日本勢は地の利を生かしたいところだ。レジェンド葛西紀明(土屋ホーム)や、小林陵侑の兄小林潤志郎、伊東大貴、佐藤慧一、原田侑武(いずれも雪印メグミルク)、作山憲斗、竹内択(ともに北野建設)らの躍進にも期待したい。