オールブラックス、ハカ...いまさら聞けない...世界最強ニュージーランド代表ってどんなチーム?

1 執筆者 渡辺文重
W杯3連覇を目指すオールブラックス

いよいよ決勝ラウンドへと突入するラグビーワールドカップ2019。大会3連覇を目指すニュージーランドはプールBを首位で突破し、準々決勝では、大会開幕時点で世界ランク1位に君臨していたアイルランドと対戦する。"事実上の決勝戦"と呼んでも過言ではない好カードを最大限楽しむべくニュージーランド代表について予習しておこう。

■準々決勝ニュージーランドvsアイルランドの日程・放送予定

10月19日(土)19時15分試合開始 @東京スタジアム(東京都)

<地上波>

<BS放送>

<ネット配信>

■いまさら聞けない...オールブラックスとハカって?

チームの愛称は「オールブラックス」。その由来には諸説あるものの、一般的にはニュージーランド代表のユニフォームが黒一色であることが愛称の由来とされる。

また、試合前に行うウォークライ“ハカ”は、ニュージーランド代表の代名詞だ。これは、ニュージーランド先住・マオリの戦士が、戦闘前に相手を威嚇するため行う舞踊が由来となっている。オールブラックスのハカには1905年に披露された「カマテ」と、2005年に作られ、勝負所で披露されることの多い「カパオパンゴ」の2種類ある。


■ニュージーランドってどのくらい強いの?過去のW杯成績は?

これまでに行われてきた試合の3/4で勝利を収めてきた世界最強のラグビー国であり、その勝率はサッカーのブラジル代表をも上回る。W杯は第1回大会から9大会全てに出場し、最多3回の優勝を誇る。1987年の第1回大会で初代王者に輝くと、その後5大会は無冠。しかし2011年の地元ニュージーランド大会で優勝を果たすと、前回イングランド大会では連覇を達成した。

2012年、スティーブ・ハンセンがヘッドコーチに就任して以降の勝率は約9割。2019年8月、ウェールズ代表に世界ランク1位を譲るまで、10年間にわたり1位を守っていたことからも「最強軍団」「絶対王者」という呼び名がふさわしいと分かる。全てのポジションに、世界最高レベルの選手を揃えている。

過去のW杯での成績

  • 1987年 - 優勝
  • 1991年 - 3位
  • 1995年 - 準優勝
  • 1999年 - 4位
  • 2003年 - 3位
  • 2007年 - ベスト8
  • 2011年 - 優勝
  • 2015年 - 優勝

■ニュージーランド代表の今大会ここまでの戦い

プールB 1位(3勝1試合中止)

  • ○ 23-13 vs 南アフリカ代表
  • ○ 63-0 vs カナダ代表
  • ○ 71-9 vs ナミビア代表
  • △ 0-0 イタリア代表(※台風のため中止となり引き分け扱い)

苦戦が予想された強豪・南アフリカ代表との一戦も、23-13で勝利を収めると、その後もカナダ代表、ナミビア代表を相手に圧勝。W杯1次リーグにおける連勝記録を31(勝率100パーセント)まで伸ばしたが、イタリア代表戦は台風19号の影響で中止に。大会規則により0-0の引き分けとなり、思わぬ形で連勝記録がストップすることとなった。

■ニュージーランド代表の注目選手

ボーデン・バレット(ハリケーンズ)

187センチ、92キロ。ポジションはスタンドオフ(SO)。28歳。ワールドラグビー(WR)男子年間最優秀選手賞に2年連続(2016年、2017年)で輝くなど“世界一のラガーマン”と呼ぶにふさわしい選手だ。今大会は、トライ1回とペナルティゴール1回の合計8得点を記録している。また、弟のスコット(ロック/25歳)とジョーディー(ウイング/22歳)も、オールブラックスの一員だ。

ブロディ・レタリック(チーフス)

204センチ、120キロ。ポジションはロック(LO)。28歳。2014年、WR男子年間最優秀選手賞に選出されるなど、前回イングランド大会の主要メンバーの1人。負傷明けということもあり、プール戦の出場はナミビア代表戦の30分のみだが、ノックアウトステージでは本来のパワーを発揮するはずだ。W杯後、ジャパンラグビー・トップリーグの神戸製鋼コベルコスティーラーズへ加入する。

リコ・イオアネ(ブルーズ)

189センチ、105キロ。ポジションはウイング(WTB)。2017年のWR最優秀新人賞に輝いた22歳だ。リオデジャネイロ五輪では、7人制ラグビーの代表として日本セブンズ代表とも対戦。12-14で敗れたことから、日本に対して油断することはないだろう。今大会はカナダ代表戦で1トライを記録。

■ニュージーランドvsアイルランド 過去の対戦成績は?

ニュージーランドとアイルランドはこれまでに31度対戦し、28勝2敗1分とニュージーランドがアイルランドに対して圧倒的な成績を残してきた。しかし、直近の対戦となった2018年11月のテストマッチではアイルランドが16-9で勝利を飾っており、2015年大会以降で言えばアイルランドが2勝1敗と勝ち越している。

2016年11月5日 ニュージーランド 29-40 アイルランド(@アメリカ・シカゴ)

2016年11月19日 ニュージーランド 21-9 アイルランド(@アイルランド・ダブリン)

2018年11月17日 ニュージーランド 9-16 アイルランド(@アイルランド・ダブリン)

もっと見る